ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

211話

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 目が覚めてみたらジュリアスさまが私の頭を抱えて寝てた。
 腕痛くしちゃうよ。

 モゾってしたらすぐに目を開いて私のおでこや首元を触って。
 熱を出してたわけじゃないよ?

「リーシャ、気分は」
 
 昨日も別に具合が悪いと思ってたわけじゃないからよくわからないけど、多分大丈夫かな?

「夜中少し熱を出したぞ」

 おろろ。疲労ってそんなことになるの?

「多分大丈夫?」
「そうか?今日もなるべく寝てて欲しいが」
「じゃぁオヤツ作りの指示だけ出します~」

 心配性って思うけど実際ダウンしたから大人しくしてよ。
 旅行疲れとかだったのかな?温度差のある地域だったからとか?

「魔力回路が整って体がびっくりしたのかもな」

 あ!そういうこともあり得るんだね。

 ニーナを呼び入れて着替えをって思ったらお湯を用意してくれてた。
「お風呂は何気に体力を奪いますからね」
 昨日お風呂に入れなかったのを考慮してくれたみたい。
「顔色は良くなっていますね。でも三日ほど大人しくするようにとロジャー先生の言付けです」

 がびん。無自覚なのに三日はちょっと辛いかも。

「レオルカの婚姻式でアッガスに顔を出さねばならないからゆっくり治せ」

 おお!海!次こそは海苔に出会いたい。私だいだらぼっちにならなきゃかも!!

「ジュリアスさま、私体力作りしたいから良い加減自分で歩きたいです」

「・・・ふらつかずに歩けるようになったら良いだろう」

「え?」

「リーシャさま、ここにきた頃はふらつきがひどくいつ転ぶか倒れるかと心配な状況でしたよ。今はほとんどないですがあの状況を見てしまった者なら心配で目を離せません」

 ニーナが眉をキュッとして教えてくれた。学園通っていた時とかどうだったんだろう?限界を迎える前の状態だったのかも?

 だから抱っこされたりずっと手を繋ぐかしてのか。一人で立っててもアランかジェイクが付かず離れずだもんね。護衛だけじゃなかったのね。
 自覚してなかったって相当だよ。

「じゃぁ軽めの筋トレグッズで倒れないやつにします」
「筋トレ?まぁ何事も回復してからだな」

 過保護とか心配性って思ってたら私のせいだった!!

 朝食に連れてってもらったら、いっぱい心配されちゃった。
 ルルゥは私用に来たばっかりの頃にセリウスさまに鳥の餌と言われた雑穀粥もどきを出してくれた。食べやすさと栄養重視のやつね。

「リーシャちゃん、無理はいかんぞ」
「そうよぉ~、仕事なんかクラウスがやるからねぇ」
「母上、ひどいなぁ。でもほんと無理しなくていいからねー」

 いや、私、仕事なんてたいしてしてないよね。

「良いこと?うちはちっとも出て行く気がない息子が二人いて人手は多い方だから気にせず甘えて良いのよぉ」

 まぁ貴族の次男以降的にはすでに結婚して独立してたりするんだよね。

「リーシャちゃんはいてくれるだけで有難いんじゃぞぅ」

 激甘家族で有難いね。お義父さまったら孫みたいに扱ってくれる。

 ジュリアスさまは離れがたそうにしつつサーキスさまに仕事に連れていかれちゃった。

「あなたが側にいても役に立ちませんよ。リーシャさま、果物を持ってきましたのでよければお食べください」

 お見舞いにいっぱい果物を用意してくれたらしい。

「アイツってば昨日の夜に街まで仕入れに行ったのねぇ」

 ルルゥが呆れたように籠に入った果物を見せてくれた。

「栄養価の高いものばかりよぉ」

 サーキスママったらありがとう。

「貯蔵庫にいっぱいあるけどねぇ☆」

 ルルゥ台無し!!

「それ半分干してもらって良い?」

 ドライフルーツにしたら日持ちするし、ケーキとかクッキーに使ったら美味しい。

「了解よぅ」
「あとカポは作業終わってからスライスして紅茶に入れて飲みたい」

 昨日の栗を持ってきてもらって、粗布と糸紐を持ってきてもらう。
 
 説明をして一緒に栗を一粒ずつ包む。

「今日はまず三、四時間煮込んでもらってそのあと砂糖を入れてまた煮込んでおしまい」

「すごい時間かかるのねぇ」

「ひたすら煮込んで漬けこむ感じ」

 ルルゥもニックスもベンも唖然。厨房からチラチラみてるコックさんたちも今日味見できないのを知ってしょんぼりだよ。

「ルルゥ、レオルカ様とマデリーさまの婚姻式のお祝いに綺麗なお菓子を作って欲しいんだけど」
「綺麗な?」
「カラフルで華やかなの」

 マデリー様の好みはわかんないけど綺麗で可愛いのだったら嬉しいはず。

 シュガーケーキって可愛かったよね。日持ちもするし。
 贅沢にお砂糖使うからお祝いにいいよね。
 甘いけどね。

 絵と説明文を書いて説明したら手間はいつものケーキと変わらないって快諾してくれた。
 色付けは花ミツバチと花びらで色を出すって。
 花飾りはニックスが練習するって張り切ってる。

 ポムたちがおやつをおねだりに来たのでニックスは厨房からクッキーを持ってきた。常備されてる。
「そういえば昨日あげ忘れたね?ごめんね」
「プキュ」
「モキュッ」
 ティムが小さな石とポムが種をバッグからだしてくれた。
 可愛いけど◯んこって知ってるからね~。
 石は宝石で水色また卵だったら困るので鑑定したら大丈夫だった。安心。
 ポムの種はマスカットみたいなののやつだった。

『お見舞いだそうだぞ』

 え?
 ポムとティムを見ると私によじ登ってきて鼻テシテシってしてくれた。
 可愛いけどなんで鼻叩いたし?

「ありがとうね」

「まー可愛いわねぇ」

 ディディエは私の肩に飛んできて羽で顔をベシベシ。

「リーシャちゃん、お昼ご飯も柔らかいので良いかしら?」

 うーん。別に具合悪くないけど胃の負担とか考えてくれてるんだろうし、頂くかな。

「うん」

 今度はたまごがゆっぽいのに芋と栗が入ってた。

 なんだろう。合うような合わないような?

 ポムたちも付き合って粥を食べてるけど粥は頬に溜めにくいと思うよ?

 食後に果物を向いてくれて、紅茶にもカポを入れてもらった。

「さぁ、一旦お昼寝してください」

 ニーナが時間だと声をかけてきた。
 眠くないけどまたダウンしたら申し訳ないので大人しく従ったよ。


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