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二章
202話
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銀髪ロン毛のお祖母様の兄!
兄ってほどお年を召してると思えない若々しさ!!
伯父様やお義父さまくらいに見えるよ!?
この場に揃っている親族を見回してため息を吐く。
「アレは本当に詰めが甘い」
お祖母様のことかな?だとしたら確かに!!って思うしかないよ。ネイマーシュに関わらないようにって言ってたのに〈ゲート〉?とやらが開いたのはお祖母様のせいだろう??
「あのぅ、クリスタニア公爵、ネイマーシュ国から転移を?」
カンガリー教授が恐る恐ると言った感じで質問する。
あ!転移陣は行き来するお互いの場所を登録して設置するから、ここにネイマーシュと行き来出来る魔法陣はないはず。
「お前は・・・見たことがあるな。転移陣とは似て非なるものだ。セラーナの空間魔法の繋がりを移動してきたからな」
どっちにしてもすごい魔力が必要だし、長距離転移だからとんでもないことだよ。
大伯父は大したことではないとあっさり答えてくれる。
やっぱりお祖母様のミスー!!!
「どこぞのスレイプニルの骨が妹をたぶらかしてから一度も会うことが出来なかったからな。セラーナの子たちよ、孫たちよ。私はそなたたちに会えて嬉しい」
馬の骨っぽいことわざあるんだ。スレイプニルって!!
お祖父様がめちゃくちゃ汗流してる。
「そこの小さき娘、近う寄れ」
え!?私?従兄弟たちじゃダメ?
大伯父は私の目を覗き込み、逆に私は大伯父の瞳をしっかり見れる。
銀に煌めく瞳が魔力を帯て薄い水色が揺らめく。
私の体がピリッと電気が走った。〈鑑定〉されちゃったかも?
「クリスタニア公爵、それはマナー違反ですよ!」
リックさまが私と大伯父の間に割って入り抗議してくれた。
「お前も見たことがあるな」
大伯父が手を振り払っただけでリックさまが壁際まで飛ばされた。
「心配せずとも魔力の濁りと滞りを解消するだけだ」
濁り?滞り!?
「セラーナは天才肌でなんでもできてしまった分、細かい部分がおざなりだ」
大伯父の手が胸元に来て私の体内に自分の魔力を通していく。
「我らに引き合わせたくなかったのだろうが、無理を通せば弊害が出るのは当たり前だ」
さっきお祖母様に封印を解かれた時よりずっと体の深い部分、精神?まで魔力が行き渡るようなそんな感覚を受ける。
「そこのお前も」
伯父に手を翳し、同じように魔力を流したみたい。
「お前はあまり不便はなさそうだな。セラーナの意地のせいで簡単に施せる処置が複雑になってしまった」
何のことかイマイチわからないけど、駆け落ちのせいで大伯父になら簡単に助けてもらえたのにお願いできなかったってことかな!?
「その上早くに死んでしまって嘆かわしいことだ」
言い回しはツンツンだけど悔やんでて悲しいって感じっぽい。
伯父様もなんだかスッキリした面持ちだ。お祖母様に似てる私たちは高魔力で大半の魔力が封印されてたってこと?
「この娘も魔力に翻弄されたのか」
お母さまの棺に手を翳して〈鑑定〉したようだ。
レイドラアースの魔素では足りなくて早くに亡くなったと言いたいの?
「・・・セラーナは無茶をした。孫子にまで影響するとは想いもしなかっただろうが」
深い深い溜息を吐く。
“そなたは《稀人》なのであろう”
大伯父は突然、古代神聖語で話しかけてきた。
“以前にも言われたことがありますが《稀人》ってなんですか?”
“この世界ではない世界の記憶を持つ者のことだ”
私、確実に《稀人》じゃん!
“その魔力量と無属性、魂の色は特徴的だ”
よくわからないけどそうなんだ。
“私をネイマーシュに連れ帰りますか?”
ネイマーシュに見つかれば利用されるって言ってた。
“いや、無理に連れかえればセラーナの二の舞になる。まして我が血脈を王家の都合の良い駒にされ、好きにさせるのは業腹だ”
おや?自国の王族嫌い!?
“稀人は王家に嫁ぐものですか?”
“稀人の知識や高魔力、国のためには手に入れたい存在だ。稀人を見つければ国への報告義務がある。だがそなたはレイドラアースの者で、セラーナは国から離れておるから義務の範囲ではない”
とりあえず良かった!?
“私はもう帰る。用があればセラーナの文箱に呼びかけるがいい”
大伯父はそのまま消えてしまった。自由人だな!?せめてお祖父様に挨拶・・・あ!王様いるのに華麗にスルーだった!!
「・・・リーシャ様。古代神聖語で会話が出来るんですね」
リックさまに言われて気がついたけど、魔法学習ってたら多少は学んでるよね。
「ところどころの単語しかわからんじゃったわい」
教授もそうだし、ジョシュー先生もいるんだよ。
マーベルハント家の人たちも叡智とか言われてるんだから聞けちゃったかも。
大伯父もお祖母様と一緒で詰めが甘いようだ。
「えっと、私の魔力の不安定さを解消してくれて、お祖母様とお母さまの死に哀悼の念を伝えられました。あとネイマーシュに連れて行かれずに済みました」
だいぶ端折ったけど。
「私も不快感が解消されました」
伯父様は胸に手を当てて嬉しそうに確認してる。
「お前にも影響があったのか!?」
お祖父様がびっくりした。伯父様は家族に言ってなかったんだね。
「母上に近しい魔力はこの国では少し生きにくかったようです」
お祖母様に施されていた封印を理解してたんだ。
いつまでも小寒い霊廟にいるわけにもいかないので屋敷に戻ることになった。
司祭さまたちは帰られて、王様ご一行は残るそうだ。暇か!?いやわざわざ来てくれた気持ちは大変有り難いんだけどね。
「リーシャ、もう魔力の不安定さが無くなったんだな。良かった」
屋敷に戻る間にジュリアスさまが抱っこしてくれてそっとこめかみにキスを落としてくれた。
兄ってほどお年を召してると思えない若々しさ!!
伯父様やお義父さまくらいに見えるよ!?
この場に揃っている親族を見回してため息を吐く。
「アレは本当に詰めが甘い」
お祖母様のことかな?だとしたら確かに!!って思うしかないよ。ネイマーシュに関わらないようにって言ってたのに〈ゲート〉?とやらが開いたのはお祖母様のせいだろう??
「あのぅ、クリスタニア公爵、ネイマーシュ国から転移を?」
カンガリー教授が恐る恐ると言った感じで質問する。
あ!転移陣は行き来するお互いの場所を登録して設置するから、ここにネイマーシュと行き来出来る魔法陣はないはず。
「お前は・・・見たことがあるな。転移陣とは似て非なるものだ。セラーナの空間魔法の繋がりを移動してきたからな」
どっちにしてもすごい魔力が必要だし、長距離転移だからとんでもないことだよ。
大伯父は大したことではないとあっさり答えてくれる。
やっぱりお祖母様のミスー!!!
「どこぞのスレイプニルの骨が妹をたぶらかしてから一度も会うことが出来なかったからな。セラーナの子たちよ、孫たちよ。私はそなたたちに会えて嬉しい」
馬の骨っぽいことわざあるんだ。スレイプニルって!!
お祖父様がめちゃくちゃ汗流してる。
「そこの小さき娘、近う寄れ」
え!?私?従兄弟たちじゃダメ?
大伯父は私の目を覗き込み、逆に私は大伯父の瞳をしっかり見れる。
銀に煌めく瞳が魔力を帯て薄い水色が揺らめく。
私の体がピリッと電気が走った。〈鑑定〉されちゃったかも?
「クリスタニア公爵、それはマナー違反ですよ!」
リックさまが私と大伯父の間に割って入り抗議してくれた。
「お前も見たことがあるな」
大伯父が手を振り払っただけでリックさまが壁際まで飛ばされた。
「心配せずとも魔力の濁りと滞りを解消するだけだ」
濁り?滞り!?
「セラーナは天才肌でなんでもできてしまった分、細かい部分がおざなりだ」
大伯父の手が胸元に来て私の体内に自分の魔力を通していく。
「我らに引き合わせたくなかったのだろうが、無理を通せば弊害が出るのは当たり前だ」
さっきお祖母様に封印を解かれた時よりずっと体の深い部分、精神?まで魔力が行き渡るようなそんな感覚を受ける。
「そこのお前も」
伯父に手を翳し、同じように魔力を流したみたい。
「お前はあまり不便はなさそうだな。セラーナの意地のせいで簡単に施せる処置が複雑になってしまった」
何のことかイマイチわからないけど、駆け落ちのせいで大伯父になら簡単に助けてもらえたのにお願いできなかったってことかな!?
「その上早くに死んでしまって嘆かわしいことだ」
言い回しはツンツンだけど悔やんでて悲しいって感じっぽい。
伯父様もなんだかスッキリした面持ちだ。お祖母様に似てる私たちは高魔力で大半の魔力が封印されてたってこと?
「この娘も魔力に翻弄されたのか」
お母さまの棺に手を翳して〈鑑定〉したようだ。
レイドラアースの魔素では足りなくて早くに亡くなったと言いたいの?
「・・・セラーナは無茶をした。孫子にまで影響するとは想いもしなかっただろうが」
深い深い溜息を吐く。
“そなたは《稀人》なのであろう”
大伯父は突然、古代神聖語で話しかけてきた。
“以前にも言われたことがありますが《稀人》ってなんですか?”
“この世界ではない世界の記憶を持つ者のことだ”
私、確実に《稀人》じゃん!
“その魔力量と無属性、魂の色は特徴的だ”
よくわからないけどそうなんだ。
“私をネイマーシュに連れ帰りますか?”
ネイマーシュに見つかれば利用されるって言ってた。
“いや、無理に連れかえればセラーナの二の舞になる。まして我が血脈を王家の都合の良い駒にされ、好きにさせるのは業腹だ”
おや?自国の王族嫌い!?
“稀人は王家に嫁ぐものですか?”
“稀人の知識や高魔力、国のためには手に入れたい存在だ。稀人を見つければ国への報告義務がある。だがそなたはレイドラアースの者で、セラーナは国から離れておるから義務の範囲ではない”
とりあえず良かった!?
“私はもう帰る。用があればセラーナの文箱に呼びかけるがいい”
大伯父はそのまま消えてしまった。自由人だな!?せめてお祖父様に挨拶・・・あ!王様いるのに華麗にスルーだった!!
「・・・リーシャ様。古代神聖語で会話が出来るんですね」
リックさまに言われて気がついたけど、魔法学習ってたら多少は学んでるよね。
「ところどころの単語しかわからんじゃったわい」
教授もそうだし、ジョシュー先生もいるんだよ。
マーベルハント家の人たちも叡智とか言われてるんだから聞けちゃったかも。
大伯父もお祖母様と一緒で詰めが甘いようだ。
「えっと、私の魔力の不安定さを解消してくれて、お祖母様とお母さまの死に哀悼の念を伝えられました。あとネイマーシュに連れて行かれずに済みました」
だいぶ端折ったけど。
「私も不快感が解消されました」
伯父様は胸に手を当てて嬉しそうに確認してる。
「お前にも影響があったのか!?」
お祖父様がびっくりした。伯父様は家族に言ってなかったんだね。
「母上に近しい魔力はこの国では少し生きにくかったようです」
お祖母様に施されていた封印を理解してたんだ。
いつまでも小寒い霊廟にいるわけにもいかないので屋敷に戻ることになった。
司祭さまたちは帰られて、王様ご一行は残るそうだ。暇か!?いやわざわざ来てくれた気持ちは大変有り難いんだけどね。
「リーシャ、もう魔力の不安定さが無くなったんだな。良かった」
屋敷に戻る間にジュリアスさまが抱っこしてくれてそっとこめかみにキスを落としてくれた。
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