ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

193話

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 クラウスさまが先ほどまでのことを説明してくれた。
 かくかくしかじかってヤツ。
 
 聞き終わるとジュリアスさまが苦笑、セリウスさまはしょっぱい顔、サーキスさまはとっても良い笑顔で。

「俺とクラウスを間違えるってどう言うことだよ・・・」
 二人は顔立ちはよく似てるけどセリウスさまがルビーレッドの髪、クラウスさまがストロベリーブロンドって感じで。色合いが全く違うし、マッチョと細マッチョってくらい体格も違うんだ。
 地味に凹んでるセリウスさま。クラウスさまだってあと数年したらマッチョレベル上がるよ!

「すぐに逃げ帰ると放置してましたがやはり追い出した方が良かったですね」
「ディゴーは危ないことはないのでは?」
「あそこはいろんな場所から行商人がくるので警備は強化していますが流れてくる者には悪どいのもいますよ」
 ほえ、色んな人が出入りするんじゃ仕方ないか。

「コリナーイ伯爵は愛人のところに入り浸りで情報収集なんてしてないと思うわよぅ。娘に言われるままここに来たんだと思うわぁ」
 
 お義母さまが部屋から出てきて教えてくれた。

 コリナーイって。
 何度も絡んで来そうで嫌だな。

「あのご令嬢もだけど今街まで来てる子達、婚約破棄や解消されてるみたいなのよぉ」

 貰い手が無くなったから、嫁の来手がなさそうな辺境を狙ったのかな。

「いくら嫁不足でも訳アリを無条件で迎える訳がないだろう~」
「自分が選ぶ側だと思ってるんだよー」

 私を王命で押し付けられた嫁とか思ってるから自分達もって思うのかな?

「しかしリーシャちゃん、思ったより喧嘩っ早いのかー?」
「うふふ、リーシャちゃんは王都でもルルゥに自分のところに来いとか言った男に抗議してたものねぇ⭐︎」
 セリウスさまが聞くとお義母さまが王都でのこと言っちゃった。

「へぇ、普段あんまり感情出さないのに人の事だと怒ってくれるんだな~」

 ん~?そうかな。
 さっきのは気持ち悪すぎたからついってヤツです。ルルゥの時もあいつキモかったから。目の前で引き抜きもムカつくしね。

「リーシャさま、女性相手でも危険なので対面での煽りは避けてほしいものですね」

 煽ったつもりじゃないけど、殴りかかってくるタイプだったら危ないからちょっと反省だ。

 サーキスさまが少し呆れ気味だけど今日は怒ってる感じじゃなくて良かった。

「そう言ったことならディゴーに求婚にやってきた令嬢たちとともに行動をしているデイジー・スコット男爵令嬢が教師の職につきたいと申し込んできたのですが却下にいたしますか」

 ん?仕事で居座って口説こうってやつかな?
 セバスチャン、執事なのに教育機関(仮)の人事に駆り出されてるの?
 ギルドとかに求人かけてるらしいけど窓口セバスチャンだったんだ。

「あらぁ、スコット男爵家の三女ならそんなに野心のあるタイプじゃないはずだからやりたいって言ってきたなら雇っても問題ないわよ~。確か家族との折り合いが悪いから家を出たいのではなくて~」

 お義母さまの情報網、謎に広いみたい?
 家族が嫌な感じなら逃げた方がいいね。結婚に逃げるとかもあるけど、貴族の婚姻は親と家が付いてくるから逃げるなら身一つだ。

「面接して大丈夫そうならありがたい人材なのでは?」

 男爵家なら学園は出てるだろうし。

「では私とセバスチャンで面接してみましょう。セリウスさまやクラウスさまに会う前に人となりを見ないと」

 サーキスさま、暇じゃないのに良いのかしら。

「ディゴーや街の方で働いてもらうならセリウスさまたちは滅多に会う機会がないのではないですか?ならさほど心配ないような」

 結婚目当てなら面接時にそう言ったら帰っちゃうよ。
 もし本当にやる気があったら。
 
「まずはお会いしてからですね」

 ほんと。さっきの令嬢みたいにいきなりうるるるしてこない人だといいね。

「さぁ貴方達着替えてらっしゃい。もう食事の時間よぉ」

 そういえば玄関ホールだった。

「「「はい」」」
 ジュリアスさまが私を抱き上げてお部屋に。

 着替えが終わるとジュリアスさまが私を抱えてベッドに座る。

「リーシャ、弟たちのために怒ってくれてありがとう。でもあの手の女や父親はすぐに手を出してくることが多い。危険だから妙な連中が来たら全部ハロルドやクラウス本人にまかせておきなさい」

「はい」

「クラウスなら二度とそんなことを言ってこれないように完膚なきまで言葉で責め立てて心を折るから問題ない」

 え、それはちょっと見てみたいけど、恐ろしそう。

「リーシャの前では猫をかぶっているが二人とも女性に厳しい」

 みた感じチャラくて女好きっぽいのに。

「さぁ、食事に行こうか」
「はい」

 てことで食堂に向かったらみんなお揃いです。

「さっき、コリナーイ伯爵夫人から連絡があって夫とは離縁して娘には隣国の金持ち商人に後妻に出すから何も配慮せず領外に追い出してほしいってぇ」

 お義母さまが報告してくれた。

「夫はともかく娘にも容赦ないな~」
「娘の方はね、婚約者が気に入らないって罵倒して勝手に破談にして父親のところに逃げてたそうなのぉ」
 
 なぜ罵倒したし。お相手に何かやられたのかしら?

「でも金持ちの後妻なら金遣いの荒いあの令嬢ならい情かけた方じゃないー」
「そう言う金持ちは案外締まりやよー」

 なるほど。お相手次第ではお金使えないんだね。

「ほかの令嬢たちもディゴーがグレーデンでは一番品揃えいい街って知ってカフェやドレスショップがないしって帰る子も出てるそうよー」

 そこは来る前に調べなよ。

「まだ残る子いるのー?」
 
 クラウスさまが嫌そうに聞く。

「そうねぇ、残ってるのは公爵家狙いの婚約レース敗れた子たちね」

 何それ。

「最近ウチは儲かっているし評判がよくなって上は30、下は10才の釣書が来てるわ~、貴方たちが嫌がるから全部断ってるわよ?でもディゴーまで来ちゃうとは思わなかったわ~」 

 30はバツイチバツニくらいしてるんかな。ジュリアスさまなら年齢的にはアリだけど、セリウスさまやクラウスさまだとちょっと図々しいな。
 んで10歳ってなんだ。まだまだ歳の近いお相手色々探せるでしょう?

「まぁディゴーに行く時ついでに散らして来るよー」
「うんー、現実を見せてくるよー」

 あれ、なんか不穏な言葉が出た。
 
「あまりやりすぎるんじゃないぞぅ、そう言った女性は執念深くなる時もあるからのぅ」

 話を聞くだけでひたすら食べてたお義父さまが釘を刺した。
 なんか女性関係の歴戦の勇者っぽいぞ。

「そんなヘマしないからー」

 セリウスさまとクラウスさまがニヤッと笑ったにで顔知らぬ令嬢たちに合掌。




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