ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

189話

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 お昼は口の中が甘かったのでしょっぱいものが欲しいと思ったらカレー風味スープが出た。
 ルルゥも甘ったるくてスパイス望んだんだろうね。

 カレーに使ってるスパイスはちょこちょこ手に入るようになってる。
 アッガスが海を開放したらもっと手に入れやすくなるかな。
 他の渡来品もね。

「あー、美味しそう~。ルルゥ、僕にもちょうだい」

 お義母さまと昼食を取っていたら、お昼のお仕事に帰ってきたクラウスさまがカレーの香りに食欲を刺激されたみたい。

「おかえりなさい」
「おかえり、クラウス」

 クラウスさまがカレーピラフまでお願いしてお義母さまもってお昼もすんごいね。

 ルルゥがクラウスさまにもワタアメを出して、厨房に道具があるって聞いて行っちゃった。コックさんたちと大騒ぎしてるからしばらく戻ってこないね。

 お義母さまはおやつにケーキを三ホール食べてお部屋に戻って行った。
 思ったより少ないね?


 ひとしきり楽しんだクラウスさまが戻ってきたのでこのまま厨房でお仕事。

「遊具?」
「はい。お外で遊びながら運動したりお友達と協調性を学べます」

 適当だけど書き起こした紙を見せる。

 滑り台、ブランコ、ジャングルジム、シーソー。あと鉄棒かな。

 説明している間にアスレチックも良いなって思っちゃった。

「ほー、面白そうだね~。これうちの庭で試作できるー?」
「出来ますよ」

 って面白そうって自分が試してみたい方か。

 早速材料を運んでもらって裏庭部分で作業開始。
 手の空いてる庭師さんたちや騎士さんコックさんがワラワラ集まってきた。

「これを作るよー、手伝ってね~」

 滑り台はレンガとコンクリっぽいので成形して、シーソーとブランコは木材なのでお任せして。

 私は鉄棒とうんてい、ジャングルジムを土台をしっかり深めに掘って、素材を魔術で変形させて作った。

 ここの人たちの平均身長は2m越えなのでかなりデカい。
 足場でも作ったのかね?ビル建ちそう。

 魔法でゴリ押し。コンクリも速攻乾かすので一時間もしないうちに完成だよ。

 ついでにロープで吊り橋みたいなのとネット登り、空中ケーブルみたいなのをいろいろ作ってみた。ちょっと心配だったので強化魔法使っておいた。

「「「「「わぁ!」」」」」

 ゴツめのおじさまたちが試してみたそうにこちらを見ている。

「どうぞ」

 って言ったのに何故かクラウスさまが私を抱き上げて滑り台に登る。

「一番乗り~!!」

 体格を考えて大きめに作って下の部分は入ってプチ迷路にしてあるので結構な高さから降りることになってる。

「ふぅー~ーー!!」

 めちゃくちゃ楽しそうなクラウスさま。
 ジェットコースターで慣れてる私でもちょっと怖かったのに!

「「「「おおおぉおお!!!」」」」

 何故みてるだけでテンション上がってるんだ!

 すでに滑り台に列をつくってる。

 富士山滑り台みたいにすれば良かったかな?放射状に滑れるやつ。

 私を抱っこしたままのクラウスさまが次に選んだのはブランコ。
 使い方を説明したらすぐさま大地を蹴って数回揺らしたら立ち漕ぎ。
 教えてないのに何故だ!!

 ビューン!ゴォー!

 待て待て待てーーー!!!ブランコが出す音じゃないよーーーー!!!

「ひゃっはぁー!!」
「「「おお~!!ふぅ~ーー!!!」」」
 (あばばばばーーーー!!!!クラウスさまのあほーーーーーーー!!!)

 ハイテンションに子供返りしたクラウスさまとおじさんたち。

 そう言えばここは辺境。パワーが違いすぎて普通に遊べないんだわ!!!

 次に選んだのはシーソー。
 よもや私対クラウスさまだったら動かないぞって思ったら私を抱っこしたまま片側に座って反対側にアランを座らせた。

 嫌な予感しかしないよ。

 スタンッ!

 軽快に地面を蹴るとシーソーがダンってはねる。

 大きめサイズなので容赦なく体が浮く。クラウスさまがガッチリ抱きしめてなかっったらかなりの距離吹き飛んでるはず。

「ははは!!」
「「「「うえぇーーーい!!」」」」

 あちこちから楽しそうな声が飛んでる。

 子供用に考えたのに絶叫系になっとるやないかーーーい!!!

 空中ケーブルもター○ンくらい飛んだよ。

 子供用サイズに作らないと危険だと思うんだけど、どうしたものか。

 うんていから、

「うっほ、はぁっっっーうっん!!」
「ぬおおおお~ぅおおお~!!」

 ゴリラでもいますっけ?

な雄叫びが聞こえてきたと思ったらハイスピードでおいかっけっこうんてい!!

「へぇ、体鍛えれそうねぇ☆」

 ルルゥが覗きにきて面白そうに見学してる。

 私はもうお試ししなくて良いから好きに楽しんでくれ。

 ポムとティムは吊り橋の方で走り回って。
 デェディエとアズライトは滑り台に並んでる人にくっついて一緒に滑ってる。

「これは大人用と子供用分けた方がいいわねぇ」

 ルルゥは私の落書きなイメージ図を見てそう言った。

「場所分ける感じ?」
「そうねぇ、子供が遊ぶ場所は子供用だけで良いでしょうねぇ」

 まぁそうだね。

 ぼんやりおじさんたちを眺めていたらルルゥにガシって抱き上げられて、再び滑り台とブランコに連れて行かれた。

 (ルルゥのブゥワァァーーーカァーーーーァ!!!)
 
 疲労困憊な私は子供達のためとは言えとんでもないことをしちゃったよ。


 おじさんたちは縄遊びを色々試して独自のアレンジを始めた。庭がアスレチックジムになっちゃうよう。


 みんなが夢中になってるのでニーナに目配せしてこっそり抜け出した。

「酷い目にあったよ」
「楽しそうですがスカートではダメですねぇ」

 いや?そうじゃないよ!?
 私は思いっきりスカートだし。

 髪も服も砂埃まみれなので軽くお風呂に入って着替えた。

 お義父さまが帰宅してすぐ裏庭に行って、歓声が大きくなって。

 ジュリアスさまとセリウスさまも門で聞いたのかすぐ裏庭に。

 食事の時間にも戻ってこないのでお義母さまがちょっと呆れてた。

「先に頂きましょうね」

 今日のお肉はハーブ鳥。

 久しぶりにお義母さまの膝抱っこで頂いてます。

「ワタアメの機械って簡単かしら?」
「簡単ですよ」
「お姉様に贈りたいのだけどお願いしても良いかしらぁ?」
「大丈夫です」
「雲を食べるってきっとびっくりするわぁ」

 雲ではないんですが、まぁ原理とか面倒なので良いや。

 明日作る約束をして。

 二人でババロアとタルトを食べて。
 お義母さまは「寝るわぁ」ってお部屋に戻って行った。

 未だ食堂に来ないほど楽しいのかなって裏庭覗いたら、ちょうどセリウスさまがシーソーの台木が折れて宙に舞って、縄で作ったらしきハンモックみたいなのが切れて地面にめり込んでるお義父さまが大笑いしていた。
 
 強度足りなかったかぁ!!!

 いや縄はおじさんたちが新たに追加してたとこだから強化してなかったけど。

 何故か街灯みたいなのが設置されてて、何時まで遊ぶ気なんだって状態になってる。

「はぁ、楽しい。筋肉も鍛えれそうだよねー」

 シーソーで飛んでたセリウスさまは普通に無事で良い笑顔で戻ってきた。

「壊れちゃったじゃないですか」
「ねー、付与魔法使ってないともたないみたいだね~」

 シーソーはもっとゆったり遊ぶもんだよ。
 
「お腹すいた~!僕は戻るよ~」

 クラウスさまは完成からずっと遊んでたもんね。

「あー俺も腹減ったから戻る~」
「うむ、ワシも腹が減ったのぅ」

 そんなわけでみんな解散な雰囲気に。
 でも仕事終わりに覗いた人はこれから遊ぶらしい。

「リーシャ、これは子供たちも喜ぶな」

 ジュリアスさまも一通り楽しんだのか良い笑顔だ。少年みたいだよ。

 私を抱き上げて、部屋に戻るとジュリアスさまはサッと着替えて。

「リーシャ、アズライトが池を観に来いって言っていたから俺の食事が済んだら行こうか?」
「アズライトが?」
「ああ、何かいいものが見られるらしい」

 さっき何も言ってなかったのにね?

 ジュリアスさまと食堂に行くとお義父さまたちがめっちゃ食べてた。
 運動でお腹空いてたみたい。

「リーシャちゃん、あれはあちこちに作ろう!」

 相当気に入ったようで。鍛治師さんや大工さんにお願いできるし、強化魔法は使える人結構いるっぽいので私があちこち行く必要はないだろうけど、騎士さんたちの馬力だとかなり強度上げないと怖いね。


 ジュリアスさまが食べ終わるまで私はお茶を飲んで待ってた。





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