177 / 484
二章
172話
しおりを挟む
朝食もみんなで。
子供達には昨夜使ったローテーブルと言うか応接室のテーブルかな?
豪華なテーブルを再び使ってる。
お義母さまとクラウスさまと侍女さんたちで補助しつつ。
相変わらずシエルはみんなから少し離れて静かにしてるけど昨日より気配が和らいでるような感じがする。
子供達は畑や工場に勤めてる人たちの住居に行って同じ年代の子供と勉強したりお手伝いしてグレーデンに馴染んでもらう予定だそう。
里親ははっきり言ってみんなが希望するから、顔合わせして子供たち本人が気に入った人にまかせるってめっちゃ大雑把な感じ。
食事を終えて予定を説明されたネオとジジが、
「ルゥーもう会えない?」
バンカが、
「美味しい無い・・・」
ロックが、
「勉強やーの」
ケモ耳で可愛い子たちが尻尾をヘニョっとさせて落ち込むのを見ちゃうと胸が痛む。
「美味しいのは向こうにも凄腕コックがいるし、みんなで料理のお勉強もしてるからあるわよぉ~」
「お勉強は遊びながらやれるようになってるよー」
ルルゥとクラウスさまとで子供たちの頭を撫でて慰めてる。
ふさふさお耳に触れてるのうらやまけしからん!!
「また会える?」
「もちろんよぉ~会いに行くしこっちに遊びに来ても良いのよぅ~」
お義父さまとお義母さまも子供大好きだからこのままここで育てたりするのかと思ってたけど、
「国防の要である我らの養子にするには国王の許可がいる。血筋の問題で却下であろう。それにここは常に人がいると言ってもつきっきりで愛情を向けたりはできない」
って。
人はたくさんいても一つの家族と言う温かみとはまた違うからって。
きっとかまい倒すだろうし、愛情が足らないってことにはならないけど、家族の形がはっきり分かるほうが良いって言われたらそうかな?
「絶対来てね」
「約束よぅ!必ず行くわ~!母性が目覚めちゃうわぁ」
子供たちの可愛いお願いにルルゥがおかしなことを言うけどみんなスルー。
子供達はシエル以外がクラウスさまとお義母さまに連れられて出発した。
途中までジュリアスさまも一緒に行くらしい。
シエルはアズライトといたがってるし、13歳と見習い仕事が出来る年齢でもあるので里親を決めなくても良いらしく、当面は保護者としてハロルドがこの屋敷で世話するそう。
めちゃくちゃ渋い人選だよ。
アズライトの庭への行き来には馬屋番のドーリーさんが付き添うそうだ。
島に泊まるための設備は騎士さんたちが材料を持ってすぐ作れるみたい。
「我の完璧な箱庭が・・・」
アズライトは不本意そうだけど拒否はしてないからまぁいいんだろう。
今日はクラウスさまがお昼には戻ってこれないだろうし、隠し部屋で早速魔道具を作ろう。
ルルゥからディディエの卵の殻をもらって、「魔道具を作るけどディディエとのお揃いは何が良い?」って聞いたらイヤーカフだった。
コックさんだから指輪は嫌がるだろうと思ってたけど腕輪もだったよ。
ディディエは足環。
ポムとティムにも聞いたらお揃いなら足環だーって足をダムダムさせて主張された。
腕とかだと無くしそうだからピアスとかどうかと思ったのにさ~。
アズライトは私がつけるなら自分もつけるって可愛いこと言うもんだから作るよ。
ポムたちは静かになったのが少し寂しいみたいでディディエにぴっとりくっついてる。
シエルの魔道具も作らなきゃだし、獣人の子達も認識阻害の魔道具があった方がいいだろうから頑張らないと。
自室のクローゼットの隠し部屋にしばらく篭ることをアランたちに伝えて移動。
ニーナには隠し部屋の中で休んでてもらう。
まずは急ぎでシエルの感応制御の魔道具を作らないとなんだけど、そんなピンポイントで使う魔道具を作ったことがないわけで。
本棚に向かって欲しい物のイメージを浮かべて手元にやってきた魔導書を取り出す。
初めて見た本だな。
ネイマーシュの、いや古代神聖語で書かれてるからかなり古い部類だね。
魔法式に魔法陣、今まで作ってきた中でも緻密な計算と複雑な図式が書き出されてる。
「うぉぉ」
思わず太い声が出た。
ニーナが一瞬ビクってしたけど魔導書を開いての行動だからスルーしてくれるよう。
全くこんなん考えたの誰だよ。カンガリー教授が見たら式が「芸術的だ」って泣いちゃうな。それで簡略化を出来ないか考えて出来なくてまた泣くんだろう。
素材はこれだけの術式に耐えられないといけないからそれこそ竜種とかの魔石が欲しいところ。
それがあるんだな!
お母さまが隠し部屋の中に色々なレア素材を遺してくれてた。
リーシャがお母さまに指導を受けていた頃によく、
「錬金術師たる者、自分が使う素材は自分で手に入れるべしってお母さまがいつもおっしゃってたのよ?だから私は今後もずっと半人前なのよ」
って笑ってたので、このレア素材はお祖母さまの遺した物なんだろう。
お祖母さま、竜種と戦える人だったんかな?
だとしたら私も永遠に半人前確定!
レアメタル使うと怒られるけど、この感応制御をシエルくらいの魔力持ちに対応させるならやっぱり必要なんだよねぇ。
ミスリルと風竜の魔石、おまけでディディエの卵の殻を使うことにした。
まずは魔石に直接魔法陣を書き込む。一文字でも失敗したら終わるのでめっちゃ集中。
石はなんとか成功したのでミスリルに魔力を通して、魔石との回路を繋ぐ。こうすることでお互いの能力を高めるそうだ。
シエルの耳に繊細に巻き付く木の枝をイメージしたのでディディエの殻を細かくして葉っぱに見立てる。
それに情報隠避、認識阻害の魔術式を詠唱して魔力を練り込む。
めっちゃ魔力を消耗したけど多分成功。
作れって言われたんだからあとは知らん!!今後起こりうる問題はロジャー先生に丸投げよ!
あとはディディエ用には認識阻害をルルゥには必要なさそうだけど魔力反射(魅了とか洗脳とかね)を付与。
ポムとティムにはやっぱり色が目立つから認識阻害。
アズライトもサイズ自動調整以外は何も必要なさそうだけど冷温蔵機能付きのマジックバッグ機能を付与しておいた。アズライトもアイテムボックス使えるけどね~。
私用はアズライトの腕輪デザインを合わせて地味に魔力を貯蓄する効果にした。
有り余った魔力を貯めて何かに使えないかな?
端材がかわいい形してたのでニーナ用に簡易結界の術式を仕込んでネックレスにした。ハートっぽいからついね!
あとは獣人の子たちの分って思ったらニーナ・ストップが入った。
もう夕刻らしい。
ニーナにネックレスを渡したら物凄くびっくりされて恐縮されちゃった。
私はもちろんポムとティムもお揃いの石なのが嬉しいそう。
ディディエの卵の殻ってば最初は緑と紫が入ってたのに最終的には緑と青っぽくなって。少し研磨したらブラックオパールみたいな複雑な色合いで面白いんだよね。
寄生予定だった鳥の卵の色も気になるね。
どうもかなり魔力を消費できたみたいで気分がスッキリ。
リックさまとのポーション(ヘドロ)作りも無意味じゃなかったみたい。
隠し部屋から出たらアランとジェイクが待ってて「長すぎません?」って少し文句言われた。
魔道具を作るって知ってたから心配してたみたい。ごめんね。
結構お腹が空いてるから今日はいっぱい食べるぞー!
子供達には昨夜使ったローテーブルと言うか応接室のテーブルかな?
豪華なテーブルを再び使ってる。
お義母さまとクラウスさまと侍女さんたちで補助しつつ。
相変わらずシエルはみんなから少し離れて静かにしてるけど昨日より気配が和らいでるような感じがする。
子供達は畑や工場に勤めてる人たちの住居に行って同じ年代の子供と勉強したりお手伝いしてグレーデンに馴染んでもらう予定だそう。
里親ははっきり言ってみんなが希望するから、顔合わせして子供たち本人が気に入った人にまかせるってめっちゃ大雑把な感じ。
食事を終えて予定を説明されたネオとジジが、
「ルゥーもう会えない?」
バンカが、
「美味しい無い・・・」
ロックが、
「勉強やーの」
ケモ耳で可愛い子たちが尻尾をヘニョっとさせて落ち込むのを見ちゃうと胸が痛む。
「美味しいのは向こうにも凄腕コックがいるし、みんなで料理のお勉強もしてるからあるわよぉ~」
「お勉強は遊びながらやれるようになってるよー」
ルルゥとクラウスさまとで子供たちの頭を撫でて慰めてる。
ふさふさお耳に触れてるのうらやまけしからん!!
「また会える?」
「もちろんよぉ~会いに行くしこっちに遊びに来ても良いのよぅ~」
お義父さまとお義母さまも子供大好きだからこのままここで育てたりするのかと思ってたけど、
「国防の要である我らの養子にするには国王の許可がいる。血筋の問題で却下であろう。それにここは常に人がいると言ってもつきっきりで愛情を向けたりはできない」
って。
人はたくさんいても一つの家族と言う温かみとはまた違うからって。
きっとかまい倒すだろうし、愛情が足らないってことにはならないけど、家族の形がはっきり分かるほうが良いって言われたらそうかな?
「絶対来てね」
「約束よぅ!必ず行くわ~!母性が目覚めちゃうわぁ」
子供たちの可愛いお願いにルルゥがおかしなことを言うけどみんなスルー。
子供達はシエル以外がクラウスさまとお義母さまに連れられて出発した。
途中までジュリアスさまも一緒に行くらしい。
シエルはアズライトといたがってるし、13歳と見習い仕事が出来る年齢でもあるので里親を決めなくても良いらしく、当面は保護者としてハロルドがこの屋敷で世話するそう。
めちゃくちゃ渋い人選だよ。
アズライトの庭への行き来には馬屋番のドーリーさんが付き添うそうだ。
島に泊まるための設備は騎士さんたちが材料を持ってすぐ作れるみたい。
「我の完璧な箱庭が・・・」
アズライトは不本意そうだけど拒否はしてないからまぁいいんだろう。
今日はクラウスさまがお昼には戻ってこれないだろうし、隠し部屋で早速魔道具を作ろう。
ルルゥからディディエの卵の殻をもらって、「魔道具を作るけどディディエとのお揃いは何が良い?」って聞いたらイヤーカフだった。
コックさんだから指輪は嫌がるだろうと思ってたけど腕輪もだったよ。
ディディエは足環。
ポムとティムにも聞いたらお揃いなら足環だーって足をダムダムさせて主張された。
腕とかだと無くしそうだからピアスとかどうかと思ったのにさ~。
アズライトは私がつけるなら自分もつけるって可愛いこと言うもんだから作るよ。
ポムたちは静かになったのが少し寂しいみたいでディディエにぴっとりくっついてる。
シエルの魔道具も作らなきゃだし、獣人の子達も認識阻害の魔道具があった方がいいだろうから頑張らないと。
自室のクローゼットの隠し部屋にしばらく篭ることをアランたちに伝えて移動。
ニーナには隠し部屋の中で休んでてもらう。
まずは急ぎでシエルの感応制御の魔道具を作らないとなんだけど、そんなピンポイントで使う魔道具を作ったことがないわけで。
本棚に向かって欲しい物のイメージを浮かべて手元にやってきた魔導書を取り出す。
初めて見た本だな。
ネイマーシュの、いや古代神聖語で書かれてるからかなり古い部類だね。
魔法式に魔法陣、今まで作ってきた中でも緻密な計算と複雑な図式が書き出されてる。
「うぉぉ」
思わず太い声が出た。
ニーナが一瞬ビクってしたけど魔導書を開いての行動だからスルーしてくれるよう。
全くこんなん考えたの誰だよ。カンガリー教授が見たら式が「芸術的だ」って泣いちゃうな。それで簡略化を出来ないか考えて出来なくてまた泣くんだろう。
素材はこれだけの術式に耐えられないといけないからそれこそ竜種とかの魔石が欲しいところ。
それがあるんだな!
お母さまが隠し部屋の中に色々なレア素材を遺してくれてた。
リーシャがお母さまに指導を受けていた頃によく、
「錬金術師たる者、自分が使う素材は自分で手に入れるべしってお母さまがいつもおっしゃってたのよ?だから私は今後もずっと半人前なのよ」
って笑ってたので、このレア素材はお祖母さまの遺した物なんだろう。
お祖母さま、竜種と戦える人だったんかな?
だとしたら私も永遠に半人前確定!
レアメタル使うと怒られるけど、この感応制御をシエルくらいの魔力持ちに対応させるならやっぱり必要なんだよねぇ。
ミスリルと風竜の魔石、おまけでディディエの卵の殻を使うことにした。
まずは魔石に直接魔法陣を書き込む。一文字でも失敗したら終わるのでめっちゃ集中。
石はなんとか成功したのでミスリルに魔力を通して、魔石との回路を繋ぐ。こうすることでお互いの能力を高めるそうだ。
シエルの耳に繊細に巻き付く木の枝をイメージしたのでディディエの殻を細かくして葉っぱに見立てる。
それに情報隠避、認識阻害の魔術式を詠唱して魔力を練り込む。
めっちゃ魔力を消耗したけど多分成功。
作れって言われたんだからあとは知らん!!今後起こりうる問題はロジャー先生に丸投げよ!
あとはディディエ用には認識阻害をルルゥには必要なさそうだけど魔力反射(魅了とか洗脳とかね)を付与。
ポムとティムにはやっぱり色が目立つから認識阻害。
アズライトもサイズ自動調整以外は何も必要なさそうだけど冷温蔵機能付きのマジックバッグ機能を付与しておいた。アズライトもアイテムボックス使えるけどね~。
私用はアズライトの腕輪デザインを合わせて地味に魔力を貯蓄する効果にした。
有り余った魔力を貯めて何かに使えないかな?
端材がかわいい形してたのでニーナ用に簡易結界の術式を仕込んでネックレスにした。ハートっぽいからついね!
あとは獣人の子たちの分って思ったらニーナ・ストップが入った。
もう夕刻らしい。
ニーナにネックレスを渡したら物凄くびっくりされて恐縮されちゃった。
私はもちろんポムとティムもお揃いの石なのが嬉しいそう。
ディディエの卵の殻ってば最初は緑と紫が入ってたのに最終的には緑と青っぽくなって。少し研磨したらブラックオパールみたいな複雑な色合いで面白いんだよね。
寄生予定だった鳥の卵の色も気になるね。
どうもかなり魔力を消費できたみたいで気分がスッキリ。
リックさまとのポーション(ヘドロ)作りも無意味じゃなかったみたい。
隠し部屋から出たらアランとジェイクが待ってて「長すぎません?」って少し文句言われた。
魔道具を作るって知ってたから心配してたみたい。ごめんね。
結構お腹が空いてるから今日はいっぱい食べるぞー!
応援ありがとうございます!
120
お気に入りに追加
1,107
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる