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二章
171話
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みんなでワイワイ食事の後、子供達の健康チェックをさせたいとロジャー先生が連れてこられてた。
子供達はご飯におやつにで大喜びでポムとティム、ディディエと戯れて楽しそうだった。シエルだけは席についたままぼんやりしてたけど。
子供達はロジャー先生を見てカチンとなった。
お義父さまたちよりは若干細身だけど十分厳つくて迫力があるんだよね。
「怖くないわよぉ~レース編みとぬいぐるみ作るのが得意な可愛いおじさまなのよぉ~」
「「「「「「「ッュブゥ!!ッヘブァブシッ!!!」」」」」」」
私を含めた大勢が意外な趣味に驚いて吹き出しそうになったのを睨まれてくしゃみですよ!?みたいな誤魔化しを試みて玉砕。
子供たちに〈おいしいやつの神〉に祭り上げられたルルゥがそう言う教えたもんだから子供たちがキラキラした目でロジャー先生のことを見る。
「・・・」
額に物凄い血管が浮いてて怖さが増したんだけど、ルルゥが言えば子供たちの中でロジャー先生は〈可愛いおじさま〉なのだった。
笑いを収められずに震えてる私たちを横目に子供達が大人しいうちにとロジャー先生があっさり魔力透視でチェックした。
仕事の早い出来る男に酷い仕打ちをしたルルゥは彼らに「もう終わったわぁ~いい子ねぇ」ってご褒美のおやつを渡している。
ロジャー先生の周りだけ寒そうで怖いよ!
「お前たち、怪我は王都で治して貰っただろうが魔素不足、栄養不足だった体はしばらく不安定な状況が続く。そこでそこのちっこい夫人が作ったこのポーションをやろう」
ちっこい夫人って!!笑ったの根に持ってるね!
「ちびー!ちびの薬」
「ちっこいが作った!?」
「ちびっこいが夫人?」
清らかなお目目のケモ耳たちが辛辣だよう!
「それを飲んでぐっすり寝なさい」
ロジャー先生がお義父さまとハロルドに目をやると、ハロルドとアンナさん、お義母さまとで子供達を「そろそろ寝ましょうね」って連れて出て行った。
一気に静かになった室内でシエルに声をかける。
「シエルと言ったか?ここにいる連中はお前を傷つけはしないが何も知らぬのだからお前を気遣う方向が間違うかも知れない」
淡々としたバリトンの声が促すとシエルは綺麗な銀の目を揺らして躊躇うように口を開く。
「・・・ここはうるさくない」
ん?ここは王都の人たちより声大きいし動きも激しいから静かではないよ?
『主、そう言うことではないわ』
にゃ!!いつの間にやら私の肩まで登っていたアズライトが念話で話しかけてきた。
「うるさい、ツライ。イヤ。イタイもイヤ」
ぽつりぽつりと出てくる言葉は直接の虐待を受けてない私でも心に刺さる辛い記憶のトリガー。
『主、引き摺られるな。あれは感応能力が強い。あれ自身が聞かずにいればいい人の心、奥底の言葉を聞いてしまうが、逆に感性の近い者の精神にも影響を与える』
エンパス?ってやつかな。しんど!
『あれだけ王都から魔力制御の魔道具をつけたままだが迂闊に外せないのだろう』
(外すと大変なの?)
「僕はどこにも生きていける場所がない」
抑揚もない静かな小さな声。
あのクソ親父!なんてことしやがったんだ。小さな子にこんなこと言わせるなんて!!
一体どこからあの子達やこの綺麗な子を連れてきたの。
「生きていくだけならここで生きればいい」
ロジャー先生がそう言うと、
「なぜ?生きるなぜ?」
「命があるからだ」
「いらない命、命いらない・・・」
「いるいらないは人が決めることではない」
無表情で聞き返すシエルとこれまた無表情に返すロジャー先生。
騎士であった先生にとって、今も生死の境を見続ける医者の先生にとって「いらない命」だなんて聞き捨てならないだろうけど。
地獄の中を生きてただろう子に「生きる」意味を諭すのも残酷だと私は思う。
でも生きている以上、生きるしかないから、せめて今を受け入れやすい環境にしてあげたい。
「お前はエルフの血を繋ぐもののようだが、さらに別の種の先祖返りだな?」
エルフ!!!??あのファンタジーに出てくるやつ?
「「エルフ?」」
お義父さまもジュリアスさまも唖然としてる。
『エルフはもう長いこと人の世に現れておらぬ。そしてあれのもう一つの種は大昔絶滅しておる』
(え?じゃああの子どこから?いつ生まれたの?)
情報が異常事態すぎて頭に入ってこないぞ。
『先祖帰りじゃと言ったであろうが!おそらくあの見た目で親とともに追い出されたか捨てられたんじゃろうの』
(ええええ・・・)
『エルフは選民意識が強く排他的だからの』
マジっすか。
(じゃ最初に他種族と交わった人は良かったの?)
『さあの、ただ大昔はエルフも外と交流があったの』
大昔ってどんだけよぉ~。一億年と◯千年前からとか?祖母のコレクションにあったぞー。
アズライトとはなしてたらシエルが私たちをじっと見てた。
「懐かしい気配がする」
シエルが綺麗な銀の目でアズライトの中まで見ようとするかのような視線をよこす。
(アズライトに何か感じてるのかな?)
『主にもだろうが』
なんですと?
「リーシャさま、可能であればこの子に感能力を抑制する魔道具を作ってやれ」
ロジャー先生が言う。
「抑制?」
「完全に閉じると耳自体使えなくなるからな」
おふー!極端だな。
「やってみます」
ロジャー先生は頷くとシエルについて注意事項を話し出した。
「エルフの記録はほとんど残ってはいないが概ね人の感情に敏感でその繊細さが度々争いの種になったとある。このシエルは記録よりもっと共感性が高く人に向けられた感情がダイレクトに響く。それは自身にも攻撃になるが逆に外に向かえば多くの人間の感情を支配してしまうことにもなる」
難儀だなー。
「それを今は王宮魔導師の魔力制御の魔道具で補っているが今後は感応抑制にすれば少しは精神も安定するはずだ」
魔力制御じゃ防げないね。今も私の声とかうるさいのかも。マッチョ好きーとか腐ってるのとか伝わるのはちょっとイヤかも。ナシナシ。
「ここの連中はお前を利用しようだとか物珍しいからと追いかけはしないが感情が正直すぎる。最初は面倒かもしれんが慣れろ」
何?その大雑把なアドバイス!!
「まぁ何、ほとんど飯と狩りで頭がいっぱいだから気にしないほうがいいよー?」
それは逆にお前たちが気にしろと言われるとこ!
「僕、そのトカゲと一緒にいたい」
シエルがやっとした意思表示を無碍に出来はしない。
あ、でもリュフェリーよりグレーデンにって言うのもあったか。
ちゃんと感情出せる。大丈夫だね。
『誰がトカゲか!!!』
いやトカゲじゃん。イヤなら別のにならないと。
「シエル、アズライトの寝床はうちの庭にある池の島なんだけど夜も一緒にいたいの?」
さすがに家具も寝具も何も無い島だからせめて今日はウチで泊まらないと。
「島・・・僕、島行きたい」
なるほど?
一般の人は入れないし、いいのかも?
「食事はこっち食べにくる?」
こくんと頷いたのでしばらくはアズライトに子守してもらうしかないね。
『なんと!我のゆったりタイムが・・・』
そんなん言いながらずっと池の拡大と島の改良してんじゃん!
今日のところはまだ用があるから屋敷で休めとアズライトが言ってシエルはメイドさんに部屋に案内された。
「エルフ・・・」
「伝説の中だけと思っていた」
お義父さまジュリアスさまがボヤいた。
「子供達はすでに王都で治療を済ませていたが報告には殴打痕や物音に敏感な気があると書いてあった。手を振る動作や大きな物音を出すなどに気をつけてやれ」
胸糞情報、マジあのハゲ親父に天罰を。
「シエルの背には羽があった痕跡があるそうだ。それが今回のかそれ以前の被害はかわからないがかなり特殊な経験をしてきたはずだ。王宮魔導師たちは羽を再生したらまた狙われるだろうからとあえて手を付けなかったようだ」
羽・・・。エルフにはないよね?
『羽人じゃからの』
(羽?)
『天空人とも呼ばれておった』
(んーと前に話してくれた天空島にいた人たちってこと?)
『そうだの。滅んだ文明、滅んだ民よ』
(シエルがアズライトを懐かしがったのってアズライトのお友達の事なのか~)
『我はあの島で人と関わってないから関係ないがの』
(羽、治さなくていいのかなぁ?)
『自分で出し入れ出来るかがキモじゃの』
(ああ~見せて歩くとかヤバいか)
『鳥獣人はいないこともないがどのみち珍しいわの』
(鳥獣人!!めっちゃ気になる。フクロウとかタカとかだったらカッコ良すぎる)
『変わった趣味だの、あやつらはわりと扱い難いぞ』
夢を壊さないで~。
『あの真っ白な見た目も人目を惹くだろうからの、羽は無くとも魔力で飛ぶなり出来るし無くても良かろ』
いいか悪いかは本人次第だよねぇ。
(感応抑制と認識阻害魔道具でも作ってみるよ)
アズライトは羽人については他の人に伝えなかったから私も黙っておく。
ロジャー先生が帰ったので私たちも解散。
お布団の中でジュリアスさまが「オレイユ元男爵はもっと重罪になってほしいな」って言ったので、激しく同意した。
子供達はご飯におやつにで大喜びでポムとティム、ディディエと戯れて楽しそうだった。シエルだけは席についたままぼんやりしてたけど。
子供達はロジャー先生を見てカチンとなった。
お義父さまたちよりは若干細身だけど十分厳つくて迫力があるんだよね。
「怖くないわよぉ~レース編みとぬいぐるみ作るのが得意な可愛いおじさまなのよぉ~」
「「「「「「「ッュブゥ!!ッヘブァブシッ!!!」」」」」」」
私を含めた大勢が意外な趣味に驚いて吹き出しそうになったのを睨まれてくしゃみですよ!?みたいな誤魔化しを試みて玉砕。
子供たちに〈おいしいやつの神〉に祭り上げられたルルゥがそう言う教えたもんだから子供たちがキラキラした目でロジャー先生のことを見る。
「・・・」
額に物凄い血管が浮いてて怖さが増したんだけど、ルルゥが言えば子供たちの中でロジャー先生は〈可愛いおじさま〉なのだった。
笑いを収められずに震えてる私たちを横目に子供達が大人しいうちにとロジャー先生があっさり魔力透視でチェックした。
仕事の早い出来る男に酷い仕打ちをしたルルゥは彼らに「もう終わったわぁ~いい子ねぇ」ってご褒美のおやつを渡している。
ロジャー先生の周りだけ寒そうで怖いよ!
「お前たち、怪我は王都で治して貰っただろうが魔素不足、栄養不足だった体はしばらく不安定な状況が続く。そこでそこのちっこい夫人が作ったこのポーションをやろう」
ちっこい夫人って!!笑ったの根に持ってるね!
「ちびー!ちびの薬」
「ちっこいが作った!?」
「ちびっこいが夫人?」
清らかなお目目のケモ耳たちが辛辣だよう!
「それを飲んでぐっすり寝なさい」
ロジャー先生がお義父さまとハロルドに目をやると、ハロルドとアンナさん、お義母さまとで子供達を「そろそろ寝ましょうね」って連れて出て行った。
一気に静かになった室内でシエルに声をかける。
「シエルと言ったか?ここにいる連中はお前を傷つけはしないが何も知らぬのだからお前を気遣う方向が間違うかも知れない」
淡々としたバリトンの声が促すとシエルは綺麗な銀の目を揺らして躊躇うように口を開く。
「・・・ここはうるさくない」
ん?ここは王都の人たちより声大きいし動きも激しいから静かではないよ?
『主、そう言うことではないわ』
にゃ!!いつの間にやら私の肩まで登っていたアズライトが念話で話しかけてきた。
「うるさい、ツライ。イヤ。イタイもイヤ」
ぽつりぽつりと出てくる言葉は直接の虐待を受けてない私でも心に刺さる辛い記憶のトリガー。
『主、引き摺られるな。あれは感応能力が強い。あれ自身が聞かずにいればいい人の心、奥底の言葉を聞いてしまうが、逆に感性の近い者の精神にも影響を与える』
エンパス?ってやつかな。しんど!
『あれだけ王都から魔力制御の魔道具をつけたままだが迂闊に外せないのだろう』
(外すと大変なの?)
「僕はどこにも生きていける場所がない」
抑揚もない静かな小さな声。
あのクソ親父!なんてことしやがったんだ。小さな子にこんなこと言わせるなんて!!
一体どこからあの子達やこの綺麗な子を連れてきたの。
「生きていくだけならここで生きればいい」
ロジャー先生がそう言うと、
「なぜ?生きるなぜ?」
「命があるからだ」
「いらない命、命いらない・・・」
「いるいらないは人が決めることではない」
無表情で聞き返すシエルとこれまた無表情に返すロジャー先生。
騎士であった先生にとって、今も生死の境を見続ける医者の先生にとって「いらない命」だなんて聞き捨てならないだろうけど。
地獄の中を生きてただろう子に「生きる」意味を諭すのも残酷だと私は思う。
でも生きている以上、生きるしかないから、せめて今を受け入れやすい環境にしてあげたい。
「お前はエルフの血を繋ぐもののようだが、さらに別の種の先祖返りだな?」
エルフ!!!??あのファンタジーに出てくるやつ?
「「エルフ?」」
お義父さまもジュリアスさまも唖然としてる。
『エルフはもう長いこと人の世に現れておらぬ。そしてあれのもう一つの種は大昔絶滅しておる』
(え?じゃああの子どこから?いつ生まれたの?)
情報が異常事態すぎて頭に入ってこないぞ。
『先祖帰りじゃと言ったであろうが!おそらくあの見た目で親とともに追い出されたか捨てられたんじゃろうの』
(ええええ・・・)
『エルフは選民意識が強く排他的だからの』
マジっすか。
(じゃ最初に他種族と交わった人は良かったの?)
『さあの、ただ大昔はエルフも外と交流があったの』
大昔ってどんだけよぉ~。一億年と◯千年前からとか?祖母のコレクションにあったぞー。
アズライトとはなしてたらシエルが私たちをじっと見てた。
「懐かしい気配がする」
シエルが綺麗な銀の目でアズライトの中まで見ようとするかのような視線をよこす。
(アズライトに何か感じてるのかな?)
『主にもだろうが』
なんですと?
「リーシャさま、可能であればこの子に感能力を抑制する魔道具を作ってやれ」
ロジャー先生が言う。
「抑制?」
「完全に閉じると耳自体使えなくなるからな」
おふー!極端だな。
「やってみます」
ロジャー先生は頷くとシエルについて注意事項を話し出した。
「エルフの記録はほとんど残ってはいないが概ね人の感情に敏感でその繊細さが度々争いの種になったとある。このシエルは記録よりもっと共感性が高く人に向けられた感情がダイレクトに響く。それは自身にも攻撃になるが逆に外に向かえば多くの人間の感情を支配してしまうことにもなる」
難儀だなー。
「それを今は王宮魔導師の魔力制御の魔道具で補っているが今後は感応抑制にすれば少しは精神も安定するはずだ」
魔力制御じゃ防げないね。今も私の声とかうるさいのかも。マッチョ好きーとか腐ってるのとか伝わるのはちょっとイヤかも。ナシナシ。
「ここの連中はお前を利用しようだとか物珍しいからと追いかけはしないが感情が正直すぎる。最初は面倒かもしれんが慣れろ」
何?その大雑把なアドバイス!!
「まぁ何、ほとんど飯と狩りで頭がいっぱいだから気にしないほうがいいよー?」
それは逆にお前たちが気にしろと言われるとこ!
「僕、そのトカゲと一緒にいたい」
シエルがやっとした意思表示を無碍に出来はしない。
あ、でもリュフェリーよりグレーデンにって言うのもあったか。
ちゃんと感情出せる。大丈夫だね。
『誰がトカゲか!!!』
いやトカゲじゃん。イヤなら別のにならないと。
「シエル、アズライトの寝床はうちの庭にある池の島なんだけど夜も一緒にいたいの?」
さすがに家具も寝具も何も無い島だからせめて今日はウチで泊まらないと。
「島・・・僕、島行きたい」
なるほど?
一般の人は入れないし、いいのかも?
「食事はこっち食べにくる?」
こくんと頷いたのでしばらくはアズライトに子守してもらうしかないね。
『なんと!我のゆったりタイムが・・・』
そんなん言いながらずっと池の拡大と島の改良してんじゃん!
今日のところはまだ用があるから屋敷で休めとアズライトが言ってシエルはメイドさんに部屋に案内された。
「エルフ・・・」
「伝説の中だけと思っていた」
お義父さまジュリアスさまがボヤいた。
「子供達はすでに王都で治療を済ませていたが報告には殴打痕や物音に敏感な気があると書いてあった。手を振る動作や大きな物音を出すなどに気をつけてやれ」
胸糞情報、マジあのハゲ親父に天罰を。
「シエルの背には羽があった痕跡があるそうだ。それが今回のかそれ以前の被害はかわからないがかなり特殊な経験をしてきたはずだ。王宮魔導師たちは羽を再生したらまた狙われるだろうからとあえて手を付けなかったようだ」
羽・・・。エルフにはないよね?
『羽人じゃからの』
(羽?)
『天空人とも呼ばれておった』
(んーと前に話してくれた天空島にいた人たちってこと?)
『そうだの。滅んだ文明、滅んだ民よ』
(シエルがアズライトを懐かしがったのってアズライトのお友達の事なのか~)
『我はあの島で人と関わってないから関係ないがの』
(羽、治さなくていいのかなぁ?)
『自分で出し入れ出来るかがキモじゃの』
(ああ~見せて歩くとかヤバいか)
『鳥獣人はいないこともないがどのみち珍しいわの』
(鳥獣人!!めっちゃ気になる。フクロウとかタカとかだったらカッコ良すぎる)
『変わった趣味だの、あやつらはわりと扱い難いぞ』
夢を壊さないで~。
『あの真っ白な見た目も人目を惹くだろうからの、羽は無くとも魔力で飛ぶなり出来るし無くても良かろ』
いいか悪いかは本人次第だよねぇ。
(感応抑制と認識阻害魔道具でも作ってみるよ)
アズライトは羽人については他の人に伝えなかったから私も黙っておく。
ロジャー先生が帰ったので私たちも解散。
お布団の中でジュリアスさまが「オレイユ元男爵はもっと重罪になってほしいな」って言ったので、激しく同意した。
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