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二章
164話
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食後のお茶を兼ねて、アンゼリカさまとマデリーさんにアッガスのことを説明することに。
ジュリアスさまが同席したがっていたけどサーキスさまに連れられてお仕事に。
「危ないと思ったら父上の後ろに隠れるんだぞ」
幼児に諭す父親のように細々と注意事項と回避方法を説明していたのだけど途中でセバスチャンとサーキスさまが引きずっていった。
「相変わらず細かいな。肝が小さい」
「心配症くらいの方が領主に向いてるんじゃないですか?」
「あーそれじゃ私は領主にならずに正解だ」
アンゼリカさまとマデリーさんがそう話してるところに小さくなってるアッガスの領主(代官?)予定にレオルカさまが小さくなってる!
「まぁともかく座ってくれ」
「「はーい」」
どうやらマデリーさんもお義父さまがお好きのようだ。
さすが脳筋辺境領のテッペン!モテる!
部下の女騎士さん達も壁際に待機して近況を聞くらしい。座ってくれたら良いのに。
ちなみに私はお義父さま横にチマっと座って。サイドにダレスさま、レオルカさま。逆サイドにセリウスさまが座っている。
ハロルドとアンナさんたちがお茶を出してくれて。
私が嫁に来て半年ほどのグレーデン領の変遷と、ハーボット家、オレイユ家の王国に残した爪痕、アッガスを引き受けたい理由を説明した。
途中でアンゼリカさまが泣き出して私を膝抱っこして離してくれなくなった。
「飯をもらえないとか悪夢だ」
どうもご令嬢とは思えない感性で私にいたく同情をしてくれたらしい。
「いや、もっと他にあるだろう」
セリウスさまがツッコんだけど聞こえていない。
「アッガスの運営がガタガタだったのは予想できた範囲ですが立て直しがこの気弱なので出来るとでも?」
しばらく黙って聞いていたマデリーさんは目が座っているよ。
「さて、そこは皆の協力をうまく得られるかだの。何事も協力してもらえる人徳があってこそじゃ」
お義父さまがそういうとアンゼリカさまの目がキラキラして。なんかすごいフィルターかかってそうだけど、お義父さまは確かに頼りになるよね。
「今までおざなりにされていた海運業に力を入れて出来れば海外との流通を円滑にさせたい」
セリウスさまがとても真面目に話してる。
「今までにはカマラン経由で関税と運送に予算が取られていたがアッガスを有効に活用出来ればかなり予算が抑えられる」
あー、ディゴーの街とかの異国の品が結構高かった。
「もちろん今まで通りカマランとの付き合いも大事にせねばならないが、嗜好品が入手しやすくなるのが大きいはずだ」
「外交官や通訳、船舶業にいろいろ伝手は有りますかね?」
「海の活用は陛下も望まれているから人材はどうとでもなる」
「・・・」
しばらくセリウスさまとマデリーさんの応酬が続いて、レオルカさまがますます小さくなってる。
「やっぱセリウスで良いじゃん・・・」
めっちゃ小さい声でつぶやいてるよ~。
ふと頭上に重みがかかった。
真面目な話が続いてて飽きたらしいアンゼリカさまが寝ちゃってる!
漫画みたいな人!!!
しばらく細かい話をして、途中お義父さまとダレスさまが補足したり。
「ですが私は結婚後もアンゼリカさまと各地を回りたいと思っています」
おっと!!それ最初の方に言わないと!?
「あー、それはわかってる。無理に引き止める気はない。でも有事の際や、必要な時にはそばにいて隣で支えてほしい」
あらん?レオルカさま急にイケメンに戻った。
マデリーさんも一瞬固まったよ。
「マデリーちゃんから剣を奪ったらそれは僕の好きなマデリーちゃんじゃ無くなっちゃうだろ?」
うはぁ!!あんなにウジウジしてたのにいきなりキリって!何これ?
セリウスさまが面白そうに見てるし、ダレスさまが呆れ顔だし、お義父さまは普通にお菓子を食べてる。
「あなたはいきなり何を言うんですか?」
さっきまですごく怖い空気を纏っていたのにいきなりふわふわとコットンキャンディが周りを舞ってる。
「マデリー!マイナスな領地を繁栄させるのも遠征に行くよりエキサイティングじゃないか?私も付き合ってやるからまずやってみよう」
さっきまで寝てたアンゼリカさまが突然起きてマデリーさんの背中を叩く。
「いや!!!姉さんは来なくて良いよ!!!!」
レオルカさまが椅子をすっ飛ばして立ち上がって真っ青な顔で断わる。
「あああ“ん?マデリーは私に部下だぞ!私がいないと話にならんだろうが」
「そうだなー、アッガスにまともな騎士団ないからアンゼリカたちが常駐してくれたら安心じゃないかなぁ~かなり助かるんじゃないかなー」
セリウスさまが愉快そうにけしかける。
なんて言うかレオルカさま、将来ハゲそうだから増毛のポーション作れないか魔導書探してあげよう。
「まだ正式に発表されていないから確定するまではここだけの話じゃぞぅ」
待機姿勢の女騎士さん達もアッガスに向かうことになりそうだけど、大丈夫かしら。
「今夜は海の幸も出してもらうからな。きっとやる気になるだろうの」
話してる間に昼食の時間になったのでお義母さまも合流して。
何故か私はアンゼリカさまお膝で餌付けされてます。
一瞬だけ出てきたルルゥに哀れな目を向けられて、スッとお祈りポーズされちゃったよ。
「なるほど、これはジュリアスの気持ちもわかる!!」
いや分からなくて良いですから離して欲しい。
大きく切り分けた肉をグイグイ口に入れられる。
「まぁアンゼリカちゃん!それじゃリーシャちゃんのお口が裂けちゃうわぁ」
「ん?」
顔を覗かれて口周りがソースで汚れているのを見て、自分の手元のフォークを見て。
「おおおぅ!すまない。これでは大きいのか?」
アンゼリカさまの手には私が普段ジュリアスさまに切り分けてもらうサイズの五倍くらい大きい肉があるもんだから必死に口開けてもギリ入らない。
お義母さまに言われてかなり小さくしてくれたのでなんとか食べるけど、マジで降ろして欲しい。
「・・・アンゼリカさま。せっかく美味しい食事なのですからリーシャさまもご自分で食べたいでしょうし離して差し上げては?」
マデリーさんが言ってくれてようやく降ろされて、ハロルドが久方ぶりに私用の椅子に私を案内してくれた。
「「「「・・・」」」」
椅子のサイズは変えられてもみんなで使うテーブルは私サイズじゃないのよね~。
「朝は余計な口を挟んで申し訳けありませんでした」
「・・・すまなかった」
謝られた方が痛いよね!!!
結局お義母さまの抱っこで食事を再開することに。
グレーデン家の場合は家具が一般サイズの規格より一回り大きいのもあるけど。
そういえば子供が同席する場合がどうやってるんだろ?
「リーシャちゃん!アンゼリカちゃん!マデリーちゃん!午後はドレスを選びましょうねぇ♪」
「「「え!!!????」」」
アンゼリカさま達は、今は薄手のシャツにベスト、乗馬ズボンみたいな格好。
普段着のジュリアスさま達と大差ないラフな格好なんだけど。
予想外にハイパー着せ替え人形タイムが発生してしまった。
セリウスさまとレオルカさまが表情を無にして、後ろに控えているハロルドとアンナさんとニーナが「お気の毒さまです」と目礼した。
「あ、あの私はクラウスさまと打ち合わせがあります?」
「あらぁ~そんなの今日くらいクラウスが一人でも大丈夫よ~」
アンゼリカさまとマデリーさまはすでに諦めたのか虚無状態で、無言でお茶を飲んでそれでも勢いよく消えていくオヤツを眺めていたら、ハロルドから声がかかった。
「マダム・シフォンがお見えになりました」
ジュリアスさまが同席したがっていたけどサーキスさまに連れられてお仕事に。
「危ないと思ったら父上の後ろに隠れるんだぞ」
幼児に諭す父親のように細々と注意事項と回避方法を説明していたのだけど途中でセバスチャンとサーキスさまが引きずっていった。
「相変わらず細かいな。肝が小さい」
「心配症くらいの方が領主に向いてるんじゃないですか?」
「あーそれじゃ私は領主にならずに正解だ」
アンゼリカさまとマデリーさんがそう話してるところに小さくなってるアッガスの領主(代官?)予定にレオルカさまが小さくなってる!
「まぁともかく座ってくれ」
「「はーい」」
どうやらマデリーさんもお義父さまがお好きのようだ。
さすが脳筋辺境領のテッペン!モテる!
部下の女騎士さん達も壁際に待機して近況を聞くらしい。座ってくれたら良いのに。
ちなみに私はお義父さま横にチマっと座って。サイドにダレスさま、レオルカさま。逆サイドにセリウスさまが座っている。
ハロルドとアンナさんたちがお茶を出してくれて。
私が嫁に来て半年ほどのグレーデン領の変遷と、ハーボット家、オレイユ家の王国に残した爪痕、アッガスを引き受けたい理由を説明した。
途中でアンゼリカさまが泣き出して私を膝抱っこして離してくれなくなった。
「飯をもらえないとか悪夢だ」
どうもご令嬢とは思えない感性で私にいたく同情をしてくれたらしい。
「いや、もっと他にあるだろう」
セリウスさまがツッコんだけど聞こえていない。
「アッガスの運営がガタガタだったのは予想できた範囲ですが立て直しがこの気弱なので出来るとでも?」
しばらく黙って聞いていたマデリーさんは目が座っているよ。
「さて、そこは皆の協力をうまく得られるかだの。何事も協力してもらえる人徳があってこそじゃ」
お義父さまがそういうとアンゼリカさまの目がキラキラして。なんかすごいフィルターかかってそうだけど、お義父さまは確かに頼りになるよね。
「今までおざなりにされていた海運業に力を入れて出来れば海外との流通を円滑にさせたい」
セリウスさまがとても真面目に話してる。
「今までにはカマラン経由で関税と運送に予算が取られていたがアッガスを有効に活用出来ればかなり予算が抑えられる」
あー、ディゴーの街とかの異国の品が結構高かった。
「もちろん今まで通りカマランとの付き合いも大事にせねばならないが、嗜好品が入手しやすくなるのが大きいはずだ」
「外交官や通訳、船舶業にいろいろ伝手は有りますかね?」
「海の活用は陛下も望まれているから人材はどうとでもなる」
「・・・」
しばらくセリウスさまとマデリーさんの応酬が続いて、レオルカさまがますます小さくなってる。
「やっぱセリウスで良いじゃん・・・」
めっちゃ小さい声でつぶやいてるよ~。
ふと頭上に重みがかかった。
真面目な話が続いてて飽きたらしいアンゼリカさまが寝ちゃってる!
漫画みたいな人!!!
しばらく細かい話をして、途中お義父さまとダレスさまが補足したり。
「ですが私は結婚後もアンゼリカさまと各地を回りたいと思っています」
おっと!!それ最初の方に言わないと!?
「あー、それはわかってる。無理に引き止める気はない。でも有事の際や、必要な時にはそばにいて隣で支えてほしい」
あらん?レオルカさま急にイケメンに戻った。
マデリーさんも一瞬固まったよ。
「マデリーちゃんから剣を奪ったらそれは僕の好きなマデリーちゃんじゃ無くなっちゃうだろ?」
うはぁ!!あんなにウジウジしてたのにいきなりキリって!何これ?
セリウスさまが面白そうに見てるし、ダレスさまが呆れ顔だし、お義父さまは普通にお菓子を食べてる。
「あなたはいきなり何を言うんですか?」
さっきまですごく怖い空気を纏っていたのにいきなりふわふわとコットンキャンディが周りを舞ってる。
「マデリー!マイナスな領地を繁栄させるのも遠征に行くよりエキサイティングじゃないか?私も付き合ってやるからまずやってみよう」
さっきまで寝てたアンゼリカさまが突然起きてマデリーさんの背中を叩く。
「いや!!!姉さんは来なくて良いよ!!!!」
レオルカさまが椅子をすっ飛ばして立ち上がって真っ青な顔で断わる。
「あああ“ん?マデリーは私に部下だぞ!私がいないと話にならんだろうが」
「そうだなー、アッガスにまともな騎士団ないからアンゼリカたちが常駐してくれたら安心じゃないかなぁ~かなり助かるんじゃないかなー」
セリウスさまが愉快そうにけしかける。
なんて言うかレオルカさま、将来ハゲそうだから増毛のポーション作れないか魔導書探してあげよう。
「まだ正式に発表されていないから確定するまではここだけの話じゃぞぅ」
待機姿勢の女騎士さん達もアッガスに向かうことになりそうだけど、大丈夫かしら。
「今夜は海の幸も出してもらうからな。きっとやる気になるだろうの」
話してる間に昼食の時間になったのでお義母さまも合流して。
何故か私はアンゼリカさまお膝で餌付けされてます。
一瞬だけ出てきたルルゥに哀れな目を向けられて、スッとお祈りポーズされちゃったよ。
「なるほど、これはジュリアスの気持ちもわかる!!」
いや分からなくて良いですから離して欲しい。
大きく切り分けた肉をグイグイ口に入れられる。
「まぁアンゼリカちゃん!それじゃリーシャちゃんのお口が裂けちゃうわぁ」
「ん?」
顔を覗かれて口周りがソースで汚れているのを見て、自分の手元のフォークを見て。
「おおおぅ!すまない。これでは大きいのか?」
アンゼリカさまの手には私が普段ジュリアスさまに切り分けてもらうサイズの五倍くらい大きい肉があるもんだから必死に口開けてもギリ入らない。
お義母さまに言われてかなり小さくしてくれたのでなんとか食べるけど、マジで降ろして欲しい。
「・・・アンゼリカさま。せっかく美味しい食事なのですからリーシャさまもご自分で食べたいでしょうし離して差し上げては?」
マデリーさんが言ってくれてようやく降ろされて、ハロルドが久方ぶりに私用の椅子に私を案内してくれた。
「「「「・・・」」」」
椅子のサイズは変えられてもみんなで使うテーブルは私サイズじゃないのよね~。
「朝は余計な口を挟んで申し訳けありませんでした」
「・・・すまなかった」
謝られた方が痛いよね!!!
結局お義母さまの抱っこで食事を再開することに。
グレーデン家の場合は家具が一般サイズの規格より一回り大きいのもあるけど。
そういえば子供が同席する場合がどうやってるんだろ?
「リーシャちゃん!アンゼリカちゃん!マデリーちゃん!午後はドレスを選びましょうねぇ♪」
「「「え!!!????」」」
アンゼリカさま達は、今は薄手のシャツにベスト、乗馬ズボンみたいな格好。
普段着のジュリアスさま達と大差ないラフな格好なんだけど。
予想外にハイパー着せ替え人形タイムが発生してしまった。
セリウスさまとレオルカさまが表情を無にして、後ろに控えているハロルドとアンナさんとニーナが「お気の毒さまです」と目礼した。
「あ、あの私はクラウスさまと打ち合わせがあります?」
「あらぁ~そんなの今日くらいクラウスが一人でも大丈夫よ~」
アンゼリカさまとマデリーさまはすでに諦めたのか虚無状態で、無言でお茶を飲んでそれでも勢いよく消えていくオヤツを眺めていたら、ハロルドから声がかかった。
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