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二章
156話
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マーベルハント領に向かうのが約一ヶ月後になることを知らされた。
グレーデン家からは一週間くらいかかるそうだけど、カスタム済みの馬車で魔馬なので三日くらいで着くのでは?との見立て。
なので余裕を見て通常の日程の一週間前に出発して途中で調整していくことに。
この世界では棺を霊廟に納める感じで燃やさないらしい。
厳重に密封されてるらしいけど中身は日本人なのでちょっと怖い気持ち。
オレイユ家の霊廟がちゃんとしてたのか全くわからないけど大丈夫なのかな?
あのクソハゲがリーシャを墓参りさせなかったから全く情報がない。
棺を替えるとかはしなさそうだから開けられないよね。棺の上にカイダール父さまの魔道具とリーシャの髪置いたら良いかしら。
朝食の席でマーベルハント領行きの日程を知らされたので、クラウスさまに午後のお仕事を断ってから離れに向かった。
教授にマーベルハント領に向かう期間を伝えると、叡智のマーベルハント家の書架を見せて欲しいから着いていきたいと言われた。
もちろん先にジュリアスさまたちに許可を得てからお祖父様にお伺いの書簡を出すとのことなので了承されたなら構いませんって答えた。
教授もジョシュー先生も知識欲は留まることがないのね。
教授にはお祖母様とお母さまのお墓参りもしたいって言われた。お付き合いがあったのかと聞いたら、お祖母様が学園で教鞭を取ってた期間は同僚として、お祖母様が教育係として王宮にいた期間にも教授が王家の魔道具の修理に呼ばれたりで顔を合わせていたらしい。
お母さまも一年ほど受け持ちの生徒だったとか。
私に言わなかったには聞かれなかったから。たしかに聞かなかったけども!
「セラーナ夫人は男性陣にとっては孤高な高嶺の華じゃったしあまり会話をしたことはないがの」
うーん?お義母さまから聞いた時も厳しい人って言ってたから、近寄りがたい感じだったのかな?
「ナタリア嬢は気さくで優しかったから令嬢達がいつもたくさん集まってたの」
お母さまはたしかにそんな感じ。
教授は懐かしそうにちょっと遠くをみた。
「あの頃は魔道具科も魔法術科も今より賑やかだったの」
教授はその後、魔導書に集中しちゃったのでそれ以上聞けず。
お昼のお弁当を食べてから本邸に戻って、隠し部屋でお祖母様とお母さまに供えるモノを探す。
まだ少し先だけど、後回しにするとすぐ他のことに気を取られて焦ることになりそうだから。
「ニーナ、今日は探し物だから作業はしないんだけど中着いてくるの?」
「もちろんです」
聞いてみただけ。やっぱり一人にはなれないのね。
そうはいっても隠し部屋の中は作業台と書棚と素材系の棚と雑多に物が積んであるクローゼットみたいなスペースがあるだけ。
ただその棚などもよくわからないけどアイテムボックスみたいに謎に色々出てくる不思議棚。
異空間の中にさらに異空間のがあるみたいな?
お母さまの隠し部屋を解除した時に私のアイテムボックスに中身をまとめて入れて、自分の隠し部屋を作った時にお母さまの隠し部屋を思い浮かべて構築したからほぼ一緒。
道具はお母さまの物をそのまま使ってる。
雑多に色々ある中にお祖母様からのものもあるみたいだかあら、霊廟に置けるのものを指定してクローゼットから取り出す。
魔導書も魔道具もそんな感じで出てきたから多分イケると思ったらやっぱりイケた。
出てきたのは記憶より少し若いお母さまとカイダールさんが寄り添ってる絵。お父さまやっぱりかっこいいな。なぜあのクソ親父と兄弟なんだ?
そして日記。魔法で鍵が掛けてある。気になるけど勝手に解除して読んじゃダメよね。
あとお父さまから贈られたっぽいお飾り一式。
お父さまの黒髪と青い瞳を写した宝石たちが使われてる。
まとめてしっかりした箱に入れて棺に添えたい。
「リーシャさま、差し出がましいようですがナタリアさまの日記には真相が書かれているのでは?」
私もそれは思ったけど、魔法で鍵を掛けるくらいだから見られたくないのだと思うので。
知らない方がいいこともあると思う。
「ニーナはもし将来自分の日記が人に読まれちゃったらどう思う?」
「・・・嫌ですね」
だよね~。
私は見られたくないし、愚痴ばっかになりそうで書かない派だけど。
え?三日坊主?そんなことは無いよ・・・。
とにかく、何かしら伝えたいことならお母さまならちゃんと指定して残せただろうしね。
「そうだ。結婚式でもらった花たち棚に飾ろう」
ちょっと湿っぽい気分を変えて。この空間の中は状態保存がかかってるから心配なく飾れる。
小さな手で作ってくれたちょっといびつだったりする花輪やリボンが斜めになってるミニブーケ、可愛いね。
いつか子供ができたら一緒に見れると良いねぇ。
「ニーナ、見て、このブーケ、木の実がついてるよ」
外にも出して飾りたいからやっぱり状態保存ができるケースを作らないとだね。
今日はもう作業する気はないので隠し部屋を出て。
「お茶をお持ちします」
ニーナがそう言って部屋を出た。
しばらくしたらニーナがルルゥを伴って戻ってきた。
「リーシャちゃん!ふろまーじゅってこれでいいの?」
どうやらざっくりしか伝えてないレシピで早速作ってみたらしい。
お茶と共にケーキを並べてくれる。
お酒で洗ったチーズを使ってあるみたい。ルルゥ!!
「・・・おいし。でもちょっとかたいかも?」
「そうなの?」
「ゼラチンを少なめにしたら完璧だと思う」
相変わらずすごいね。一発で味は完璧。
「量で硬さが変わるのねぇ」
「チーズの香りと甘さは最高だよ」
「食感が面白いからニックス達が喜んでるのよぉ」
元を知らないんだからこれが正解にしてもいいと思うけどね!
「アズライトの池、明日調べに行けそうよぉ?」
なんですと?
「大旦那さまがボートを買いに出かけたわ~」
「へ?」
「大旦那さま行きたいから自分が乗れるボートがいるって張り切って出かけたわよ~」
お義父さまが乗れるボートはどのくらいの大きさかしら?
「別に魔法で跳躍したらと思うのだけど、池の風情も楽しみたいんですって~」
まぁボート遊びもいいと思うよ。
そういえば魚いるのかしら?
「ん?今日買いに行って明日?持ち帰ってくるの?」
「そうねぇ、出来合いを買うのは珍しいけどすぐ乗って行きたいみたいねぇ」
やんちゃな少年か?マジックバックに船入るんかしら?めっちゃ大物魔獣狩って持ち帰るのだから普通か。
「島の植物は採って良いって言ってたから楽しみよぉ~」
アズライトったら太っ腹だね。
「パバプもすごい量持って来てくれるのよ~」
でも相当自分で食べてるよね。
「あんなに澄んでる池はそうそうないわ。ありがたいわねぇ」
良いのか悪いのかといえば良いのだと思うけど、アズライトがどんどん拡げるから最終的に滝作りそうで怖いんだよね。
「明日はお弁当たくさん用意するわねぇ」
なんか遠足みたいなノリになってる!!
まぁ良いか。
グレーデン家からは一週間くらいかかるそうだけど、カスタム済みの馬車で魔馬なので三日くらいで着くのでは?との見立て。
なので余裕を見て通常の日程の一週間前に出発して途中で調整していくことに。
この世界では棺を霊廟に納める感じで燃やさないらしい。
厳重に密封されてるらしいけど中身は日本人なのでちょっと怖い気持ち。
オレイユ家の霊廟がちゃんとしてたのか全くわからないけど大丈夫なのかな?
あのクソハゲがリーシャを墓参りさせなかったから全く情報がない。
棺を替えるとかはしなさそうだから開けられないよね。棺の上にカイダール父さまの魔道具とリーシャの髪置いたら良いかしら。
朝食の席でマーベルハント領行きの日程を知らされたので、クラウスさまに午後のお仕事を断ってから離れに向かった。
教授にマーベルハント領に向かう期間を伝えると、叡智のマーベルハント家の書架を見せて欲しいから着いていきたいと言われた。
もちろん先にジュリアスさまたちに許可を得てからお祖父様にお伺いの書簡を出すとのことなので了承されたなら構いませんって答えた。
教授もジョシュー先生も知識欲は留まることがないのね。
教授にはお祖母様とお母さまのお墓参りもしたいって言われた。お付き合いがあったのかと聞いたら、お祖母様が学園で教鞭を取ってた期間は同僚として、お祖母様が教育係として王宮にいた期間にも教授が王家の魔道具の修理に呼ばれたりで顔を合わせていたらしい。
お母さまも一年ほど受け持ちの生徒だったとか。
私に言わなかったには聞かれなかったから。たしかに聞かなかったけども!
「セラーナ夫人は男性陣にとっては孤高な高嶺の華じゃったしあまり会話をしたことはないがの」
うーん?お義母さまから聞いた時も厳しい人って言ってたから、近寄りがたい感じだったのかな?
「ナタリア嬢は気さくで優しかったから令嬢達がいつもたくさん集まってたの」
お母さまはたしかにそんな感じ。
教授は懐かしそうにちょっと遠くをみた。
「あの頃は魔道具科も魔法術科も今より賑やかだったの」
教授はその後、魔導書に集中しちゃったのでそれ以上聞けず。
お昼のお弁当を食べてから本邸に戻って、隠し部屋でお祖母様とお母さまに供えるモノを探す。
まだ少し先だけど、後回しにするとすぐ他のことに気を取られて焦ることになりそうだから。
「ニーナ、今日は探し物だから作業はしないんだけど中着いてくるの?」
「もちろんです」
聞いてみただけ。やっぱり一人にはなれないのね。
そうはいっても隠し部屋の中は作業台と書棚と素材系の棚と雑多に物が積んであるクローゼットみたいなスペースがあるだけ。
ただその棚などもよくわからないけどアイテムボックスみたいに謎に色々出てくる不思議棚。
異空間の中にさらに異空間のがあるみたいな?
お母さまの隠し部屋を解除した時に私のアイテムボックスに中身をまとめて入れて、自分の隠し部屋を作った時にお母さまの隠し部屋を思い浮かべて構築したからほぼ一緒。
道具はお母さまの物をそのまま使ってる。
雑多に色々ある中にお祖母様からのものもあるみたいだかあら、霊廟に置けるのものを指定してクローゼットから取り出す。
魔導書も魔道具もそんな感じで出てきたから多分イケると思ったらやっぱりイケた。
出てきたのは記憶より少し若いお母さまとカイダールさんが寄り添ってる絵。お父さまやっぱりかっこいいな。なぜあのクソ親父と兄弟なんだ?
そして日記。魔法で鍵が掛けてある。気になるけど勝手に解除して読んじゃダメよね。
あとお父さまから贈られたっぽいお飾り一式。
お父さまの黒髪と青い瞳を写した宝石たちが使われてる。
まとめてしっかりした箱に入れて棺に添えたい。
「リーシャさま、差し出がましいようですがナタリアさまの日記には真相が書かれているのでは?」
私もそれは思ったけど、魔法で鍵を掛けるくらいだから見られたくないのだと思うので。
知らない方がいいこともあると思う。
「ニーナはもし将来自分の日記が人に読まれちゃったらどう思う?」
「・・・嫌ですね」
だよね~。
私は見られたくないし、愚痴ばっかになりそうで書かない派だけど。
え?三日坊主?そんなことは無いよ・・・。
とにかく、何かしら伝えたいことならお母さまならちゃんと指定して残せただろうしね。
「そうだ。結婚式でもらった花たち棚に飾ろう」
ちょっと湿っぽい気分を変えて。この空間の中は状態保存がかかってるから心配なく飾れる。
小さな手で作ってくれたちょっといびつだったりする花輪やリボンが斜めになってるミニブーケ、可愛いね。
いつか子供ができたら一緒に見れると良いねぇ。
「ニーナ、見て、このブーケ、木の実がついてるよ」
外にも出して飾りたいからやっぱり状態保存ができるケースを作らないとだね。
今日はもう作業する気はないので隠し部屋を出て。
「お茶をお持ちします」
ニーナがそう言って部屋を出た。
しばらくしたらニーナがルルゥを伴って戻ってきた。
「リーシャちゃん!ふろまーじゅってこれでいいの?」
どうやらざっくりしか伝えてないレシピで早速作ってみたらしい。
お茶と共にケーキを並べてくれる。
お酒で洗ったチーズを使ってあるみたい。ルルゥ!!
「・・・おいし。でもちょっとかたいかも?」
「そうなの?」
「ゼラチンを少なめにしたら完璧だと思う」
相変わらずすごいね。一発で味は完璧。
「量で硬さが変わるのねぇ」
「チーズの香りと甘さは最高だよ」
「食感が面白いからニックス達が喜んでるのよぉ」
元を知らないんだからこれが正解にしてもいいと思うけどね!
「アズライトの池、明日調べに行けそうよぉ?」
なんですと?
「大旦那さまがボートを買いに出かけたわ~」
「へ?」
「大旦那さま行きたいから自分が乗れるボートがいるって張り切って出かけたわよ~」
お義父さまが乗れるボートはどのくらいの大きさかしら?
「別に魔法で跳躍したらと思うのだけど、池の風情も楽しみたいんですって~」
まぁボート遊びもいいと思うよ。
そういえば魚いるのかしら?
「ん?今日買いに行って明日?持ち帰ってくるの?」
「そうねぇ、出来合いを買うのは珍しいけどすぐ乗って行きたいみたいねぇ」
やんちゃな少年か?マジックバックに船入るんかしら?めっちゃ大物魔獣狩って持ち帰るのだから普通か。
「島の植物は採って良いって言ってたから楽しみよぉ~」
アズライトったら太っ腹だね。
「パバプもすごい量持って来てくれるのよ~」
でも相当自分で食べてるよね。
「あんなに澄んでる池はそうそうないわ。ありがたいわねぇ」
良いのか悪いのかといえば良いのだと思うけど、アズライトがどんどん拡げるから最終的に滝作りそうで怖いんだよね。
「明日はお弁当たくさん用意するわねぇ」
なんか遠足みたいなノリになってる!!
まぁ良いか。
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