ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

153話

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 前話の最後でなぜかレオルカが姉と結婚しちゃうことになってたので修正しました。
 レオルカの婚約者はマデリーです。
 他細かい誤字脱字も直しましたがまだあるかもです。申し訳ないです。

 あと思いの外、お気に入り、しおり、エール頂けててドキドキしてます。いつも読んでくださってありがとうございます。

 何かお礼のSSでも書けたらって思いますがどのキャラが好かれてるのだろう?良かったらリクエストお願いします。





______________________________


 お義母さまとのお茶の後少し時間ができたので、何か作ろうかなって思ったんだけど、離れに行くの面倒なのでニーナに言って、隠し部屋を使うことにした。

 ニーナも中に入るから何か時間潰せるもの持ってきたらって言ったら刺繍セット。
 乙女だなぁって思っちゃう私は刺繍苦手。
 リーシャもやってた記憶がないから(そもそも材料が買って貰えてないか)多分苦手なはず。

 お母さまの使ってた錬金道具はグレーデンで用意してもらったにより旧式なんだけど、おそらくネイマーシェ製なので少し使用した時の感じが違う。魔力が通しやすいのかも。

 今日はせっかくなので真珠パウダーを作っちゃう。
 粉々にするだけなのですり鉢でゴリゴリしてもいいんだけど私の腕力ではザラザラくらいまでで限界になりそうなので魔力で一気にやっちゃう。
 錬金台に型崩れ真珠をザザーっと入れて、攪拌と粉砕を意識。
 ポーションみたいに繊細な魔力調整いらないから楽ちんだよ。

 1分もしないうちに綺麗でサラサラしたパウダーが仕上がった。
 これをこのままお肌にパフパフするのと普段使ってる白粉に混ぜるのとどっちが良いかな?

 自分の腕にまずはパウダーを少し付けてみる。
 艶と白さが増した気がする。
 別の部分に少し白粉に混ぜてパフッと叩いて見てみるとこちらも艶と白さが増した。
 うーん、どっちが良いかわかんないよ。

「ニーナ、この腕にこれを塗ったんだけどどっちが良い感じかなぁ?」

 ニーナは刺繍の手を止めて私の行動を見てたので聞いてみる。

「白粉の改良ですか?」
「ううん、このキラキラを少し使うとお肌がキラってなってツヤツヤに見えるからお義母さまに使って欲しいの」
「ツヤ!?」
 
 あ、ニーナも美容の話には食いつき気味なんだった。お年頃だもんね。
 思わずニーナの右手にパウダーを左手に白粉+パウダーを叩いてみた。

「・・・リーシャさまはパウダーだけでお肌の色が活かせると思いますが普段から白粉を使われる大奥様や妙齢なご婦人には白粉に混ぜたほうが肌馴染みが良い気がします」

 ニーナは自分の両手に灯りの当たり具合を変えながら真剣に使用感を確認してる。

「これは夜会などで大奥様に視線が集まりますねぇ」

 キラキラパウダーは好印象だ。良かった。

「大奥様に贈り物では私たちに手に届く品ではありませんね」
 
 ニーナがしょんぼりしちゃった。

「まずはお義母さまに渡すけど、レオルカさんの結婚のお祝いに奥さんに渡したいし、アッガスで真珠が採れたら簡単に作れるようになるから大丈夫!それにニーナにもプレゼントするから」
「え?」

 真珠自体は型崩れで廉価版だし、粉砕しただけだから高価ってほどじゃないんだ。

「ニーナはオレイユからずっと私に付き添ってくれて休みなしだったからボーナスくらい出さないとバチがあたっちゃう」

「ぼーなす?」

 あ。またなんか違う言語になったっぽい。

「んーとね。よく働いてくれた人に賞与?金一封・・・」

 必死に言葉を思い浮かべては説明するけどいまいちピンをこない。

「つまり特別手当みたいなことですか?」
「それ!」
 うんうん唸ってたらニーナが答えを導き出してくれた。

「ですが・・・私はリーシャさまの栄養失調を見抜けませんでしたから」

 あ、すごく責任を感じさせちゃてるんだった。でもそれはリーシャは無自覚に魔力使ってたからなんだよ。

「アレは私もニーナも魔力の認識が足りなかっただけだからニーナのせいじゃないよ?」
「・・・」
「ニーナ、ニーナがいなかったら私はもっと早くに倒れて死んでたと思うの。だからニーナがいないとダメだし、ニーナのおかげで今があって幸せなの!」
 悲しげで苦い顔のニーナに抱きついて伝える。
 私に中に残ってるリーシャの気持ちかな。感謝と愛情が湧き上がってくる。

 ニーナはリーシャにとって侍女以上で姉であり家族なんだ。
 お母さまに雇われて、お母さまが亡くなった時に離れても誰も責めなかったはずなのにずっと付いてくれてた。給金はお母さまの名義で支払われてたみたいだけど、あんな最低な職場なんだもん。退職は可能だっただろうから。

「・・・ありがとうございます」
 ニーナがそっと私の頭を抱き込んでくれる。
 優しい柔らかさと女性らしい香り、この抱擁は寂しくて辛かったリーシャずっと癒して護ってくれてた。
 ああ、もういないと思ってたらリーシャ心が残ってるのかもしれない。懐かしい気持ちに包まれた。

「ニーナ、白粉に混ぜたのが良い?」
「私は自分で調整して使いたいです」
 なるほど。

 お義母さまもどれくらいキラキラさせたいかわかんないからパウダーで渡して混ぜる量を説明した方が良いか?
 そうするとマデリーさんは騎士さんで日焼け具合がわからないからパウダーままが無難かな。
 白粉に混ぜるか悩まなくて良かったね。

「ニーナ、口紅って今持ってる?」

 ニーナがポケットから小さな石のケースを取り出した。
 この世界の口紅は蜜蝋に花びらから採った染料を混ぜたもの
 ちょっとだけ指に取って真珠パウダーを混ぜてニーナの唇にちょんちょんとしてみた。
 ちょっとだけぷるつや!

 ニーナに手鏡を渡して見てもらうと嬉しそうな顔になった。
「かわいいですね」

 アイシャドウに混ぜても良いけど、侍女さんはみんな控えメイクだからね。

「これはニーナに。いつもありがとう」
 隠し部屋にいっぱい置いてある薬用の小瓶にパウダーを入れて渡した。
 ニーナは宝物を手に入れたかのように恭しく受け取って抱きしめてる。
 もっと早くにお礼渡すべきだったね。反省。

 お義母さま用も元々はお土産で渡したかった物なので飾り気なしでニーナに渡したものより若干効果そうに見える小瓶に入れた。
 マデリーさまがどんな感じの方か想像できないので結婚祝いって考えて少し華やかな色のついた小瓶に入れてみた。

 残りは私用として使用済みっぽい薬草入れの小瓶に入れた。
 もしかしてルルゥもいるかしら?
 いつも憎らしいほど唇が艶々してセクシーだから真珠パウダーで色気マシマシもありかも?
 口紅用なら少量でいいので紙の薬包に入れてみた。

 時間が余れば魔石に彫刻もしたかったけど今日はもういっかって気分になったので、隠し部屋から出た。

 夕食まではまだ時間があったので自室で少し休むとニーナに伝えて、ソファに座ってまったり。


 気がついたら寝てたみたいで帰宅したジュリアスさまが起こしてくれた。

「ただいま、リーシャ」

「おかえりなさい」

 ジュリアスさまに抱っこされて食堂に向かう。
「ニーナの唇がどうとか母上が騒いでいたが何があったんだ?あれ?リーシャの唇も何か感じが違うか?」

 あ。お渡しする前に寝ちゃったから、ニーナは私がサプライズで渡したいと思って黙っててくれてるのかも?

「これ、真珠の粉を使ったんです」
「真珠?」
「キラキラして見えませんか?」

 じっと口元を見られるとちょっと恥ずかしい。

「ふむ、確かにツヤっとしている」
「海の街で買ってもらった真珠を粉にして化粧品に混ぜたんです」

 ジュリアスさまが少し考えてから首を傾げる。殿方に化粧品の話をしても困るよね!

「お義母さまにお渡ししようと思って作ったのをニーナにも試してもらったんです」
「そうか」

 そうやって話してる間にお義母さまが私たちを見つけて突撃してきた。

「リーシャちゃんも唇が艶々!!これどうやってるの~?」

 ジュリアスさまの腕から私を強奪して、私の唇を指先でぷにぷに。
 これされたら普通に禿げちゃう!

「あら?指にキラキラがついたわぁ」
 でしょうね!

「お義母さま、海の街で買った真珠で作ったパウダーです。白粉や口紅に混ぜて使ってください」
 
 私はアイテムボックスから小瓶を取り出して渡した。

「まぁぁ!これはツヤツヤプルプルになるものなのね?」

 透明な小瓶の中でサラサラと真珠の粉を揺らして眺めるお顔は少女のよう。

「ニーナ!お化粧に付き合って!!」

 夕食のために食堂に向かってただろうにニーナを引っ張って自室に戻って行ってしまった。

「母上・・・」

 ジュリアスさまが唖然と見送る。

「はぁ、俺たちは先にいただこうか」

 食堂の中ではすでにルドガーさまとセリウスさまが修行僧の如く悟りを開いた顔で座ってて、クラウスさまはため息をついてお茶を飲んでた。

「リーシャちゃん、母上、甘い物と美容に関しては遠慮がないからねぇ」

 うん。知ってる。でもびっくりした。

「先に食べようかの」
「あの様子だと時間かかるだろう」

 ドレス買う時みたいになるのかな。ニーナが大変だ。ごめんね。







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