ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

147話

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 しばらくは午前中はお勉強、お昼からはお仕事って感じの日々が続いた。

 一応学園は卒業扱いだからそんなにガッツリ勉強しなくてもって愚痴が言いたい。

 いまいち魔法使うのに困ってる気がなかったのもあるんだけど、実際に調薬がうまくいかないことにはちょっと凹んでた。

 ちょこちょこ爆発したり激苦薬が仕上がったり、あと一歩な感じが続いた。
 攻撃魔法も離れのそばに一週間くらいで頑強な訓練場が出来たのでわりとスパルタな特訓も。
 私の憧れたカントリーハウスな離れはいつの間にか畑と森と大きな池まではいい感じだったのに、キャンプ場な庭が出来ちゃったし、ついには訓練場で可愛さは無くなっちゃったよ。

 たまにクラウスさまやルルゥが訓練に付き合ってくれたり、お義母さまが見学に来たり。
 アランとジェイクは私が魔法訓練中は自分達の訓練が出来るようになって喜んでた。

 ちょこちょこ庭師さんやコックさんが覗きに来て、ニコニコと様子を見ていく。ちっこいのが頑張っているのが可愛くてつい見に来ちゃってるのよぉってルルゥが教えてくれた。参観日の親か!

 やっとポーションにチャレンジが許されたのはリックさまが来てくれて1ヶ月くらい。
 濃厚すぎる1ヶ月だよ。

 訓練場って石造りなんだけど、土台も壁も魔法も使ってサクサク作ってたし、リックさまと教授達が強化とか防御とかとにかく壊れない、焼けないって付与魔術かけまくってくれた。
 王宮並みの防御力らしいから非常時には防空壕に出来そうだよ。
 私が貸し出した魔導書に載ってた魔法陣を試したかったらしいのでタダで付与してくれたんだよ。ラッキーと言っていいのかな。

「規格外のグレーデンの騎士達が暴れても壊れない自信があります」

 めっちゃドヤってくれた仕上がりなので私がちょっとばかり爆発物作っても安心だね!

 ポーションの種類は下級、中級、上級、最上級、極上級で身体回復のと魔力回復がある。

 中級まで作らせてもらえたんだけど、やっぱり中級が最上級になってたりするから、これ以上は作らないようにって言われた。
 使う素材も少しずつ違うのに何故に上位互換しちゃうのだ~!

 私の利用価値が上がると近隣国が騒ぎ出すから、自分で使う以外、外部に出さないように、ってめっちゃ忠告された。

 リックさまでも最上級は成功率3割だって。
 極上級は素材自体が入手困難すぎて手を出せないらしい。

 最上級ポーションのも結構レア素材で大金貨が何枚も必要で高価。

 欠損が治るのは極上級だけで最上級は切り落とした部位が残っていれば繋げられるって。
 うーん?大金貨がない人は諦めるしかないのか・・・。
 いや、普通は戻せる前提じゃないか。

 ポーション作りの事実上禁止が確定して私の1ヶ月は徒労に。まぁやばいことがわかったってことは良かったのかな。
 魔力コントロールはそこそこになったのは収穫か。

 リックさまに来ていただいた理由のポーション作りの指導が終わったので、リックさまは帰らなくちゃでテンションが駄々下がり。

「はぁー、ここでの食事が幸せすぎて帰りたくない・・・」
「コックさん達が出向してるしレシピも随時送ってるから大丈夫ですよ?」
 私がそう言うとジトっと見られた。
「素材も違うんですよ。もちろん王都でも魔素の濃い物も取り寄せていますがグレーデンの素材に比べたら薄いです。魔力の多い者には魔素の濃い食事が必須ですからね。グレーデンで魔素に満ちた土地も空気に触れて、魔素たっぷりの食事、しかも極上ってここは高位魔力保持者にとったら天国ですよ」
 すごい熱く語られちゃった。

 魔素って大事なんだね。

「あなたが栄養失調で餓死寸前だったのもただでさえ粗悪な食事で魔素が足りなかったことに加え、あなたは知らず魔道具を作ったりして魔力を消費してしまっていたからですよ」

 え?クソ親父のせいじゃなかったのか?・・・いや、ただでさえ少なめだったのに量も品質も落とされてたからやっぱ親父のせい。
 しかも伯父だったけど!

「今後はグレーデンにいる限りは魔力が不足することはなさそうですが詰まりがちなようですからなるべく消費するようにしてください」

 おおおぅ、栄養が足りたら今度は使わなくちゃになったのね。極端な私の魔力。

 色々細かく注意事項を説明された。
 魔力過剰っていうのは危険なんだね。

 その日の午後もいつものようにクラウスさまとお仕事。
 絵札は完成して、石板も子供達に配り終えて、なぜか勉強がしたいという大人もちらほら混じるようになったよう。
 学ぶ機会がないまま騎士や兵士になって忙しくして来て、簡単な読み書きは兵舎で教えたりはしてるけどやっぱり覚えが悪いのだとか。
 子供達が嬉しそうにお勉強の話をしているのを聞いて、初歩からならばって。

 外の商人にお釣り誤魔化されたりがやっぱりあるみたいで学べるならって来ちゃうそう。
 領民が不便を感じてるなら混ざってもらっていいと思うけど、幼児向きだとあんまりでしょ。
 
 学びたい意欲があるからちゃんとわかりやすく苦手感を持たせないように進めてほしいし。
 そんなわけで塾っぽいカリキュラムも必要になった。

 今は領民達で互助な感じで進めてるけど、教師って言う立場になれる人に来てもらいたいよねぇ。

 外部からは辺境に来てもらうのはなかなか難しいから、引退騎士さんの中で学園でてる人とかにお願いする方向しかないかな。

 まだ1ヶ月経ってないのに結構な反響だね。

 クラウスさま達と本邸に戻ったらら、なぜか侍女さん達と侍従さん達が困った顔でパタパタしてた。

「あれぇ?なんだろう。お客くる予定ってあったかなー」
「聞いてはいないですね~」

 玄関ホールで2人首を傾げてたら。

「やぁ!リーシャ嬢。久しぶりだね」

 おおおぅ!綺麗なオジサマが自分ちのようにお出迎えしてくれた。

「!!!?」

「リックが全然帰ってこないし、君に報告があったから来ちゃった☆」

 来ちゃったんだ・・・。
 転移陣使ったんだね。

「リーシャちゃん、クラウス、おかえりなさい~」

 陛下の後からお義母さまが来てくれた。ほっ。

 応接室に連れて行かれて、しょんぼり顔のリックさまと少し険しい顔のお義父さま、私を心配顔見るジュリアスさまがすでに座ってお揃いだった。






 


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