ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
130 / 764
二章

125話

しおりを挟む
 軽く汗を流してニーナ達に着替えを手伝ってもらって。
 お人形の出来上がり!

 お客様が来るからって言っても別荘なので多少軽装。
 でもお義母さまの(私用の)趣味?のレースてんこ盛りで超ロリータ!

「リーシャ、可愛くしてもらったな」

 ジュリアスさまったらちゃんと褒めてくれた♫
 ジュリアスさまも騎士服や夜会衣装よりは軽め。逆に体格がはっきり出て辛抱たまらん感じです!

「ジュリアスさまも素敵です♡」

 多分筋肉大好きなお義母さまが私の提案したデザインを元にテーラーに色々お願いしてより良いラインを追求したんだと思う。

 憧れの王子様を見るような気分でジュリアスさま(の胸の盛り上がり)をうっとりと見つめちゃったらジュリアスさまは少し顔が赤くなったよ。
 大胸筋だけじゃなくて広背筋も好きだけどね!大臀筋も腸腰筋もジュリアスさまは綺麗に仕上がってるからオススメだけど服の上からは見えないからね☆

 多分だけどサーキスさまもルルゥもかなり均等な綺麗な育て方をしてると思うけどジュリアスさまほど体が大きくないんだな。

「うふふ」

 ジュリアスさまの抱っこされたのでより筋肉が近くなって幸せ。
 ルルゥは晩餐の準備をしててセバスチャンやニーナも食卓を整えてくれてる。

 私たちはアルジェさまのお迎えに船着場まで行くことにして。
 着いてみれば、船が海獣に襲われててサーキスさま達が嬉々として倒してた。
 アルジェさまや護衛さんたちも戦ってるけどね!

「船に魔物避けついてるんじゃ??」

 ハリセンボンみたいな形の大きな魚が船に向かって針を飛ばしてるし、イカもどきが船に巻き付いてるし、ノコギリザメみたいなのが船の周りを飛んでる。

「活性化してる状況でこの島に来るんだから巻き込まれるのは仕方ない」
『船を襲ったのではなく魔獣たちが今戦っている場所に船が入ったわけじゃしの』

 ジュリアスさまとアズライトが当然のように言うにが怖いよ。

「この針はいい武器になるぞ!ギリギリまで吐き出させろ!」
「ノコギリもいるぞ!しっかり仕留めろ」
 
 アルジェさまもめっちゃ楽しそうに戦ってる。

 鑑定してみたけどあまり美味しくなさそうだからお肉取れなくても良いや。

 しばらく波がかからない場所で見てたら新しいのが出て来なくなったので終了した。

 居た分がみんな屠られたので魔物避けが仕事できるらしい。

「いやぁ!久しぶりに良いのが出たぞ」

 アルジェさまがご機嫌。普通は襲われないほうがいいんじゃ?

 アルジェさまの騎士さんたちはうちの騎士さんたちとお庭でバーベキューをすることになって。

 アルジェさまはご長男のデネブさまを連れて来られた。
ヴィアナさまは船が苦手だからお留守番なんだそう。

「この前は学園から帰ってこれてなかったから今日は連れてきたぞ」

 デネブさまはアルジェさまに似たイケメンだ!13歳なのだそう。

「ゲテモノ好きな変わった女はお前か!ペオウンが食えなくて悲しんでたらしいから似たのを探してやったぞ!」

 いきなり喧嘩腰かと思ったら何やらドンと木箱を差し出された。

 チェイスさんとルルゥが開けてくれると2人とも一瞬体が浮いた。ビクって感じ。

「・ッこれは?」

「帰宅途中に父上からペオウンっぽい食えるやつがないか調べてこいって連絡が入ったから隣の領で聞いたらコイツが出てきた」

 箱の中身を覗いてみたら、赤紫色で肌がちょっと鱗みたいな硬そうな感じの足が15本ある不気味なのがうねってた。

 〈ハジャンク。軟体。なんでも食べる海の嫌われモノ。タコのようなコリコリ食感。吐くスミは海に魔物の目眩しに良い〉

 また微妙な《鑑定》さんよ。

「これ食べられるの?」
「漁師は焼いて食うと言ってた」
 ルルゥは少し引いてるけど、イカも蜘蛛も食べるくせに何日和ってんの!

 それに!

 それにだよ!!

 ・・・たこ焼きキターーーーーー!!!!
 タコワサもいけるよ!

 なんだもん!!!

「ルルゥ!早速作ってほしいの!!アルジェさま、デネブさま本当にありがとうございます!ちょっと調理をしてきますので先に食事を始めてくださいませ」

 おそらくめっちゃいい笑顔を繰り出した私にデネブさまがちょっと赤面!
 可愛くてごめん遊ばせ!ハシ○ンちゃんくらい可愛いもんね。お年頃の男子ならテレても仕方ないよ!自分で言うなってやつだけど☆

「・・・マジで食うんだ」

 小さい声で呟いたのは私には聞こえてなかった。

 食卓にはジュリアスさまとクラウスさま、アルジェさま、デネブさまが残った。
 夫人としてはダメな行動かもだけど、たこ焼きがやってきたなら仕方ないよね☆


「ルルゥ、これ鱗剥いで滑りをとってちょうだい」

 タコに鱗ってなんだろ?謎生態。

 私は鍛冶屋にお願いしてたたこ焼き用の鉄板を出して携帯用のIHコンロで温める。
 油の慣らしは済ませてある。てへ☆

 小麦粉を溶いて出汁は干した魚を煮出したやつで代用。ネギもどきと生姜もどきターラ(トロロ)も混ぜて。天かすも入れるよ。

 ハジャンクはぶつ切りにしてもらって、温めた鉄板に生地を流し入れ、材料を入れてハジャンクを入れる。

 ジワジワ焼ける様子を眺める。
 嬉しい!!!

「この鉄板で丸いのじゃないとダメなの?」

 普通に焼いたらチヂミとかネギ焼きじゃないか!それも美味しいけど!

「ルルゥ!食べたらわかる!!」

 私は千枚通しで焼けてきたのをクルクルっとした。

 青のりはないし鰹節もないけど、鰹節は小さいめの魚を乾燥させて粉砕したのを代用。

 この前作ったソースとマヨネーズをかけて。

 ドヤァ!!!

 ルルゥに小皿に3個乗せて渡す。

 私ももちろん味見。

 ・・・ああ。

「っ何これ!!美味しいわ!!」

 そうであろうとも!

 やっぱりちょっと違うけどそれでも懐かしい。
 これはこれで良いんだ。

 ついでにハジャンクを生のままスライスしてパバプを添える。

 ん!お約束でアズライトとポムとティムが味見に来たね。

『クズなモノだと思っていたらうまいではないか』
 いや君はパバプが好きなだけでしょ。

「キュ!プキュ!キュキュキ!」
「モキュッ!モキュキュ!」
 たこ焼きをできるだけ頬袋に詰め込んで、一つを器用に掲げながらお尻をフリフリ踊っている。

 ルルゥは早速クルクルな焼き技を習得して大量に焼き始める。
 見える!!背景に大阪が見えるよ!

「ではお運びします」

 いつに間にやらいたセバスチャンとニーナがたこ焼きとタコワサを運んでいく。

「リーシャちゃん、あとはするから食べていらっしゃいな」

 食卓に戻るとアルジェさまとデネブさまが昇天してた。合掌。
 
 と言うのは冗談で、ルルゥのご飯に驚愕して愕然としたあと、たこ焼きでトドメだったらしい。

「俺たちは今後何を食べても幸せになれない・・・」

 あちゃ~。


 食後にレシピの提供やお魚類の流通とか色々サーキスさまとルルゥも同席して相談して決めて。

 冒険者にマジックバッグを貸して早馬便をしてもらうんだって。

 マジックバッグ、冷凍庫の機能を付与して作ってみようかな。

 ハジャンクはサイズ的には最大80cmくらいだそう。
 他の魔獣な海獣とかは馬鹿でかいけど運べる程度のマジックバッグを貸し出すらしい。
 
 アルジェさまがコックさんをうちの研修に来させることでなんとか絶望を脱した。

「俺、学園のご飯に戻りたくない」

 デネブさまは浮上できない!!?

 夜は船を出せないのでアルジェさまたちはお泊まり。

 船を置いてない方の浜で、アルジェさまたちは騎士さんたちに混ざって海の大運動会に参加した。

 ジュリアスさまは少しだけ参加してすぐに戻ってきた。

「人が多すぎて獲物が足りないからな」

 って苦笑い。
 多分、普通の人たちが100人いてもしんどいと思うよ?

 翌朝、デネブさまも徹夜で参加したと聞いてビックリだったよ。





 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...