ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

122話

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 日が少し暮れたくらいに目が覚めた。
 ジュリアスさまが私をガッチリ抱き込んでるから這い出ようとしたら起きちゃった。
「ん?起きたか?」
「はい」

 まだ庭でワイワイしてるみたいなので2人で庭に出るとそこそこ大きな牛っぽいのを炙り焼きしてる。
 漫画肉ちっくなの。

「あらぁお目覚め?んもうラブラブアツアツね☆」

 ルルゥが楽しくて仕方ないみたいでお肉をグルグル回し焼きながら顔がテカテカです。

「お肉どうしたの?」
「お魚ばっかりじゃお腹に貯まらないって言うもんだから持って来た分出したのよぅ」

 あのデッカいの大漁なのにお腹に貯まんないの!?

「貝いっぱい採れたわよーぅ」

 鉄板の上でじゅうじゅう焼かれてる。

「お酒とフリュア滴らして食べるの美味しいわぁ」

 ルルゥが煮込んだり焼いたり蒸したりしながらつまみ食い。

「リポカ滴らしてもおいしいよ」

 ジュリアスさまとルルゥは早速試して。
 ちょうどカキっぽいのを食べてるからミルキーと柑橘のマリアージュだね!

「ルルゥ、それパン粉で揚げてリポカかタルタルもイケると思う」
「!?」

 貝を物色してたら貝がフタの間から海藻をはみ出してた。

 気になったので貝を手に取って見ようと思ったら、貝がパカパカって暴れて飛んできた!

「んぎゃーーー!!!」

 すぐにジュリアスさまとサーキスさまが蹴散らしてくれたので無事だったけどびっくり!!

「リーシャ、貝は生捕りだから」
「リーシャさま、気になるものは言ってくだされば取りますから」

 へにょーーん。地球の貝は飛んでこないもん。

「リーシャ、この貝が気になったのか?」

 どうやらトドメを刺されたっぽい貝を見せてくれる。
 海藻を嘔吐したみたいになってる貝は大アサリっぽいんだけど今気になってるのは海藻の方。

 《鑑定》で見てみれば昆布なんだよ!
 〈そのまま食べても干しても良い。ミネラル豊富。誰も食べない海の草なので名前はない〉

「・・・」
 誰も食べないのに食べても干しても良いとはこれいかに?

「ルルゥ?この海藻って食べないの?」
「海の中に入ってまでヌルヌルの草なんて誰も取らないから食べないんじゃなぁい」

 海の中ヤバいもんね・・・。

「一応これ今すぐに乾燥して欲しいんだけど」
「俺やります」
 そばで見ていたジェイクが風魔法で一気に乾かしてくれた。

「これ何するんですか?」
「スープにしてみるね」

 ルルゥに鍋を用意してもらって鰹節はないから、昆布と魚のアラと朝市で買ってもらった魚を乾燥してもらってそれも入れてみた。

「コンソメみたいに味が出るの?」
 ルルゥが鍋の中を匂ってる。

「多分そんな感じ」

 調味料なんて売ってるもので済ましてたんだから今は全部手探りなんだもん。

 煮込んでる間にみんなが好き好きに夕飯を頂く。

 何品も出来てて食べてても、スープの匂いが気になって集中出来ないみたい。

 鍋の中身を濾してもらって、ネギもどきと根菜少し、乾かしてない海藻を細かくしてフリュアの種を入れてもらってお味噌汁にしてみた。
 ほんだしないけどイケるかな?

「この種、スープにも使えるのねぇ」

 まずはお毒見とばかりにサーキスさまが。
 いつもはルルゥが味見してるし、真っ先にお義父さまたちが食べちゃってるからめちゃくちゃ今更なんだけど。

「ルーク、お前食べたいだけだろう!!」
「「違いない!」」
 みんながどっと笑う。

「うるさいです。初めての味ですがうまいですよ」

 お味噌も受け入れてもらえた~。
 貝入れてもよかったな。

「んー海藻か」
「流石に海の中はなぁ」

『仕方ないの。どれ採ってきてやろう』

 みんながうんうんと悩んでいたらアズライトが5mくらいになって飛んで行った。
 チェイスさんとアランが面白そうだとついて行く。

「痺れないのに採ってきてくれるんだ・・・」

 唖然と見送ったよ。

「この海藻一緒に入れた乾燥した魚だけじゃダメなの?」
「ダメってこともないけど栄養がいっぱいで旨み成分がいっぱいなの」

 酢昆布とかは好まれないかな?
 昆布締めとかも良いし、おにぎりにも入れたい。

「魔物避けの船から網でも投げたら採れないか?」
「アルジェさまと相談ですね」

 グレーデンにも海出来ないかな?って出来ても湖だよ!

「リーシャさまぁ!」
 チェイスさんが何か抱えながら走ってきた。

「アズライトが海に潜って尻尾をバーンと振ったら飛んできたっすわ!!」

 デッカいエビだなぁ!
 イェンゲじゃないエビがキターー!!

 2mくらいのあるしハサミと足がデカい。

「流石に危ねぇんでシメてきたっすわ」
 
 確かに生きてたらチェイスさんの頭がチョンパされてるよ。やばいよ!

「イェンゲと同じような調理法で!めっちゃ美味しそうです!」
「へぇ!大当たりっすね!」

 色合いが紺色で多分海底にいたら保護色?

「朝市にはいなかったわね?」
「深いとこにいるんじゃ?」

 まぁどんなでもグレーデンで頻繁には食べられないよ!

「半分くらいお土産にしたいな」
「あ、まだ数尾飛んできてたっすから大丈夫!残りはアランが持ってくる」

 アズライトなかなかやりおる。

『おい!其方の言うタコはこれだろう?』
 アズライトがさっきより大きくなって何か咥えて持ってきた。

「エルイェタコだな」

 ・・・それは海のギャングです!

 そっか。タコはウツボだったかー。デッカいね!
 凶暴そうだし漁師さんは獲りたくないかもね。

「アズライト、ありがとう。思ってたのとは違うけどこれも美味しいよ」

『む!違ったか』
「名前間違って覚えてたみたい」
『ふむ、それは仕方ないの』

 一緒に戻ってきたアランがマジックバッグからエビや海藻を出してくれる。

 ルルゥやサーキスさまが処理してくれるからお任せ。

「リーシャ、夜に出てくるかもしれない。まだ諦めるな」

 いや!もういっぱい獲れたから大丈夫!
 タコはいないんだよ!きっと!!!











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