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二章

121話 カニが出たぞ

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『ふむ。とりあえず終わったようだの』

 アズライトがパバプを追加しながらナマズっぽいの食べてる。

 うーん?タコっぽいのはいないのかな。

 クランゴ入れてたこ焼きならぬイカ焼きで我慢するしかないかも。

 変わり種で色々出てたし、アリかな?

「リーシャさま!これ美味しいやつですか?」

 アランとジェイクが持って来た獲物は、サメ?
 ジョーズの映画に出て来そうなイかれたサイズなんだけど!

「すぐ内臓と尻尾切り分けて」

 アンモニア臭が移っちゃうとか言ってた!!

「あらこれも子持ち?」

 アランとジェイクに混じってルルゥも解体してたらまた卵見つけてる。

 このおっきめなキャビアってウマい?

「んー?とりあえず塩漬けしてみよう?」
「これも食べられるの!?」

 魔物食べるのにわりと保守的だね!?
 卵は黒いと思ってたら紫だった。食欲削いでくるね!

 サメの肉ってどう食べるのが正解?
 どこかの国だとすごく臭いのが美味しい扱いだったような?
 鮒寿司的な珍味。

 冒険出来ないなぁ。

 匂い消して唐揚げで良いかな?

「リポカとハーブ類で匂い消して唐揚げにしてくれる?」

 サメのヒレはとりあえず処理して干したい。コラーゲンだからお義母さまのお土産にしちゃおう。

 アモンさんたちも戻って来て獲物を出してくれた。
 おっきいクランゴ!!三匹!
 やっぱりクランゴかぁ。まぁ持って帰ればしばらくイカが食べれれるし良いかな~。

「解体して収納ねぇ。大旦那さまにお土産よ~」

 ルルゥがサクサクっと普通の牛一頭くらいにサイズに切り分けたので私がアイテムボックスに仕舞う。
 マジックバックでも良いけどアイテムボックスが容量もあるし鮮度も持つから。

「リーシャさま、カニ~獲ったぞー!」

 チェイスさんがさっきのカニより大きいのを持って来た。

 島に着いてまだ数時間なのに大漁。
 こんな魔境に新婚旅行ってどうなの!?

「これもどうだぁ?」

 出して来たのは大きな鮑!

「ビックロングレッグにくっついて来た」

 1mくらいの鮑が数個ついてるカニって!
 まだ剥ぎ取ってないのがいる。カモネギ!!

「これは焼いたのも干したのも美味しい」

「当たりか!やったぜ」

 とりあえず生でスライスしてバパブとフリュアで食べてみる。

「贅沢♡」

 私が嬉しそうに食べてるのをみて、鮑に見た目に引いてた女性陣も食べる。

「美味しい~」
『バパブが合うな~♫』

 アズライトは鮑の倍バパブ載せてるから鮑関係ないと思う。

「あらぁ!これは色々作れそうねぇ」

 ルルゥが閃いたみたい。
 姿煮とか酒蒸しとかしちゃうかな?

「リーシャ、これは欲しがっていたタコか?」

 ジュリアスさまとサーキスさまが今日一番一番デカいイカ持って来た。

 イェンゲは甲イカっぽいのだったけどこれは大王イカみたいなの!

 素直にタコ出てこいやぁあああ!!!

「クランゴの近似種みたいです」
「そうか」

 ちょっと落ち込んじゃった!!

「ジュリアスさま、これも美味しいです!」

 スルメの天ぷら食べたくなった。
 いかの燻製もいいね♪

「とりあえず粗方ヤッて来ましたんで。次を待ちましょう」

 いや!もう十分獲れ高あったよ!?
 サーキスさまが準備運動しただけみたいな感じ。

「ピンラーヴィの唐揚げとポウェンのお刺身たべましょう!!」

 サメは〈ピンラーヴィ〉鮑は〈ポウェン〉とか言うらしいけどもう覚えるの面倒。

「残りは夜にもっと手の込んだ物をルルゥに作ってもらいましょうね」

 なんかまた海から音がしたらどうしようとか思っちゃう。

 大物三体っておっちゃん言ってたのに嘘つきじゃん!

「おー、じゃ夕飯までまた貝揶揄ってくるか~」

 クラウスさまとチェイスさんたちは島の中では護衛の仕事する必要がないからと完全に狩りモード。
 狩り?釣り?

「リーシャ、風呂入ろうか?」

 ジュリアスさまがお風呂を提案してくれたので私はお屋敷の中に移動。

 ニーナが付いてこようとしてくれたけど、みんなお休みだからニーナも休んでってことで。

 お風呂は島の中なのに結構豪華。
 休暇を過ごす場所だからリラックスできるようにしたのかな?

 ちっとも休まる気がしない島だけどね!

 2人で湯船にゆったり。

「リーシャの欲しい魚が出てこないようだな」
「結構すごいのが獲れたから大丈夫ですよ」
「そうか」

 そんなこと気にしなくてもこの旅行の時間を作ってくれただけで最高なんだよ!

 ちょっとやばい島だけど!

「ただお義母さまに貝とか美味しい海藻が採れなさそうだから危なくない海があればいいのに・・・」

「ん?なら向こうに戻ったら少し浜を歩こう。弱いのはいるがまぁ大丈夫だろう」

 は?向こうなら貝獲れるの?

「リーシャが大物が希望と聞いていたから向こうは買い出しだけにしたんだが」

 ルルゥだね!勝手に大物って決めつけてた!!!

「タコが欲しいと思っただけでここに出るような大きさは想定してなかったんです」

「そうなのか?エルイェタコは10mが普通だぞ」

 んん?
 もしかして違う種類かも!?

 タコで通じるわけないもんね!?

「んークランゴに似たのを想像してたけど違うみたい?」

「そうなのか?だが向こうで見たタコとは溶けるタイプのだろう?」

 うーん?

「種類がわかんないから無理ならクランゴで作ってみます」

 ないなら代用で。仕方なし。

「ふむ?リーシャの言う食べ物が食べられないのは残念だな」

 まだまだ探したいものはあるから落ち込んでても仕方ないよね。

「夜には出てくるものが変わるらしいから何か良いものが来るかもしれない。楽しみにしてくれ」

 ちょっと待って!まだいっぱい出てくるの!?

 もしかしたら魔の森もこんな感じで狩り放題なのかな。
 めっちゃやばいじゃん!

 お互いに頭を洗いあって、乾かしてもらって。
 私は簡易なエプロンワンピースを着た。
 ジュリアスさまはラフなチュニックと以前作ったカーゴパンツもどき。

「これは楽で気に入ってる」

 騎士さまのぴっちりめの皮パンツは魔獣の皮で丈夫で伸縮性があるらしいけど、楽ではなさそう。

「防御力はゼロですよ☆」
「この海に出るものくらいなら平気だ」

 25mとか既に尋常じゃないと思うのに平気なんだ!

「この島の森にも採取出来るものがあるから明日は森に行こう」
「はい!」
 木の実やキノコあると良いな。

 私たちがお風呂から上がったらまだ庭でバーベキュー状態。
 サーキスさまもかなり食べてるの。イメージでは下品な物は食べない感じだけど、普通になんでもかぶりついてる。

 私はもうお腹いっぱいなのでルルゥが捌いたやつを少しもらって簡易で作った燻製機にいれる。

 クランゴはイカくんにして食べるんだ!



 みんなはまだまだ食べていっぽいから私はジュリアスとお昼寝。
「ジュリアスさま!一緒にお昼寝しましょ」

 ジュリアスさまは一番気が張ってるんだからいっぱい休んでね!

 夕飯の時間までジュリアスさまのお腹で寝るのだ!



 

 



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