ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

120話

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 衣装や髪は《洗浄》で綺麗にして。
 別荘なお屋敷に入ってニーナに抱きついた。癒しが欲しい。

「リーシャさま、お部屋もお風呂も整えてありますよ」

 ありがとう~。あの脳筋たちひどいんだよ。って気持ちでニーナに甘える。

「リーシャちゃん、さっきのやつ。ジュリアスさまが焼いちゃったからすぐ食べましょう☆」

 こんがりしてたもんね。

 獲物が大きいので外で焼き台を用意してルルゥが適度なサイズに切り分ける。
 すでに焼けてるからタレつけて二度焼きかな。

「ルルゥ、フリュアと蒸留酒とお砂糖~。蜂蜜とマヨネーズとボルボ~」

 イカ焼きのタレのレシピを思い浮かべたけどうろ覚え。みりんないし。

「こっちのも焼いちゃう?」

 ナマズっぽいやつも蒲焼で良いよね。

 デカいカニも私に腕くらいにサイズに切り分けられて。ってデカいよ!!!

 カニのためにカニ味噌を溶いたのとポン酢も用意。

 ツーンとするけど少し足すくらいで良いし、リポカも混ぜるから大丈夫。

 ついでにちょっとタイミングがズレたけどピクルスもちょっと細切れにしてマヨネーズと和える。簡単タルタル。

「良い匂いねぇ」

 イカをタレに付けて焼いてると懐かしい夏祭りの気分。

 ナマズも刺身の短冊みたいに切り分けられてるんだけどもう少し薄い方が良いかな~。

 いつに間にやら姿を消していたチェイスさんが戻って来て、ドーンとイェンゲと大きなホタテみたいな貝とかアンモナイトみたいな貝を出した。
 アモンさんたち連れて岩場に行って来たみたい。

「いや~この貝!おもしれぇっすわ!!ちょっと海覗いたらフタをパカパカーってさせながら飛んできたっす!!」

 1mありそうなホタテが乱舞する海とか・・・。

「イェンゲは岩の下にいっぱい居て獲りやすかったです」

 そんな50cm~1mの極彩色のムシが山ほどいる岩場嫌だ。

「取り放題なんて最高ねぇ」

 ルルゥがイェンゲを両手でバリィっと割りながら、焼くのと蒸すのに分けてる。

「あらこれ子持ちだわ。リーシャちゃん卵って食べるの?」

 普通にしゃこが子持ちのような状態でみっしり。
 ・・・親戚のお姉さんが「この粒々がいいのよぉ~美味しいわぁ」ってもりもり食べてたから美味しいんじゃないかな?
 イクラくらいのサイズだけど。
 醤油漬けにするべきかしら?

「そのまま一緒に茹でても良いし卵だけフリュアで漬けても良いよ」

 サーキスさまも獲物を解体するような感じで切り分けてくれてるんだけど、貝柱捨てるって何!?
 びっくりして確保。ひももポイしようと!!

「あらそんなところも食べるの?」

 貝柱は刺身でも焼いても良いし、干していい出汁取れるし、ひもだって!!

 勿体無い!!

 とりあえずワサビ醤油とバター焼きで。

「ルルゥ、貝焼く時お酒少し垂らして」

 今回の旅行について来た全員で焼き立てを食べよう!

「さぁ焼き上がったのと蒸し上がったのを冷める前に食べましょう!」

 調理しながら食べないと!!

「クランゴ、昨日食べたのより弾力があって美味しいいな」

 今日のは多分〈極〉くらいの上位種なんでしょ。比べたらダメだと思う。

「このタレうま~い」
「ポン酢もイケる」

 おっきなカニ足を頬張りながらクラウスさまが次に食べるためにソースを物色。

 焼けていなかったイカもイカそうめん風に出してみたら、みんな生食に躊躇ったものの焼いたのが美味しかったからか挑戦してすぐさまおかわり。
 
 アズライトもバパブを山盛りにしてイカ焼きやホタテのひもを食べてる。

『ウマい!やはり其方に着いてきて正解だった!』

 現金なトカゲ・・・。

 ナマズもサッパリした身でわさび醤油もポン酢もどきも合ってて美味しい。
 タレ焼きもうなぎの蒲焼っぽくなって美味しい。

「はぁ~やっぱり魚も良いですね」

 アランが超嬉しそうだったから朝市で買ってきた赤身の刺身も出してあげた。

 照り焼きとかも良いかも?

 私が調理に夢中になってたからジュリアスさまもモリモリみんなと盛り上がって食べてる。

 イェンゲがエビと言う扱いで納得するしかないのかな?

 イェンゲの卵は下処理と味付けを済ましてから寝かせる。
 イクラみたいな薄皮とかなさげなので手順は手抜き。
 すぐに食べれないのは仕方ない。

「このピクルスっていうのうめぇ!」

 あ。タルタルのそばに樽置きっぱだったの食べられた!

「あげないって言ったのに!」

「すんません~」

 もう!!

 ニーナたち女性陣は静かに食べてるのにオッサンども!

 食事に盛り上がってると海の方がザパーーーーン!ビチーン!ってなんか暴れてるっぽい音がし始めた。

『餌を求めて出て来たのは良いが内陸まで入ってこられずいきりたっておるな』

 アズライトが愉快だと言わんばかり。

 ナチュラルに〈餌〉って言うのね!

「ルーク、行くぞ」

 ジュリアスさまがスイッチ入ったみたいで闘気を漲らせて走っていく。
 クラウスさまとチェイスさんも続く。
 そのあとアランたち他の騎士さんたちも動く。

「任せちゃって大丈夫ね☆」

 ルルゥは食材の調理を続ける。

 海の方から戦闘の波動っぽいのや魔獣の叫び、騎士さんずの掛け声が響いてる。

「見に行きたいの?」
「ううん。良い。ルルゥ、その貝柱は半分干したい」
「干すの?」

 サイズも指定して一口サイズにしてもらう。

「スープに入れたら味が良くなるし、そのまま食べたらお酒のおつまみなの」

「へぇ!」

 相変わらず新しい食材には目がキラキラになる。

「ルルゥ、昨日買ったお魚も調理したい」

 ちゃんちゃん焼きとか、カツオのたたき、炙りマグロみたいなの。
 
「じゃ切り分けましょう」

 ニーナたちも手伝ってくれて魚を炙ったり、バパブを擦ったりして、みんなが戻ってくるのを待つ。

 さっきのカニとかをやっつけた腕を考えるともう戻って来ても良さそう。

「ギャババーーーーー!」

 んん?

 海の方から微妙な叫び声が届く。

 そちらを見てみたら微かにイカ足みたいなウネってる足が見えた。
 こっから見えるってかなりデカくない?

 またクランゴかな。








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