ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

116話 クラウスさまが来ちゃった☆

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 そんなこんなで海のあるカマランに到着して。
 休憩に立ち寄った食堂でサーキスさまとセバスチャンとなぜかクラウスさまが待ってました☆

「だってさ、ルークとルルゥと兄上の共闘が見られるってなったらやっぱり見たいからね~。父上も勉強になるから良いって言ってくれたから~」

 だそうです。

「リーシャちゃん久しぶり~♫母上が大好きなケーキを一つ減らすほど寂しがってるよ」

 ・・・5個くらいのうちの1個は減ったと言うんだろうか?

「そんなにか!?」

 基準が全く分からないけど、お義母さまの愛情は嬉しいよね。うん。

「父上もリーシャちゃんが帰ってくるまでに畑を豊穣にするとか言って張り切ってたよ~」

 あ、ポムの種の畑はどうなるのか楽しみ!

「リーシャさま、あの申し訳ないのですが・・・」

 セバスチャンがかなり困り顔で小さめな籠を渡してきた。

「何かしら?」

 籠を覗いた瞬間ビターーーンとホコホコした物体が顔に飛んできた。
「ひぎゃ!!」
「リーシャ!?」

 サーキスさまがすぐさま取ってくれたそれはパステルピンクのアイツ!
「ポム!!!」

「キュ!!!ギュキュルキュ!!!!!」

 なぜかめっちゃ抗議を受けてるようだ。

 籠の中にはあの卵を抱えたティムもいたよ。

「どうしても着いてくると勝手に荷物に入り込んでたようで・・・」

「ポム、お留守番出来なかったの?」
「ッキュ!プキュキキュキーーーィーン!!!」

 短い手足でテシテシと地団駄。可愛いけど言うこと聞いてくれないと。
『なんじゃ、喧しいの』
「プキュ?」
「モキュッ?」

 ティムも籠から顔を出してアズライトを見ると二匹ともガーーーンを通り越して蒼白って感じになった。

『ほう、こんな小さいのに加護持ちか。主はやはり面白いの。チビども主の意に逆らうは愚かモノの所業ぞ。分を弁えよ』

 アズライトが初めて神々しい。

「何?このトカゲちゃん。兄上達また拾ったの?」
『この小僧め!!!』

 ちっさいままのアズライトが飛び蹴りのポーズで飛んだけどクラウスさまはサクッと避けた。

「気の荒いトカゲだなぁ~」
「アズライト、喧嘩しないで」
『失敬な小僧め、次はないぞ!』

 ポムもティムもアズライトも結構短気だなぁ。

「はぁ、何を拾っても良いですけど、古代龍とはまた・・」

 サーキスさまが深い溜息を吐いた。
「・・・アズライトのパバプを奪ってしまったのだ」
「は!?パバプってあのパバプですか?」
 味を知ってるようで少し不思議そうな顔。

「ああ、根っこがうまいのだ」
「・・・パバプは勝手に生えてるから奪うも何もないでしょう?」
『我の縄張りで我のオヤツを奪った!人の道理なぞ知らぬわ』

 そりゃね、私有地や畑とか人が管理しているのは当然ダメで、領地のものでも森や空き地の自生の物はこの世界では自由にして良いのだけど、人以外の認識が違っても仕方ないよね・・・。

「・・・そうですか」

 流石にサーキスさまも古代龍相手に小言は続けられないみたい。

「リーシャさま、次からは拾い物が無いようにしてください」

 えー。ポムは男性陣が餌付けしたんじゃん!ティムは勝手にいたし!私悪くなくない!?

「ルーク、魔獣や精霊は気まぐれだ。こっちの都合など考えないぞ」

 ジュリアスさまがなんとなく庇ってくれてるみたい。

 食堂で軽く軽食。大麦を薄く焼いた物に焼き魚を解して巻いた物。結構美味しい。

 食事を済ましてから、カマランの領主さまに挨拶に向かった。

 海のすぐ近くまで来ているようでほんのり潮風だ。

 お屋敷に着いてすぐに騎士さんたちが迎え入れてくれる。

「ようこそ」

 ジュリアスさまと同じ年くらいのお兄さんとお姉さんが歓迎してくれた。

 日焼けしてハワイの男って雰囲気のアルジェ・カマラン侯爵とマレーシア風の彫りの深い美女のヴィアナ夫人。
 どっちも色っぽい系だ。

「久しぶりだな!今回も世話になる」

「ああ、互いに領地からなかなか出られんからな!!」

 ガシっと握手しているマッチョたち。

「男は暑苦しくていけないわね」
 ヴィアナさまが私にウィンクしてハグ。
「あの、はじめまして。この度は私たちに別荘を貸してくださってありがとうございます」
「あらぁ!良いのよ!逆にありがたいくらいだわ」

 ん!?

「それより男どもは時間が掛かるだろうから私とお茶を致しましょう」

 ヴィアナさまはそう言って私をテラスに案内してくれた。

 目の前は見事なオーシャンビューです!

 真っ青な空と海。気持ち遠くに島。
 ・・・と浮いてる島?
 ファンタジー!?

「うふふ。良い景色でしょう?これが気に入ってここに屋敷を建ててもらったのよ♫おかげで義両親とは円満な別居よ」

 こんな立派なお屋敷をすぐ建てちゃうんだね!グレーデンでもわりとなんでも作っちゃうからそう言う物なのかな。

「別荘はあっちのあの島よ。リーシャさまはタコが欲しいとか。変わってるのね」
「タコって食べないのですか?」
「食べるの!?デッカくて大味じゃないかしら」

 ええ~やっぱりデカいんだ。

「小さいのはいないのですか?」

「タコは子供でも1mくらいあるわよ」

 子供で1mって成体はどんだけ・・・。

「なんか想像してたのと名前が違うのかしら?」
「あら、そうね。海が近くにないなら馴染みのないモノばかりよね。朝に海岸沿いに漁師が採ってきた物が並ぶから明日アルジェに案内させるわ」

 メイドさんがお茶を運んできてくれて、
「こちらお客様から頂いたお菓子だそうです」
 ってルルゥ作のクッキーが出てきた。
「あら、可愛らしいクッキーね」

 早速食べてくれたヴィアナさまが固まった。
「リーシャさま!レイドラアース国ではこのお菓子が普通に売っていますの!?」
「え、それはうちのコックさんが・・・」
「まぁ!では買えない物なのね!?」
 途端にショボンとされてしまった。

「ヴィアナ夫人、そんなに気に入って頂けたなら定期的にお送りしますよ」
 男同士の挨拶を終えたらしくアルジェさまとジュリアスさまがテラスにやってきた。

「ヴィアナ、ジュリアスが定期的に魚を仕入れたいそうで今後グレーデンと定期便を結ぶことになったんだ」
「まぁ!!」
「あと必要であればこちらのコックをウチに修行にきてもらったら良い」
「まぁぁ!良いのかしら」

 どうやら短い時間で今後の仕入れルートを確保していたみたい。

「まだ何が欲しいかわかってないのに?」
ってルルゥに来たら、
「絶対に何か出てくるでしょ☆」
と言われてしまった。

「タコ・・・思ってたのと違うみたい」
「そうなの?でもいろんな種が出てくるから何かはきっと美味しいわよ♫」

「明日の朝、お魚のお店に案内してくれるんだって」
「楽しみねぇ☆」

 ジュリアスさまたちが狩るって言ってたやつは絶対お店に並んでないと思う。

 お店に並んでるようなので美味しいエビやカニが見つかると良いなぁ。










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