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二章
115話 国境を越えたよ。海まで後少し。
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ついに国境門に到着。
そこそこ行列が出来てたんだけど、少し前の休憩でみんな騎士服に着替えて馬車にも紋章をつけてたので貴族パス。
ウチの馬たちや馬車が一緒に並んでたら逆に気を遣わわせるからサクッと通してもらった方がいいらしい。
馬でかいもんね・・・。
一応身分証明と行き先の領地の主の許可証も見せるけどあからさまに豪華な馬車だから疑いようも無いってわりと簡単に。
それで良いのか?馬車の中に不審物持ってたりは疑われないのかしら?
窓の外を眺めて首を傾げていたら、
「魔法石で犯罪歴がないか、危険思考を持っていないかチェック出来ているんだ」
ってジュリアスさまが教えてくれた。
空港のX線チェックみたいなヤツか?魔法がある世界ってやっぱり良いね!
そんなわけでキャルベルン国に来たっ!海のあるカマランまであと少し!
この門がある近くには簡素な宿があるだけなのでそのまま先に進む。
「初めて国外に出ました♪」
「そうか、次は北の方に行くのも良いな。ホーン辺境領の向こうのグリンリバー国は森がたくさんで食糧も豊かだぞ」
「ホーン領の冬は寒いって言ってましたがグリンリバーは寒く無いんですか?」
「ホーンは山岳地帯で山を越えるとこちらとはまた環境がガラッと変わっている」
ひえー。寒いの嫌いだけど、山を越えたら食材がいっぱいなんだ!
・・・いや、今は海に全集中しよう。
「ジュリアスさまがご隠居さまになったらずっと旅するのも楽しそうですねぇ」
「隠居前だって行けるさ」
話しているうちに休憩を取る街に着いた。
「こちらの食堂で軽食を取りましょう」
ちょっとだけお金持ち向けの食堂でらしくて身なりの良い商人さんっぽい人たちが食事をしてる。
私たちは奥に案内されて、三つくらいに分かれて座ると、ルルゥとチェイスさんが適当に注文してくれた。
干したお魚を焼いたヤツと野菜炒め。
まだ気持ち海は遠いみたい。
「魚・・・久しぶりだな」
「俺は肉がいい」
騎士さんたちがワイワイ食べてる。
「干物は焼くだけでも美味しいから良いわねぇ」
そう言えばなぜグレーデンで魚の干物が出てこないのかと思ったら、わざわざ仕入れるほど好きじゃ無いのと多少匂いがキツいのと。あと傷みやすいから普通の商人さんは進んで持ってこないんだって。
なぜ干物が傷みやすいのか?と思ってたら多分一夜干しで、保存方法が葉っぱで巻くってヤツだからだ!
マジックバッグとかは高級品で大容量持ってる商人さんはもっとお金になる物を売るから。
グレーデンはお肉が手に入れやすいし、魔素が少ない食べ物を好んで食べたりしないか。
あと干物とパンはなんとなく嫌かなぁ。米ください。
「じゃぁ行こうか」
みんな普通の人の一食分でご飯が終了。騎士さんたちはお肉が大好きすぎる。
ちょっとだけ商店を覗くことになったのでジュリアスさまに抱っこされて眺めてた。
干物屋さんは天井から吊るすのが定番のよう。網皿にも置いてあるけど、大きいのは吊るす。顔が怖い!
「少し買っていくか?」
「海で買いたいです」
「そうか」
自分で干したほうが楽しそう。
ぐるっと見て回って、気になった物が特に無かった。私ってば食べ物以外にはレーダーが働かないみたいで。
ジュリアスさまが宝石店で可愛いイルカ?の置物を見つけて買ったり、ルルゥが海の国っぽい生地を買ったり。
ニーナたちが普段着用にお花の大きい柄のワンピースを買ったりしてるのを見てた。
酒屋さんが気になったけど、ジュリアスさまが華麗にスルー。
飲めなくてもどんなお酒があるか知りたいじゃん!
アモンさんや他の騎士さんたちがこっそり買いに行ってるの見えた!!
また馬車に戻って移動。途中に休憩した場所で移動中に出会した獲物を食事に。
少ししか食べてなかったもんねぇ。
ルルゥがサクサクっとお肉と野菜を焼いて、私が作ってみた雑穀シリアルバーをお湯で溶かしてスープに。
「これ、ほんと便利っすわ」
「野営の食事も美味しいのに楽ができてな」
「ホットプレートマジで助かる」
騎士さんたちが盛り上がった。
喜んでもらえて何より。
領地のために頑張ってくれてるからね。
「良かったな」
ジュリアスさまが目を細めつつ私の頭を撫でてくれる。
「ちょっとあんた達、口より手を動かしなさいよ」
ルルゥは外では全部を自分でやらない。食事の用意も騎士さん達の訓練の一環だから、美味しい物食べたきゃ学べってことみたい。
私はまださっきの食事でお腹空いてないからスープだけ少し飲んでジュリアスさまのお膝でうたた寝。
片付けが始まったのでジュリアスさまと少し歩く。
一緒に馬車に乗ってるからかなり運動不足なんじゃ?
私を抱っこして歩くのは負荷になってたり?
「あと少しでカマランに着く。リーシャの欲しい魚が狩れると良いな」
狩るって言った!!やっぱり買うんじゃなかったよ。
「領主に頼んで島の別荘を借りているんだ。釣りも出来るぞ」
島!!!
バリ島でハネムーンっぽく聞こえるけど多分違うね!
でもジュリアスさまが楽しそうだから良いかな。
「タコが欲しいんだったか?」
「色々って言ってたわよ」
「ウッヒョ~腕がなるぜぇ!」
あれ?やっぱ何かやばそう?
チェイスさん達が腕をグルグル回してやる気に漲っちゃってる。
それを見てジュリアスさまも「うむ」とか言って嬉しそうにしてるんだよ。
タコ・・・もしかしてめっちゃデカいんだろうか?
そこそこ行列が出来てたんだけど、少し前の休憩でみんな騎士服に着替えて馬車にも紋章をつけてたので貴族パス。
ウチの馬たちや馬車が一緒に並んでたら逆に気を遣わわせるからサクッと通してもらった方がいいらしい。
馬でかいもんね・・・。
一応身分証明と行き先の領地の主の許可証も見せるけどあからさまに豪華な馬車だから疑いようも無いってわりと簡単に。
それで良いのか?馬車の中に不審物持ってたりは疑われないのかしら?
窓の外を眺めて首を傾げていたら、
「魔法石で犯罪歴がないか、危険思考を持っていないかチェック出来ているんだ」
ってジュリアスさまが教えてくれた。
空港のX線チェックみたいなヤツか?魔法がある世界ってやっぱり良いね!
そんなわけでキャルベルン国に来たっ!海のあるカマランまであと少し!
この門がある近くには簡素な宿があるだけなのでそのまま先に進む。
「初めて国外に出ました♪」
「そうか、次は北の方に行くのも良いな。ホーン辺境領の向こうのグリンリバー国は森がたくさんで食糧も豊かだぞ」
「ホーン領の冬は寒いって言ってましたがグリンリバーは寒く無いんですか?」
「ホーンは山岳地帯で山を越えるとこちらとはまた環境がガラッと変わっている」
ひえー。寒いの嫌いだけど、山を越えたら食材がいっぱいなんだ!
・・・いや、今は海に全集中しよう。
「ジュリアスさまがご隠居さまになったらずっと旅するのも楽しそうですねぇ」
「隠居前だって行けるさ」
話しているうちに休憩を取る街に着いた。
「こちらの食堂で軽食を取りましょう」
ちょっとだけお金持ち向けの食堂でらしくて身なりの良い商人さんっぽい人たちが食事をしてる。
私たちは奥に案内されて、三つくらいに分かれて座ると、ルルゥとチェイスさんが適当に注文してくれた。
干したお魚を焼いたヤツと野菜炒め。
まだ気持ち海は遠いみたい。
「魚・・・久しぶりだな」
「俺は肉がいい」
騎士さんたちがワイワイ食べてる。
「干物は焼くだけでも美味しいから良いわねぇ」
そう言えばなぜグレーデンで魚の干物が出てこないのかと思ったら、わざわざ仕入れるほど好きじゃ無いのと多少匂いがキツいのと。あと傷みやすいから普通の商人さんは進んで持ってこないんだって。
なぜ干物が傷みやすいのか?と思ってたら多分一夜干しで、保存方法が葉っぱで巻くってヤツだからだ!
マジックバッグとかは高級品で大容量持ってる商人さんはもっとお金になる物を売るから。
グレーデンはお肉が手に入れやすいし、魔素が少ない食べ物を好んで食べたりしないか。
あと干物とパンはなんとなく嫌かなぁ。米ください。
「じゃぁ行こうか」
みんな普通の人の一食分でご飯が終了。騎士さんたちはお肉が大好きすぎる。
ちょっとだけ商店を覗くことになったのでジュリアスさまに抱っこされて眺めてた。
干物屋さんは天井から吊るすのが定番のよう。網皿にも置いてあるけど、大きいのは吊るす。顔が怖い!
「少し買っていくか?」
「海で買いたいです」
「そうか」
自分で干したほうが楽しそう。
ぐるっと見て回って、気になった物が特に無かった。私ってば食べ物以外にはレーダーが働かないみたいで。
ジュリアスさまが宝石店で可愛いイルカ?の置物を見つけて買ったり、ルルゥが海の国っぽい生地を買ったり。
ニーナたちが普段着用にお花の大きい柄のワンピースを買ったりしてるのを見てた。
酒屋さんが気になったけど、ジュリアスさまが華麗にスルー。
飲めなくてもどんなお酒があるか知りたいじゃん!
アモンさんや他の騎士さんたちがこっそり買いに行ってるの見えた!!
また馬車に戻って移動。途中に休憩した場所で移動中に出会した獲物を食事に。
少ししか食べてなかったもんねぇ。
ルルゥがサクサクっとお肉と野菜を焼いて、私が作ってみた雑穀シリアルバーをお湯で溶かしてスープに。
「これ、ほんと便利っすわ」
「野営の食事も美味しいのに楽ができてな」
「ホットプレートマジで助かる」
騎士さんたちが盛り上がった。
喜んでもらえて何より。
領地のために頑張ってくれてるからね。
「良かったな」
ジュリアスさまが目を細めつつ私の頭を撫でてくれる。
「ちょっとあんた達、口より手を動かしなさいよ」
ルルゥは外では全部を自分でやらない。食事の用意も騎士さん達の訓練の一環だから、美味しい物食べたきゃ学べってことみたい。
私はまださっきの食事でお腹空いてないからスープだけ少し飲んでジュリアスさまのお膝でうたた寝。
片付けが始まったのでジュリアスさまと少し歩く。
一緒に馬車に乗ってるからかなり運動不足なんじゃ?
私を抱っこして歩くのは負荷になってたり?
「あと少しでカマランに着く。リーシャの欲しい魚が狩れると良いな」
狩るって言った!!やっぱり買うんじゃなかったよ。
「領主に頼んで島の別荘を借りているんだ。釣りも出来るぞ」
島!!!
バリ島でハネムーンっぽく聞こえるけど多分違うね!
でもジュリアスさまが楽しそうだから良いかな。
「タコが欲しいんだったか?」
「色々って言ってたわよ」
「ウッヒョ~腕がなるぜぇ!」
あれ?やっぱ何かやばそう?
チェイスさん達が腕をグルグル回してやる気に漲っちゃってる。
それを見てジュリアスさまも「うむ」とか言って嬉しそうにしてるんだよ。
タコ・・・もしかしてめっちゃデカいんだろうか?
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