ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

113話 青いのは想定していなかったよ。

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 数回休憩を挟んで一泊したのは国境の少し手前のランバンという街らしい。

 出国する前に泊まれる大きな街はここだそうで国境周りには寝れるだけな宿が数軒なので基本的にはここで一泊して行くんだそう。

「ふー、やっとお風呂に入れるわぁ」

 宿に着いて馬車を降りると、ルルゥが肩を回しながら近付いてくる。

 宿の受付をチェイスさんがして騎士さんたちが馬車と馬を預けて来てくれて、それぞれ一旦お部屋に向かう。

 私はジュリアスさまとお部屋に入ると旅装を解いてホッと一息。
 ニーナが手伝ってくれてすぐ下がってくれる。

「少し強行軍だったが大丈夫か?」

 私は馬車に、ジュリアスさまの膝に乗ってただけだし☆

「全然。快適です」
 ニーナたちがちょっと心配だったけどわりと楽しそうにしてたから安心したの。

「あー、リーシャのおかげで馬車移動がかなり楽になったからな」

 うへへ。褒められちゃった。頭をがポンポンしてもらって幸せ。

『おい!我は夫婦の部屋にいるのは嫌だ!別の部屋に行かせてくれ!!』

 一緒にお部屋について来てたアズライトが新婚さんの甘い時間に水を差したよ!

「ふ、この後は街の商店を覗くから帰ったらチェイスかアランに任せよう」
『そうか』
「アズライトもお買い物ついて来るの?」
『そうさの、美味しい果物が欲しいから行くぞ』

 今回はルルゥとチェイスだけ連れてお買い物。
 他のみんなは自由時間でお風呂入ったり、食事に行ったり買い物に出たりなんだって。

 私もジュリアスさまも少し身綺麗な町人風にしてもらったんだけど、ジュリアスさまが全然町人に見えない☆ルルゥもかなりラフなんだけど綺麗な姿勢と美貌が溢れ出る貴族臭を隠せないよね。
 私とチェイスさんはそれなりだと思うんだけど、連れが目立つから仕方ない。

 この街は国境近くだけあってわりと変わった物が売ってるらしい。バザールってほどでもないけど、いろんな服装の人が居て面白い。

 ちなみにアズライトは私が肩に掛けてるストールに隠れてる。

「あ、お豆屋さん」

 いろんな豆がおっきな麻袋みたいなのにいっぱい入れて口を開けて見えるようにして並べてある。
 もしかしたら小豆とかあるかも。

 じっくり見てみると赤、白、緑、青、紫、黒とサイズもまちまちなのがたくさん!!

 インドのダールカレーできちゃう!豆サラダも豆スープもなんでも良いけど豆三昧!!

 そして私は見つけたよう!!
 小豆!!!

 ちょっと色と形が違うから見た目的には違うけど!

 円形の水色ってもはや別物なんだけど、《鑑定》が〈小豆っぽい味と食感。おはぎやぜんざいに向いてる〉って教えてくれた。
 水色のおはぎはすでに別物だと思うし、赤飯が青飯になっちゃうけど、美味しいなら良いや。

「リーシャちゃん、このお豆が良いの?」

 そう言えば前に黒い豆が欲しいって言ったから青い豆は範囲外だったよね。申し訳ない。

「これがいっぱい・・・いつでも食べれるようにしたいの。あと他のお豆も色々食べてみたいな」

「嬢ちゃん!これ食べてみな!!」

 お店のおじさんが豆のごった煮みたいなのを小鉢に入れて渡してくれた。

 青とピンクの豆が入ってるのカオス。

 木の匙も持たせてくれたので食べてみる。
 塩味なんだけど、きのこかな?一緒に炊いたみたいでお出汁がちょっと効いてる。
 普通に美味しい。
 
 ジュリアスさまにもアーンしちゃう。

「美味しいです♪」
「!!」
『我にも!!』
 
 仕方ないのでアズライトにもアーン。おじさんがアズライトにびっくりしちゃった。

「私にもちょうだい」

 ってルルゥが小鉢に手を出して来たので渡すと匂いを嗅いで一粒ずつ口に入れた。

「店主、このキノコは何?」

 ルルゥがずずいっと店主に迫った。料理人モード入っちゃった。

 結局、グレーデンでは手に入らない種類は定期的に仕入れることにして、苗やタネが手に入るものはグレーデンで育てることに。

 青いお豆は種が売ってるそうなので買ってもらうことに。

 もちろん店頭にある分は買い占めない程度に買ってもらった。

「リーシャ、この青いのは何を作る?」
「お菓子!料理にもなんでも使えるから嬉しいです」
「そうか」

 次は果物屋さん。
 見たことがある物がほとんどだったけど、隅っこに色合いの怪しいのあの海賊漫画に出てきるような実が売ってた。

 私も〇〇王になれるかな!!

「初めて見たわね、ちょっと店主、これは何と言うの?」
 
 出て来た店主さんは無精髭でエスニックっぽい服を着たお兄さんだった。

「これはギャモと言って甘酸っぱい味だ」
「一つ買うから切ってもらっても良いか?」

 ジュリアスさまが頼んでくれたのですぐ切り分けてお皿に出してくれた。
 
 うーん?グァバぽいようなドラゴンフルーツっぽいような・・・。まぁまとめると南国の味!!←大雑把。

「ジューシーね」
「ほう、初めての味だな」
『これは海向こうによくある実だの』

 アズライトが自分の口の倍くらいある一切れを必死に食べてる。

『体が小さいといっぱい食べれているような気分で良い!!腹は膨れんがな』

 膨れんのかーい!!

「これはいつでも買えるのか?」
「いや、滅多に入ってこない。見た目が好まれんからあまり売れんしなぁ」

 海向こうじゃ難しいね。

 お店に売ってた分を買わせてもらって他にもアズライトが欲しがった分を買ってもらった。

「ルルゥ、ギャモはステーキ肉につけて焼いて欲しい」
「あら?」
「多分、柔らかくなると思う。あと絞ってジュースにもしたい」
「そうなのね。じゃ次に調理する時試してみるわね」

 あとは数軒覗いて見て、お土産に良さそうな布や置き物を買ってもらった。

 宿でのご飯はやっぱ塩味だった。お野菜は豊富でお豆もいっぱい出たけど、お豆屋さんのきのこアレンジとかみたいな一工夫がないから素材の味って感じ。
 食べられるだけで幸せなんだけど、舌が肥えちゃってるからね。

 アズライトはルルゥからラー油貰って、
『くぅーーー!痺れるのぅ!!これはたまらんのぅ』
 ってジタバタ悶えてた。
 
 流石に出された料理の味変はマナー違反だからみんな大人しく頂いたよ。
 私は半分くらいジュリアスさまに食べて貰った。

 食後にアズライトは食べ物目当てでルルゥの部屋について行った。

 私たちはお部屋でお茶とアイテムボックスに入れてたドライフルーツ入りのパウンドケーキを食べた。
 
 ジュリアスさまには宿の食事量じゃ物足りなかったみたいなのでサンドイッチもだしたよ。

 寝る前には2人でお風呂に入って。

「こんなに仕事から離れているのは子供の時以来だ。少し落ち着かないな」

 お布団に入ってからジュリアスさまが苦笑しながら抱きしめてくれたので私もお返し。

「お義父さまもセリウスさまもクラウスさまもいるから心配いらないです。1人で頑張っちゃったらみんなお仕事無くなっちゃいますよ」
「そうだな」

 お義父さまは早めに隠居になったそうだし、ジュリアスさまも早めにしたら旅も出来るかな?
 
 ジュリアスさまは真面目で責任感が強いから、この旅の間くらい何もかも忘れて楽しんで欲しいなぁ。







 
 





 
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