ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

107話 お母様の繋がり。

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 今日もルルゥはコックさん。
 腕が鈍るわぁとか、旅行で息抜きできるからちゃんと働くのよぉとか、ワーカーホリックってやつかしら?

 私は食後にお義母さまに連れられておめかし。夜会では大人っぽくしてもらえたけど今日はツインテールでふわふわカール。
 薄紫のレースたっぷりドレスで儚げ美少女になったよ。お化粧もアイラインを少し垂れ目に描いて。

「うふふ♡完璧ね!今日も私の娘が可愛いわ☆」

 メイク道具にパールのお粉が無いから海で真珠貝でも探してみようかな。
 お義母さまのお胸がキラキラしたら私の目が幸せになるはず!
 雲母なんて何処にあるか知らんから貝の方が可能性があるよね!!
 

 お茶会は少し遅めのお昼って感じに設定してあったので軽食とお菓子が準備されてる。
 王都で手に入る食材で作るらしいので少ししょんぼり。

 まぁ王都のご夫人たちに魔物肉はダメかも?


 玄関ホールでお出迎えすると少し年配の方が目を潤ませて挨拶してくれた。

「初めまして。サリナ・ミーガンと申します。お会いできて嬉しいですわ」
「ようこそ、おいでくださいました。リーシャと申します」

 他にもお義母さまくらいの方や気持ち少し若そうなご夫人が挨拶してくれる。

 よく考えたら学園では一人で行動してたし、グレーデンではみんな年上でメイドさんたちくらいしか若い子と接触がないね!

 お客様たちをガーデンテラスに案内して着席してもらうと侍女さんたちがお茶を持って来てくれる。

 今日の集まりはお義母さまのお友達と聞いていたのだけど、ミーガンさまはマーベルハントのお祖父様の妹だそう。 
 他の人もお祖母様のご友人だったり、お母さまのご友人だそうでお義母さまとは夜会でお会いしたことがある程度のお付き合いだとのこと。私のためにセッティングしてくれたみたい。

 みなさん、私を早くに救出出来なかった事やお母さまを救えなかった事を悔やんでおられるそう。
 でもお母さまが助けを求めなかったのだから外部の人が何か出来たと思えないんだよね。
 私の存在もほぼ幻だったみたいだし。
 デビュタントもしてないのだから付き合いの絶えてる状態で家庭内のことに口出しできないんじゃ無いかな?
 
「お祖母様もお母さまも皆様のお気持ちを喜んでいることと存じます」

 どう答えるのが正解かわからないからつい当たり障りないように答えちゃう。

「リーシャさま、セラーナお義姉様と本当にそっくりね」

 ミーガンさまがハンカチで目を押さえながら言う。

「ふふ、またお義姉様に会えたような気分よ」

 塩対応っぽい感じがお祖母様に似てるのかな?

「お義姉様はそんな可愛い雰囲気じゃ無いけどね」

 そりゃそうよね。今日の私は西洋人形も真っ青な仕上がりだもの!!

 ご夫人たちにひとしきり私に対しての罪悪感を吐露されて困った。私自身は知らない人にそこまで思われるのは申し訳ないもん。

「さあ、お茶が冷めてしまったわ。淹れ直して貰いましょう」

 お義母さまがそう言うとすぐに淹れ直して温かい食べ物も運ばれて来た。

「ウチの自慢の料理よ。楽しんでくださいな」
 
 それからはちょっと華やかな雰囲気になった。

「まぁ、美味しいわ。これはなんて言うお料理かしら」
「このサラダのソースは何かしら?」

 ルルゥたちのおかげで野菜のエグ味や苦さは押さえられててちゃんと美味しくなってる。腕次第なのかぁ。すごいねぇ。

 お菓子も一通り食べてもらえて、コルセットが苦しいとか言う声も出始めた。
 お義母さまを見慣れてるとみんな少食だけど、確かにコース料理+ケーキ5個くらいな量は食べてたと思う。
 ウチにとっては軽食でも普通の人には多いよね☆
 
 美味しいのは罪だね。

「こんなに美味しいものを頂いてしまったらダイエットなどしてる場合では無いのですわ!!」
「そうね!でもここ以上の料理なんて出会えないからすぐダイエットが出来そうですわ」

 あちゃー、それはご愁傷様です?
 
 それからまた少しお話しして、みなさんにお土産を渡して解散。

「リーシャさま、今後は私達のことも頼ってくださいませね」

 そう言ってみなさんハグをして帰られた。


 お見送りが終わったあとに、

「リーシャちゃん、先に教えて無くてごめんなさいね。セラーナさまやナタリアさまが多くの人に慕われていたこと、あなたの事を思っている人がいることを知っておいて欲しかったの」
 
 ってお義母さまに言われた。

 ご夫人たちは私にプレゼントを用意してくれていたそうで、リビングに積み上がっていた。

 可愛いぬいぐるみや髪飾り、宝石箱とか。ミーガンさまからはドレスも頂いてた。

「亡くした友人の思い出と共に貴方への想いが迸っちゃってるのよねぇ」

 お手紙も添えられてたので旅行後にゆっくりお返事したら良いとのことでちょっとホッとした。

 ご夫人たちは今後私の後ろ盾にもなってくれるからご縁を大事になさいねって言われた。

 お母さまの遺してくれた繋がりってことかな。お母さまはなんで助けを求めなかったんだろうね。


 ジュリアスさまが戻ってきてそのあとお義父さまも帰宅したのでみんな着替えてから王宮に向かった。
 今度は赤色のドレスにお団子二つ。お飾りが見たことないやつ!

 ルルゥも呼ばれたってまたイケメン正装になってた。忙しいね!













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