ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
99 / 765
二章

96話 お茶会に参加です。

しおりを挟む
 朝食に席に着いたら、ルルゥがコックさんに戻ってた。
 新しいレシピを教えてたらしい。
 王都のコック長さんは少し年配でこれまた立派な体格のダリルさん。
 辺境の量がいる調理は流石にキツくなってきたところにルルゥが頭角を露わにしてきたから任せてこっちに来たんだって。

「いっぱい食べて大きくなれよ」

 ニコニコして頭を撫でてくれたよ。
 グレーデン家の使用人はみんな気さくで畏まってないのが良いんだけど、奥様じゃなくお子様認定には笑うよ。ちくせう!お子様体型は自分ではどうしようもないね。
 

 メニューは辺境で食べてるのと同じ感じ。美味しいものが出来るとちゃんとレシピをこっちにも流してたらしい。

 ただ素材は王都で手に入るものだからちょっと違うかな。

 王都では魔物肉は使われてないし、野菜は嫁入り道中で食べたのよりはマシだけどちょっとエグい。
 灰汁出しでどうにかならんのかしら?

 一応向こうから持ってきた食材もあるけど、基本は王都のお抱え商店で買わないとってやつかな。

 オレイユの家で食べてたものに比べたら天と地の開きがあるんだけど、グレーデン領が極楽すぎだよねぇ。

 今日はお義母さまのお付き合いのご婦人方がお茶をしに来るとかで私を紹介してくれる。
 お義父さまは王国騎士団にお呼ばれ?訓練に付き合うとのこと。
 ジュリアスさまは友人に会うとかでお出かけ。

 
 ちょっとアンニュイになってきた。

 急に心細い?

 知らない人にいっぱい合わなくちゃ何だなぁ。めんどい。

 でも辺境伯夫人なんだからちゃんとお付き合いもしなくちゃ。

「さぁ、今日の戦闘服を選びましょうねぇ♫」

 いきなりお義母さまに抱き上げられてお着替えタイムに突入。

 ニーナやメイドさんたちに囲まれてクローゼットに用意された衣装を次々当てられ。

「今日は初々しい感じで行きましょう」

 薄ピンクに赤と金で刺繍されたドレスにルビーを使ったお飾りで可愛い西洋人形が爆誕。
 我ながら可愛い。メグミだったらチンドン屋だよ!

「うふふ~娘がいる生活♡」

 お義母さまが幸せそうなので良かった。普通の適齢期なご令嬢だったらあまり世話焼きできなかったんじゃ?って思うと私は適材だったのかも?
 まぁどんなお嫁が来ても絶対可愛がって大切にしてくれてたって思うけどね。

 時間になってテラスに行くとすでにご夫人方が案内されてた。

「気が流行ってしまって早く来てしまったわ。ごめんあそばせねぇ」

 マールベリーさまだ。知ってる人がいて良かった~。

 お義母さまが皆さんとご挨拶して私を紹介してくれる。

「こちらがジュリアスの妻でグレーデン辺境伯夫人になりましたリーシャです。みなさま、よろしくお願いしますわ」

 私はカーテシーをして挨拶をする。

「リーシャ・グレーデンです。よろしくお願いします」

 お義母さまと同年代の方がほとんどで超緊張しちゃう。

「あらぁ可愛らしい方ねぇ」
「まぁなんて愛らしいの」

 概ね温かい反応でホッとする。

「こちらがあの魔道具の?」
「あのケーキをお作りになった?」

 めっちゃグイグイ迫られ出した。

「おほほ、うちからお贈りした新しいお菓子はほとんどリーシャが考えましたの♡」

「まぁぁ!!!」

 ご夫人方がめっちゃテンション高い!!

「結婚式ではもっと変わったお菓子や料理を頂きましたのよ~」

 マールベリーさまがさらに燃料を入れたよ!

「お姉様ったら!お腹がはち切れそうになるまでお食べになってたわねぇ」

 え?コルセットしてるのにはち切れんばかりに食べたの?すごい。

「だってぇ、全部初めての美味しい食べ物だなんてびっくりでしたものぉ」

 ご夫人方が羨ましそうにため息をついてる。

 侍従と侍女さんたちがテーブルに食べ物と飲み物を運んできてくれた。

「今日はお茶会ですから料理とまでは行きませんが軽食も用意していますのでご堪能いただけると嬉しいですわ」

 昨日、ダリルさんとルルゥでメニューを確認してたからアフタヌーンティーのセットみたいなメニューを提案してみた。
 3段のティースタンドは無いから並べるだけだけどね。

 ケーキとクッキー、スコーン、サンドイッチって感じ。

 さすが王都のコックさんは盛り付けがおしゃれ。辺境だととにかく盛る感じにしないと間に合わないし。

「まぁ、初めて見るものばかりですわ」

 そう、あまりやり過ぎてもその後他で食べることが虚しくなるから全力じゃ無いの。

 コックさんたちは不本意かもしれないけど他所の人の今後に責任取れないからね。

 お店開くかなんかしないと。

 あまり私の耳には入らないようにされてるけど、グレーデン家のコックさんを譲って欲しいっていう打診が結構来てるらしい。
 レシピじゃなくて人を寄越せはダメ!!
 王様は連れてっちゃったけど、貸し出しだからギリOKかな?

「はぁ、お茶まで素晴らしいですわ」

 フレーバーティーも人気。結婚式で配ったお茶が喜ばれたとかで贈答品にって感じで販売して大人気になってるんだって。
 でもカカオのは量が確保できてないからうちで飲むだけ。

 優雅なご夫人方が物凄い勢いで食べ進める。もちろん下品じゃ無い感じで。

 こんなに食に貪欲なのになぜ食が発展してないんだろう?

 ハーブや香辛料が手に入るのにねぇ?

 お義母さまたちは最近の王都の流行とか噂、派閥外のお家のことなどわりとデープなこともお話ししたりで私は聞き役に徹するしか無かったけど、結構勉強になった?

 お茶会はご夫人方が大満足で終了した。
 お土産も用意されててそれを受け取って大喜び。
 
 オレイユの人たちのせいで王都の貴族のイメージが良くなかったけど、少し緩和したかも。

 マールベリーさまは私をギュッとハグしてから帰った。
 お義母さまと一緒で可愛い女の子が大好きすぎるよ。
 自分で可愛いとかいうの笑っちゃうけどね☆

 夕食にはお義父さまのお友達が来られるそうで、またお着替えよーってお部屋に連行されたよ。















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
 第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。  言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。  喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。    12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。 ==== ●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。  前作では、二人との出会い~同居を描いています。  順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。  ※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜

望月かれん
ファンタジー
 中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。 戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。 暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。  疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。 なんと、ぬいぐるみが喋っていた。 しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。     天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。  ※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」 そう、第二王子に言われました。 そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…! でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!? ☆★☆★ 全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。 読んでいただけると嬉しいです。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

処理中です...