ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

95話 夜市に連れて行って貰いました。

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 案内されたお部屋はもちろんジュリアスさまと一緒のお部屋なんだけど、私用のお部屋もちゃんとあって。
 とってもメルヘンなパステルピンクにちょいちょい赤混じりな感じだった。

 多分普通のお嬢様ならシックなとかエレガントな感じなんだろう?

 お子様すぎず、ではあるものの夢見がちな少女のお部屋なのだ!
 私のために王都の侍女さんたちが張り切っちゃったんだろうなぁ。

 ちなみに辺境の私用のお部屋とクローゼットも大変可愛いんだけど、ニーナのおかげで辛うじて私好みのパステルブルーやパステルパープルで調整されていってる。
 夫婦のお部屋はジュリアスさまの好みで重厚。ベットもサラサラの黒シーツで掛けるのが赤っていう赤主張しすぎだったよ。現在は白一択。

 お義父さまたちは夕食いらないし、私何もすることがないな~。

「リーシャ、少し街に出ないか?」

 ジュリアスさまがお誘いしてくれた~♫

「夜市が出るらしい。美味しいものがあるかも?」

「行くーーーー♡」

 それはもう行くしかない。

 そう言うことで町娘の服に着替えねば。

 もう嬉しくってジュリアスさまにチュウしちゃうもん。

 ニーナに着替えさせてもらって、ジュリアスさまも着替えて街に馴染む格好に。


 流石に二人でとは行かなくて、アラン、ジェイク、チェイスさんとルルゥが護衛に。
 お忍び?なのでみんな軽装。
 でも何かねぇ、姿勢良すぎて顔整いすぎだし、デカいし、全然忍べないね!
 
 
 紋章ない馬車で商店街近くまで行って。

 降りたら物凄く活気があるとこだった。

 ジュリアスさまたち見た人が一瞬フリーズ。「おっきい」「カッコいい」みたいな呟きが。怖がられないじゃん。

「さぁ、リーシャ。どこを見たい?」

 注目浴びてるのに抱き上げられちゃって恥ずかしすぎる。

「リーシャちゃんは食べ物よね☆」
「あっちの肉串良くないですか?」
「いや、あっちの果物が良さそうですよ」

 うーん?肉か果物くらいしか選択肢ない。
 お肉焼ける良い匂いだけどタレとかそそる匂いがこない~。
 あとエールが売ってるんだけど色合いとか匂いが美味しそう感ない・・・。
 これはやっぱりキンキンに冷えてやがらないからかな。
 木のコップもなぁ。可愛いけど冷えたジョッキ欲しい。
 ま、飲めないんだけどね☆

 結局アランたちが美味しそうに感じた肉とルルゥが買ってきた果物とニーナが買ってきた蜂蜜カステラ?をみんなで食べた。

「前はこれが最高だと思ってたんだけど今は毎日が最高すぎて、急に味気なくなった・・・」
 ジェイクが落ち込んじゃった。
「そうねぇ、外で食べる時は物足りない気持ちだわぁ」
 カステラをポイポイ口に入れてるの面白い。

「でもお祭り気分?で楽しい」

 こっちで暮らしてる時は学校と家の往復で寄り道できなかったし、お休みに外に出ることもなかった。
 実質今やれてることの全てが初体験だから楽しい。

 食材売ってるお店も覗く。
 調味料やスパイスとか豆~。
 変わったものがないかな?

 ルルゥも真剣に棚を吟味してる。以前なら気にしなかったようなものまで気になるようになっちゃった~って苦笑い。

 特に気になるものは見つからなかった。

 魚の串が売ってて覗いてみたら、川魚だったのでパス。ここらの川で釣れたのかなぁ?
 アランは買って食べてた。
「久々の魚です」
 嬉しそうなので可愛い。海に行ったらもっとすごいの食べようね。

「リーシャ、そろそろあちらに行こう」
 ん?ここだけじゃなかったんだ。

 少し喧騒を離れて、坂になっている道を抱っこで移動。
 道沿いの家は白。石畳の道、石レンガのおうちとか写メ撮りたーいって感じでお洒落。
 
 坂を登り切ると少し開けた所に出て、さっきまでいた辺りが光ってて綺麗。
 遠くの方まで見渡せる。

 遠くになるにつれて光がなくなっていく。
 空が近い分星も綺麗に見える。

 こっちの世界もデートは夜景って言うのあるんだね。

 護衛付きの、夜間デート。
 
 ほんのり郷愁を誘う・・・ような気がしたけど、中世ヨーロッパ風は故郷感ないわ~。
 ファンタジーの映画で出て来た風景よね。

 王城や貴族のお屋敷、教会のある区域と商店や平民が住む区域じゃ全く雰囲気が違うから、そのコントラストがなんか切ないかも。

 前世で見た夜景のきらきら感は全くないけど初めて見た王都の景色は結構綺麗だなって思った。

「リーシャ、俺はあまり領地を離れられないから遠くは無理だが色々な景色を一緒に見ような」

 私がオレイユ家でどんな暮らしをしていたかを知られているのできっと色々見せてあげたいって思ってくれてるんだろうな。

 でもね。私はグレーデンのあの雰囲気が大好きだし、一緒にいられれば良いんだ。

「ジュリアスさま、まずはグレーデンの中をあちこち連れて行ってくださいね」

 ジュリアスさまが了解って感じでグッと抱きしめてくれた。

「んまぁ~新婚って甘ーいのねぇ」
「独身には目の毒っすわ~」
 ルルゥとチェイスさんうっさい!
 チェイスさんも独身か。オッサンなのにご愁傷様です?遊び人でウハウハ系かな。
 ちょび髭のちょっと気だるそうなオジサン。モテるのかも?どうなんだろ?

 でも王都の用事が終わったらいきなり隣国の海の街に行くから冒険的だよ。

 楽しみだなぁ。

 王都のパーティより海の方が気になる私はやっぱり貴族に向いてないね☆



 

 

 






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