ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
93 / 764
二章

90話 私の知ってる海の生物とは何か違うみたいです。

しおりを挟む
 ニーナが王都行きと新婚旅行用の荷物を作るから持っていきたい物があれば教えておいてって言うのでちょっと困る。

 元々はほとんど自分の物を持ってなかったし、日々に使用する物はニーナ達が用意してくれてたから、いざ必要な物は何だと言われると思いつかない。

 衣装もお気に入りとかは特になくて、サラ達がお似合いですよっていっぱい持ち上げてくれるから特に気にせず着ている。 
 メグミの頃だったら想像もできない贅沢をしてるので物欲とかはないんだな~。
 食い意地特化かも知れない。

 旅行中は動きやすい服がいいんだけど、きっと微妙な顔されちゃうし。

「うーん?食べ物に困らなければ良いかなぁ?」
「リーシャさまは本当に変わったお嬢様ですよね」

 うぐぐ。
 だってぇ~。

 ちなみに荷物はグレーデン家からトランク型マジックバックを与えられてるのでそれに詰める。私がアイテムボックス持ちだって知られてるのに、荷物は侍女が管理する物だからって。

 ニーナが私のことを熟知してるのでお任せで良いのだ。

 そういえば王都までは転移陣で旅行は馬車だからオヤツとか非常食みたいなのは欲しいなって厨房に押しかけることにした。

「あら、リーシャちゃん。何か思いついちゃったの~?」

 ルルゥがめっちゃウェルカムです。
 パン生地をぶん回してたようで粉っぽいけどすぐ《洗浄》で綺麗にしちゃった。

 コックさん達がそれぞれ作業中。スープとか煮込む系は常時だしね。

「旅先でも食べられる物をストックしたいの」
「あ~。そうね。出先の食事がしんどいかもだわねぇ」

 新作レシピじゃなくて残念そう。ごめんね。

「うーん?海の近くも基本塩味?」
「そうねぇ、肉より魚が多いけど塩味だわねぇ~」

 そうなると調味料系は期待できないかな?

 魚ばっかりだとジュリアスさまには物足りないだろうからお肉系はたくさん持っていかなきゃ。

「リーシャちゃんは海の物の何が欲しいの?」
「魚いろいろ。あとイカとタコと貝とか・・・カニとエビと・・・海藻?」
「あらぁ、大物狙いなのねぇ」

 ん?大物?

 そういえば食材辞典みたいなの欲しかったんだけどそう言った物が存在しなくて、魔獣図鑑も無かった。薬草系は薬師が纏めた物があるみたいだけど。食べられるものとかは口伝がほとんどだとか。魔獣の図録が冒険者ギルドや商業ギルドにある程度らしい。
 一般的に本が普及してないのは、平民がほとんど書き読みが出来ないかららしい。もったいないね。

 知識が広がらないのって発展出来ないじゃんねぇ?

「リーシャちゃんがそんな大物狙ってるならルークも行きたがりそうねぇ」
「サーキスさまはお留守番ですか?」

 大物狙いも気になるけど、ジュリアスさまに付きっきりのサーキスさまが残るの?

「大旦那さまと旦那さまが同時に長期に離れる時は騎士団はルーク預かりになるのよぅ。セリウスさまだけじゃ流石にまだ全体を掌握出来ないわ~」

 まぁ領主と騎士団総帥の兼任は大変だね。

「そういえばリーシャちゃん、なんでルークだけ家名で呼んでるの?」

「ん~?一番最初に挨拶してもらった時に名乗ってもらったから?」

 あの時はグレーデン家がこんなに砕けた雰囲気とか知らなかったし。

「あとサーキスさまって感じだから?」
「なぁにそれぇ?」
「サーキスさまはお貴族さまって感じ?ピシッとしてて気品がある?」
「あっはは!!確かに澄ましてると良いとこの坊ちゃんよねぇ!!戦場のルーク見たらそんな意見は出ないでしょうねぇ☆」

 ええ~めっちゃ爆笑された。ニックス達もこっそり肩が揺れてる。
 普段のサーキスさまはどんななんだ。

 ストック用はたくさん用意してくれるって言われたので、あとは非常食として家畜の食料を加工する兵糧の相談。

 リゾットみたいに煮込んでから風魔法で乾燥させる感じで。食べ方も説明したら厨房のコックさん達が盛り上がった。
 味の種類が増えそう。

 んで砂糖と蜂蜜混ぜて作る方のシリアルバー?こっちは大麦とかを乾燥させて砕いてからナッツや干果物を混ぜて蜂蜜と砂糖混ぜて焼く。

 小原空いた時とか野営に絶対良いもんね~。

 兵糧って思うと微妙だけど、楽チンスープとかオヤツって思うと美味しそうじゃないかなぁ。

 一通り作って味見タイム。
「これを野営の時とか湯で戻すの?」
「火が使えなくても水で長時間でもふやかせますよ~味は落ちるけど」
「火は魔法でどうとでもなるから冷たいのはいやねぇ」

 一旦乾燥させた物を湯で戻した物を試食。
 乾燥させたままに齧ったらちょっと濃いよ!?ベンさん齧っちゃった。

「ふーむ。これは胃に染みて良いのう。ワシも野営に行こうかの」
「あらぁシルバーシープお土産に期待してますわぁ」
 
 兵糧食べるために野営に行こうと?
 って言うか兵糧の味見まで出没しなくても?

「大奥様~これも美味しいわよ♡」

 焼き上がったばかりにシリアルバーはまだ食べちゃダメ~。お口火傷しちゃう~。

「まぁ良い匂いね!」

 熱さを物ともせず食べちゃった。

「これも兵糧?」
「日持ちするんで兵糧でも良いですけど、栄養価が高いので忙しい時とかの食事の代わりとか小腹空いた時のオヤツにって思って」

「ふむ。疲れている時に甘いのがあると嬉しいな。兵糧に持たせると喜ばれそうじゃ」

 結果兵糧を作るための工場が出来ることになったよ。半分は一般向けに非常食とオヤツとして販売も予定してるみたい。

 どんどん空き地が無くなっていくけど良いのかしら?

 魔の森から採ってきた植物やポムの○んこも用意した畑に全部植えたそうだし。


 ルルゥがサーキスさまに私が「大物狙ってる」とか言っちゃったみたいで。
 何か大揉めに揉めて、お義父さま達が帰還したあとサーキスさま達が新婚旅行に合流することになった。
 いや、狩りに行くんじゃなくてお買い物したいんですけど!しかも新婚旅行だから物騒な付き添い要らないよ!?

 狩り大好き騎士さん達が参加権を争って飲み対決やくじ引きやら何か大騒ぎになったらしい。

「ワシだって行きたかったの」
「良いなぁ、楽しそう~」

 お義父さまとセリウスさま達まで悔しそうにしてて。

「旅行はまた行けば良いだろう?」

 ってジュリアスさまが宥めてた。

 海のモノって大物なの?どれくらいなんだろう?
 私やらかした感が半端ないよ?









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

我儘女に転生したよ

B.Branch
ファンタジー
転生したら、貴族の第二夫人で息子ありでした。 性格は我儘で癇癪持ちのヒステリック女。 夫との関係は冷え切り、みんなに敬遠される存在です。 でも、息子は超可愛いです。 魔法も使えるみたいなので、息子と一緒に楽しく暮らします。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

処理中です...