ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

86話 スパイダーは高級なカニの味。

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 蜘蛛とか苦手な人ご注意です。
 美味しいものになってる蜘蛛の話。

 最後の方に通常のお話に流れ。

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 私は今ほんのちょっと動揺している。
 いやだいぶかも知れない。

「リーシャちゃん!やっと手に入ったわよー♪」

 ルルゥがそう言って見せてくれたのはスパイダー。三体。
 キングやクィーンじゃ無いけど結構大物。

 ピンクの蜘蛛は毒っぽいじゃんー!

「いつもは焼くんだけどね、リーシャちゃんならどう食べたい?」

 ルルゥがウキウキクネクネしてるけど、見た目的には食べたくない。
 でもカニっぽい味・・・。気になる。

「とりあえず身を取り出して欲しいかな~?」

 蒸さないと取り出しにくいかな?って思ったんだけどどうなんだろう。
 普段のお肉だって現物見てないだけでゲテモノかも知れないのは分かってるんだけど、見ちゃうとねぇ。

 コックさん総出でスパイダーを解体して蒸したり焼いたり。

 生はちょっと遠慮しとく。

 足一本が私よりデカい。ぞぞっ。

 なんちゃってポン酢とタルタル作ってもらって。
 素のままのとフライや天ぷらもどき。
 あとお鍋とグラタン。
 お鍋は一人用だよ。デカいよ!

「リーシャちゃん味見して見てぇ♪」

 ルルゥに差し出された一応私に考慮された手のひらサイズの焼きスパイダー。

 カニだった。美味しい。見た目がアレなのに!

 ピザに乗せたりコロッケに入れたりしてとにかくカニ・・・スパイダー三昧になるよ。

 すでにお義父さまたちが食べてるけど!

「ふぅ~この鍋と言うのは良いのぅ。ワシはこのスープが好みじゃ」
 出汁になってるもん~美味しいはず~。
 昆布や鰹節があったらもっとすごいのにぃ。

「サラダにスパイダーって合うのねぇ♡」
 お義母さまは蒸したスパイダーを和えたサラダがお気に召したようだ。

 スパイダーのボディの方が濃厚な味になってるので特に美味しいみたい。

 私はタラバの脚が好きーーー!
 なのでスパイダーも脚だけで良いや。
 おっきいので山盛り食べられるよ。

 ・・・本体見なきゃね!


 夕ご飯にスパイダーが机に並んでるのをみた三兄弟は大喜びだった。

「久しぶりだな~よく採れたねぇ~」
「このサイズでこれだけ揃うの珍しいね」

 ピンクのスパイダーは行動範囲が広くて移動も早いから狙っては採れないらしい。
 繁殖期以外は単独で行動するから数体手に入るのもすごい事みたい。

 蜘蛛の生態は知らないけどあのサイズで行動範囲が広くてスピードもあるって恐怖なんだけど。

 もしかして私の天敵の黒いアイツも大きかったり謎に美味しいとかだったらどうしよう。絶対食べないぞ!

 ジュリアスさまが幸せそうにカニフライ食べてる。うん。アレはカニ。カニカニカニ。

 私はピザをもくもく。
 
 カニだけじゃ足りないからお肉もいっぱいだよ。

 ポムとティムもいつの間にやらいてカニ食べてる。小屋はどうした。

 カニ(スパイダー)の殻?は防具に使えるらしくて回収されていった。

 
 夕ご飯の後はお風呂でエステしてもらってホコホコでお布団にイーン。

「リーシャ、新婚旅行だが王都に一週間滞在してそのまま父上たちと別れて出発する」

「はい」
 
 いつものように温風で乾かしてもらいつつお話。

 お義父さまたち、新婚旅行について来ちゃうかとチラッと思ったけど大丈夫だった!
 まぁ別に嫌じゃ無いけどね!

「大体二週間くらいの予定だが海以外に行きたいところはあるか?」

 思ったより長い。ジュリアスさまお休みよく取れたねぇ。

「どこかに行った事がないからどこが良いとかはわからないですが、ディゴーの街みたいな色々な物が集まる場所があれば行って見たいです」
 
「そうか!探してみよう」

 ジュリアスさまがニコニコして頭を撫でてくれる。

「何か美味しいものがあるよ良いですねぇ♪」

「ふふふ、相変わらず景色や宝石より食べ物なんだな」

「良い景色は好きですよ~!!宝石も綺麗です!でも美味しいのはみんなで楽しめるからもっと良いじゃ無いですかー!!」

 食い意地張ってるのはもう仕方ないもん~。
 頬がぷくっとしてたのかジュリアスさまにムニっと掴まれた。

「そうだな。みんなで楽しめるのが良いな」

 そう言ってむちゅっとチューされてハグ。

「俺の奥さんはやっぱり可愛いな」

 はははって笑われてちょっぴり良い感じの夜を過ごしましたとさ。





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