ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
86 / 764
二章

83話 お義母さまは私と同類のマッチョ好きです。

しおりを挟む
 朝のお茶タイムに、今日はお義母さまと二人になった。

「このミルフィーユ?は面白いわね~」
 お義母さまがそう言ってホール食いをしているのを私はもう気にしない。
 一緒に苺(っぽい味)のデコレーションケーキとナポレオンパイが鎮座していたとしても!!
 このあとお代わりがやってくるとしても気にしてはいけない。

「はぁー♡幸せねぇ」

 果物をたくさん入手したからケーキが食べたいなって思ってルルゥにお願いした。

 もう生クリームもカスタードクリームもクレープもパイも何でも作れちゃうルルゥ達。フワッとしたイメージで良い感じに仕上げてくれるよ♪

「このロイヤルミルクティーも最高ね」

 紅茶はミルクを入れることはあってもミルクで煮出すって言うのが無かったの。
 ミルク自体があまり飲まれて無かったからね。牛乳はチーズとか加工するものってお貴族界隈の認識だったみたい。

「リーシャちゃん、うちの子達ってモテてないことはないのよ~」

 ですよねー?

「まぁあの体格だから一瞬びっくりする子もいるのは確かよ?でも顔はいいし人も良いじゃない?親バカだけどねぇ」

「セリウスさまは人当たりが良くてカッコいいし、クラウスさまは貴公子みたいに綺麗ですね」

「でしょー?確かに辺境に住みたいって子はあまりいないけどねぇ」

 あまり外に出て無かったから分からないけど、王都ってそんな素晴らしいかな?
 義姉がお茶だ夜会だと着飾って出て行くのを見ても私はめんどくさそうって思ってた。

「・・・本命にはモテない?とか・・・?」
「本命?」

 やば!前世?の表現はダメだった!
 お義母さまがくきっと首を傾げちゃった。

「好みの人とか好きな人って意味です」

「ああ~」
 うんうんって納得されたよ。

「あの子達の好みってよく分からないけどそう言うこともあるのかもねぇ」

「あの子達わりとシビアよお☆学生時代は楽しくやってたみたいだけどねぇ☆」

 ほぼカラになったお皿を下げて貰ったらルルゥが新しいケーキを追加しつつ会話に入って来た。

「ぐいぐいって迫ってくる美女にコロッと落ちるタイプでも無いしモテない事にして結婚話避けてるんじゃなぁい?」

 なんと!ジュリアスさまもそうだったのかな?

「あらぁ旦那さまのようにコロって落ちるのもアリじゃない?」

 うむ?

「ふふ、私はルドガーさまの筋肉目当てでグイグイ行ったのよ~♡」

「ほえ・・・」

「王国騎士ってモテるのよねぇ。でも私からしたら厚みが足りなくって。辺境の立派な騎士さまがドンピシャでね?王国騎士団と辺境騎士団の合同演習で見かけたルドガーさまがカッコ良すぎて☆お顔もかっこいいでしょう?」

 はい。ちょっと強面だけどキリッとした堀の深い綺麗なお顔です。

「友人達は体格が立派すぎて怖いって言うのだけど力強くて素敵じゃない?」

 大いに同意。コクコクと頷いちゃう。

「旦那さまもモテないって思い込んでたけど、逞しい殿方を好む女性だっているわよねぇ」

「ここは筋肉の楽園です」

 思わず口に出ちゃった。

「うふふ、ジュリアスを見る目でちゃんとわかってたわ~♡」

 バレてた!!!

「でも王都のお嬢様が体格の良い男にビビるのも辺境暮らしを嫌がるのも普通だから奥様達は変人枠よぉ?」

 マッチョ好きが変人だなんて失礼しちゃうよ。

「クラウスは私寄りになっちゃったからあまりがっしりは行かないだろうけど、強くなったのよ♫本人達が望めば伯爵位を譲って独立してくれてもいいんだけど、二人ともここで騎士として暮らしたいってねぇ」

 お義母さま、ケーキが5台消えたよ・・・。

「大旦那さまもセリウスさまたちもデスクワークが嫌いだから自由な方がいいんじゃなぁい?若旦那さまだけ生真面目というか文武両道って感じ~☆」

 あらジュリアスさま超有能!!

「まぁ!!旦那さまもセリウスもクラウスも文武両道よう!!ただやりたがらないだけで~」

 ん?実力はあるのにしないってことかな?
 
「はいはい。奥様は相変わらず家族に甘いんだからぁ☆」


 ジュリアスさまがそつなくこなせるから貧乏くじって事かな?でもセリウスさまも補佐してるみたいだし、兄弟でグレーデンを守るって方向みたいだし良いんじゃないかな?

「まぁ縁があれば突然出会うでしょ?楽しみねぇ♪」

 確かに?私みたいに急に決まるかも??

「気の合う子が来ると良いわねぇ」

 そんなことを言いながら6台目のケーキが消えたよ。


 お昼食べた後は、完成したポムの小屋?檻?を覗きに行った。
 アスレチック感満載の素敵な仕上がり。
 ドーリーが監修したと満足気に報告された。

 そんなことよりも!!!
 なんでパステルブルーなモニパルがいるの?変態したの?増えたの?単為生殖?

 なんで!!!????








 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

ラスボス姫に転生したけど、ドS兄貴はシスコン設定になっていたようです

ぷりりん
ファンタジー
転生ラスボス姫がドS兄貴の溺愛に大困惑する、ラブコメファンタジー

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...