ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
77 / 764
二章

75話 ルルゥをビックリさせたくてスパゲッティを作ってみるよ!

しおりを挟む
 朝のイチャイチャタイムを満喫してから朝食でー。
 ん?ポムがハロルドの手の中でプラーンとなってる。また盗み食いしたの?
 相変わらず頬とお腹がパンパン。

 あんなに食べなくちゃなんて燃費が悪いね。ここの人たちも尋常じゃなく食べるけど、肉体仕事だからって言うより魔力が強いからみたい?
 どっちもかな?

 私もきちんと食べられるようになったからか使える魔法スキルが増えた・・・安定した?

 ポムも実はとんでも魔力保持してるのかも。・・・ただの食いしん坊の方かな。

 ジュリアスさまと共に席に着いて、
「おはようございます。父上、母上」
「おはようございます。お義父さま、お義母さま」
 って挨拶するとすでに着席していたお二人が笑顔で返してくれる。

 食卓に並んでるパンがなぜかファンシーな形になってる。

「そちらはベンが以前リーシャさまがお作りになられたクッキーから思いついて作ったそうです」

 給仕をしてくれてるメイドさんが教えてくれた。
 ベンさんってばクマみたいなおっきな体でこんな可愛い作業を・・・作ってるとこ見たい☆

 ウサギやクマ、星や花と定番な形だけどパン生地に練り込んだ野菜とかで色合いも変えててとってもファンシーだよ。

 ルルゥ創意工夫がちゃんとお弟子さんにも伝わってるんだねぇ。

 しかし物すっごい量作るのにちゃんと味も見た目もこだわるのって大変だろうに嬉しいな。かわいいパンってなんかテンション上がる!

「リーシャ、これでいいか?」

 にんじん色のクマさんパンを取って千切って私の口に持ってくるジュリアスさま。

 いい加減自分のペースで食べたい気もするけど、ベタ甘な彼氏(旦那さんだけど)ってきっと一生ものじゃ無いから堪能しとくの。
 いつか子供ができたらお膝は子供にそして孫にってなるでしょ?

 私は緑色のうさぎさんを取ってジュリアスさまにアーン。
 動物と色がチグハグなんだけどそこは気にしたらダメ。

 朝ごはんが済んだら、お茶タイム。
 お茶を飲んだら、ジュリアスさまは重い足取りでセバスチャンに連れて行かれた。

 お茶が済んでから、キッチンに行って。
 ミンサーを出してもらう。
 あんまり使ってくれないから良いよねってことで一台をちょっといじってアタッチメントを変えて、パスタマシーンにしてみた。
 いきなり改造し始めたからコックさん達困惑してるけどスルーだよ。

 ここではペンネみたいなのはあるけど、スパゲッティみたいなのは無いから、とりあえずマックスに頼んでペンネ生地を作ってもらう。
 それをそのままマシーンにポーイ。

 そう、ルルゥの留守にいつもと違う料理を用意したかったのね。でも大したものは思いつかないからパスタ。

 正直言うと量食べる人たちが多いこのお家で私が作る物はコストパフォーマンスが悪すぎると思うんだけど、食べたいものを食べたいんだー!気にしたらダメ!!

 うにょうにょっと麺が出てきたので、それを茹でてもらって、その間にパスタソースを。

 悩んでカルボナーラとミートソースにした。
 ペペロンチーノのが簡単だけどまだ午前なのにニンニク臭くなるのはちょっと。

 ソースの作り方をコックさん達が凝視してメモとってってやってる。
 親方の背中を見て覚えるってヤツだー!

 ニックスが私の補助についてくれてるんだけど、目がキラキラしてるんだ。
 ここのコックさんは本当に料理好きだね。

 本当はうどんも欲しいんだけど、まだ出汁がない。コンソメスープ醤油少しでも多分美味しいけどどうせなら出汁の香りに包まれてうどん食べたい。

 ついでにパスタを使ったグラタンも作ってみた。
 あとじゃがいもペーストのチーズ焼きみたいなのも急に食べたくなったから作った。

 いやまだお腹空いてないんだよ。でも厨房の空き時間(完全な空き時間ないけど☆)でお邪魔しないとだから。
 
 まぁもう慣れたので大盛りをテーブルに出しますよ。うん。
 なぜキッチンに豪華な椅子置いてあるんだとか思っちゃいけないんだ。

「まぁまぁ!これはどう食べるものなの?」
「うむ?長いのぅ」

 フォークで麺を持ち上げて首を傾げるお二人。
 この世界ってば麺類ゼロなのかな?

 私はスパゲティの麺をフォークとスプーンでクルクルーと巻き取って見せる。
 コックさん達もメイドさん達もめっちゃ凝視してるからちょっと恥ずかしい。

 早速お二人が実食!!って感じにお口に入れる。

 そういえば麺類がないのは汁が飛ぶからかもしれない。
 お二人は綺麗に食べてるけどやや苦戦?
 いつもよりゆっくり食べてる☆

 お肉とか油飛ぶ系もあるけどエプロンしないのは着替えが多いからかな?
 朝昼晩、食事用とかいちいち面倒。

 まぁオレイユでは放置だったからきたきりスズメだったし、ここではそこまで厳しく言われ無いから着替えは外出とかだけで済んでるんだけど。
 
 まぁお義母さまは1日5回くらい着替えてるんだけどね!

 お食事エプロンはあった方が気楽でいいかも。だってカレースパゲティとかカレーうどんとかそのうち食べられるから!!

 サーキスさま達、出汁の実持って帰ってきて~!!

「ふーむ。わしはこのミートソースの方が好きじゃ」
「私はカルボニャーラ?がいいわ~♡」

 お義母さまが噛んだ。可愛い☆

 なぜかポムもパスタを一本ずつツルツル~っと食べてる。まだその頬袋に空きが在るだと!?

「モッキュ!キュ!キュキュキ」
 
 ・・・何言ってるのか全く分からん!

 ミンサー≠パスタマシーンをお義父さまが早速兵舎と使用人棟に手配。

 自分たちだけ食べるとかはしないのだ。


 コックさん達も味見して悶えていた。それからマックスとベンがソースについて色々聞いてきて、ルルゥが帰るまでにもっとブラッシュアップさせたいと盛り上がってしまったよ。

 お昼は私はじゃがいものチーズ焼きで済ませたよ。

 





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...