ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

73話 蜜ミツバチの蜂蜜ゲットしたいなぁ。

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 離れに着いて、お庭を覗くと以前植えたハーブ達がわさわさ。
 胡椒の木はちょっぴり成長したかな?

 庭師の1人で離れを担当してくれるようになったビーンさんが、私が好きかもしれない植物を随時追加してくれてるらしい。
 おしゃれ庭は目指してなかったけど、流石に可愛く綺麗な彩りで見栄えのあるデザインな庭園になって来て、人を招いても恥をかかない造り。

 本邸の人たちも含め引退騎士さんが多いんだけど、有事の際にはまだまだイケますぜ!って言うムキムキした人が多いの。

 お庭でたくさん収穫を出来る日を想像してホッコリしてたら何やらブウンッと近くで羽音?
 ヒャって思わずニーナにしがみついたら、
「蜜ミツバチですよ」
 ってチェイスさんに笑われた。

 だってさ、クマンバチよりデッカいんだもん!!ビビるよ!
 丸っこいフォルムでスズメバチみたいな怖そうな顔じゃないけどデカ過ぎてビックリしたんだよ!

 でもよく見ると花粉だんご?蜂蜜だんご?
 運んでるやつめっちゃデカ~ーーーーい!

 そりゃもう速攻思うよね。蜂蜜ゲットだぜ!ってなるよね!!!

 チェイスさんとビーンさんに即座に巣箱?養蜂箱依頼するよね!!!!!!

 どうやらこの世界の蜂蜜は森とか彼らの巣を見つけに行って頂くようで養蜂は知らないんだって。
 私も養蜂箱とかうろ覚えだけど、うちのお庭のお花を気に入ってくれてるんならば、きっと棲みついてくれるはず。

 ピザ釜とかバーベキューのときみたいにサクサクっと木の箱を作ってくれてお試しできるように数個を蜜が良く採れそうな草花近くに配置してもらった。

 ちゃんと採れるかわからないって伝えたらビーンさんは蜂の様子を見つつ改良してくれるって言ってくれたのでお任せ。

「話に聞いてはいたが本当に急に思いつくんだなぁ」

 チェイスさんは大きな手で私の頭を撫でる。
「おもしれぇな!退屈しなさそうだ」

 って言ったかと思うとザンっと短刀を私の真横に通過させ少し離れた木の根元に放った。

「ヒャっ!!!」
「ちょっとリーシャさまの前でいきなり何ですか?」

 ビックリした私と怒り出したニーナを置いて短刀と獲物を回収に行く。

「危なくはないが何でこんなトコまでコイツが出てきたんだ?」

 ブランと事切れた一角ウサギの耳を持って戻ってくる。

 うひょー。魔物だけど可哀想だよーって思うけどいつも食べてるんだよね。

「昼食にでもと言いたいところだが調べてもらわんといかんからやめとくか」

 残念そうにマジックバッグに仕舞う。小さめなマジックバッグは備品で持たされてるらしい。

 流石に目の前で捌かれるのもなんだし、生態調査?はいると思うからその判断を支持しとこ。

 離れの中に入って教授達と合流すると、チェイスさんは、ニーナに「周りを調べてから報告入れて来るから戻ってくるまで外に出ないように」って言って出て行った。

 あんな小さくて人間に無害でも警戒するんだな。
 離れも庭師さん達や警備の担当さんがいろいろ見て回ってくれてるからそんな心配ないと思うんだけど、ベテランさんが警戒するって事は問題ありなのかな?

 しかし顔の真横に短刀が通ったのはビックリだよね。普通の貴族令嬢なら気を失うよ。きっと。アレ?怒るべきとこだったかな?

 教授達に魔法学を習って、お昼食べてから翻訳を手伝ってってやってたら、チェイスさんがお義父さま連れて戻ってきた。

 一緒に付近を見回って、養蜂箱も見てきたんだそうだ。

「近隣に魔獣はいなかったが原因が分かっておらんから、しばらくは警邏や警備に離れに待機させる」

 まぁ仕方ないよね。

 ニーナに先ほどの報告を受けたお義父さまはチェイスさんをチョップした。

「リーシャちゃん、すまんのう。コイツはちょっと雑なんじゃ」
「え~!ルドガーさまも多分同じ行動しますよ~」
「う・うむ?」

 お義父さま否定できないんだ☆
 チェイスさんはちょっと不服そうだけど、どうもお義父さまを尊敬してるようで、何か嬉しそうな感じもしてる。
 子供の頃の憧れの騎士とかかな?

「蜜ミツバチも魔獣なんじゃよ。何か変化が起きてるのかもしれんのう」

 え?魔獣なの?養蜂箱ダメじゃん?鑑定サボっちゃった!
 って言うかチェイスさん先に教えてよね!

「蜜ミツバチは害はないし蜜は極上じゃから、養蜂箱はちょっと試したいんじゃ」

 魔獣湧いてんじゃん?ダメなのでは~。
 
「箱の管理は帯剣した元騎士にさせるから気にせんで良いぞ」

 お義父さまも食い意地特化しちゃったか~。

「蜜ミツバチの蜜はスノゥリリィの好物じゃし、美容に良いらしくてのぅ」

 デレた!!!

 多少のリスクは愛のままに受け入れちゃうのか~!!!

 まぁ危なくないなら良いのかな?

 大スズメバチみたいな危なそうな奴だったら断固拒否だけどね。怖いし。

 蜜ミツバチもでっかいからあんま見たいもんじゃないから箱は通る時とか見えにくいとこだけにしておいてもらおう。











 
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