ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
58 / 764
一章

56話 ついに・・・?

しおりを挟む
 ボソッと小声で言われてちょっと睨まれてる感。ええ~って感じなんだけど!

 ジュリアスさま達に聞こえていないようなのでお祝いの席で怒ることはしないけど、何この人~!!感じ悪いなぁ。
 
 辺境の婚姻は人気がないみたいな事言ってたけど実はモテてるんじゃ?

 流石に追撃してくる気は無いようだけど。ちょっと機嫌が急降下だよって思ってたら、ジュリアスさまが少し屈んで私の顔を覗く。

「疲れたな?少し座ろうか」

 いきなり姫抱っこで高砂席みたいな場所に戻って椅子に座った。姫抱っこにみんなびっくりしてたのにさらに膝抱っこ追加で!
 びやぁあああ!恥ずかしっ。

 ご夫人やご令嬢が「きゃー♡」って騒ついちゃったよ。
 さっきの失礼な人はワナワナしてる。ジュリアスさまに片想いかなんかかな?

 ジュリアスさまはさらに私にケーキとかクッキーを口元に差し出してくるし、私が一口食べちゃってるのにそのまま自分の口にも入れちゃう。
 それを見てまた女性陣が「まぁああ!!」って顔を赤くしたり、なぜかクネクネと悶絶してる。

「溺愛っていうやつかしらぁ!」
「羨ましいですわぁ!!」
「っかわいいですわぁ!!」

 なんてキャアキャアしてるので悪い意味で騒がれてるわけじゃ無いようなので良かった?

「リーシャちゃん、これも美味しいね!普段小食なご夫人たちがすごい勢いで食べてたよー」
 クラウスさまがマカロンを齧りつつ、私の口元にも持ってくる。
 それは流石にジュリアスさまがブロック。
「狭量だな~兄さん」

 そう笑ってジュリアスさまの口にマカロンを押し込む。マカロンもルルゥと一緒に焼き加減で苦労した一品。レシピうろ覚えだしね。

「あーん」

 ふぇ?

 声がした方を見ると小さな女の子と男の子がクラウスさまのトラウザーズを引っ張ってる。
 この子達は確か・・・お義母さまのお兄様のお孫さん。

「どしたの?メイミー、ラーシュ」

 クラウスさまが聞くと「あーん」をさらに要求してる。可愛い。

「あっちのテーブルになかったのかな」
って言いつつ、盛り付けられた中からいくつかとって口に入れると二人とも小さな手を頬に当ててふにゃっと笑顔になってる。超可愛い!!

 ジュリアスさまも腰砕けな顔してメイミーちゃんの口にお菓子を差し出すとパクッと指まで食べられてる。何それ可愛い♡

 そのあと二人のお母様が慌てて回収に来てむっちゃ恐縮されたけど可愛いのは大歓迎。
 子供席に食べやすいお菓子を追加してもらうように頼んで。

「うふふ、リーシャちゃん。みんな食べ物に夢中になってて普段よりお付き合いが和やかだわ~」

 お義母さまがそばに来て私の頭を撫でてくれた。美味しいは正義。

 と言っても普段の調理よりは色々控えめなんだけどね。これでも。

 そんなこんなで素敵な披露パーティーはとても楽しく大成功?でおしまい。


 お泊まりの人は宿や別邸に。
 帰られる人にはお土産をお渡しして。

 みなさんうちの料理やお菓子が食べられるお店が欲しい~って名残惜しげだったそう。

 コックさん達みんなすごく頑張ってるけど、ルルゥを超える腕前の人はまだいないから、うちのほどのは無理かなぁ~。
 まぁみんな勉強熱心で美味しいのは間違い無いんだけどね!ルルゥはなんかセンスって言うのかな?別格なのよね。

 プロフェッショナルな敏腕従者さんメイドさんで物凄い勢いでお片付けされてる。


 私たちは着替えを済ませて居間でティータイム。ほっとする~。


 で、綺麗なオジサマ再び!
 さすが今夜は他の親族の人たちは別邸なんだけど、オジサマはねぇ・・・。

「陛下、お帰りにならないので?」

 さすがにお義父さまもちょっと引き攣ってる。

「え~、今日は泊まりたいなぁ。お祝いの余韻に浸りたい~」

 駄々っ子なオジサマ。綺麗なだけにギャップがすごい。

 どうも辺境には王都からの転移陣があるらしい。緊急な時だけつかう。だから護衛もお付きも連れてないらしいけど自由過ぎる。きっと王都で胃がキリキリしちゃってる人がいるよ。


 そんなやり取りを眺めてたら、スッとセバスチャンとニーナがやってきて、「今日はお疲れでしょうからもうごゆっくりなさってください」って、お部屋から連れ出された。

 いや、なんか家族に生暖かく送り出されたんですけど!?
 同居ってこう言う時辛いね!

 ニーナやサラ、メルにお風呂に連行されてめっちゃお手入れされたあと、可愛いナイトワンピース着せられて寝室に送り出されたよ。
 すでにジュリアスさまも湯上がりで、ちょっと苦笑気味に「おいで」っでしてくれた。

 まぁね、まだいいとかもう少し待とうとか遠慮されちゃったんだけど、こう言うことってさ、タイミング外すとずっと出来なくなりそうだから、ぐいぐい食い気味にお願いしたよね。

 結果だけ言うと無理!!
 イチャイチャしてめっちゃ筋肉堪能させてもらったけど、最後までは成らずって事で。

 徐々に、追々、ゆっくりねって。

 ただ、私はちゃんと大事にされて、幸せだなって、すごく素敵な時を過ごせたんだよ。

 ジュリアスさまはとても優しくてあったかい旦那さまです。







 





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜

望月かれん
ファンタジー
 中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。 戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。 暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。  疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。 なんと、ぬいぐるみが喋っていた。 しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。     天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。  ※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

処理中です...