54 / 764
一章
52話 お義母さまと特別な夜。
しおりを挟む
「いよいよ明日ねぇ♫」
お義母さまはご機嫌さんで私をぎゅぎゅうと抱きしめてくれる。
「本当は母と娘の思い出を語るんだけど、私たちまだ半年だからね、あなたのお祖母様と両親のお話を少しね。年代が違うからほんの少ししかないんだけど・・・」
「あなたのお祖母様は学校で教鞭をとっていたこともあって社交界ではいつも元生徒に囲まれていたわ。でも厳しいって聞いたわね~」
お義母さまはずっと私の髪やほっぺを撫で回してます。
「カイザールさまは変わり者でナタリアさまはしっかり者だったからお二人がくっついた時は社交界で騒ついたわね。カイザールさまが追い回してたって話よ♡」
父のことは全くわからないからお母様をストーキングチックで口説いたとかウケる!
「さー、リーシャちゃんって閨教育は受けた?」
「・・・受けて無いです」
ディープな話キター!
「そうよねーまぁ基本は旦那さまにお任せで良いんだけど、ここらの殿方はあれが凶器だから自衛をせねばなりません。なれるまで香油やふのりは絶対使いましょうね。あと初夜で完全に致せなくても気にしてはダメよ。体を慣らして徐々にで良いんだからね」
アレは凶器なんだ・・・。
「ジュリアスも今更ガッついたりはしないと思うけど痛すぎたらちゃんと止めるのよ」
ガッつかれてみたいほうです!!
「ふふ、私は男の子ばっかりだったから娘を送り出すなんて役割は想像もしてなかったから物凄く嬉しいのよ♡しかもお迎えする姑でもあるわけだしラッキーだわ☆私はこれからはあなたのお母さまよ~」
「私も嬉しいです・・・」
あのオレイユにいたなら、こんなに大事にされて愛情いっぱいな日々なんて想像も出来なかった。
好きに行動して美味しいものも食べられて、孤独感を感じる隙間も無い日々があるなんてなんて、あの頃のリーシャなら絶対考えられなかったはず。
「おやすみ、私の可愛い娘・・・」
お義母さまは私を胸元で抱きしめ寝付くまで頭を撫でてくださった。
暖かくて幸せな気持ちでお義母さまの心音と温もりを感じながら眠りについた。
私はその晩、懐かしく感じる景色の夢を見た。
バラが咲き誇るお庭で柔らかく笑うお母様と顔は朧げだけど笑っている様子の男の人。
その二人に向かって走っていく今より少し小さなリーシャ。
リーシャの魂が親元に還ったのだと理解した。
私がリーシャの前世なのか結局よくわからないけど、リーシャの心が救われたのなら良かったな。
(良かったね、リーシャ。もう寂しくない)
そうして迎えた朝。
「おはよう、リーシャちゃん。今日は世界で一番幸せな花嫁さんになるのよ♡でもとっても大変だから頑張りましょうね」
ジュリアスさまとおはようのキスとハグだけして。そのあと朝食。
マダム・シフォンの方達がやってきてまずは教会まで行くためだけのドレスに着替えた。
着替えとメイクが終わったあとにニーナが、
「おめでとうございます」
って言ってくれたので抱きついちゃった。
「今までありがとう。これからもよろしくね」
ちょっと泣いちゃって、メイドさんたちが「あらあら」ってお直ししてくれたんだけど、みんな涙ぐんでて。優しい。
玄関ホールまで降りていくと、家族みんな揃ってて、使用人さんたちも並んでて。
私はジュリアスさまとともに馬車に乗り込んだのでした。
お義母さまはご機嫌さんで私をぎゅぎゅうと抱きしめてくれる。
「本当は母と娘の思い出を語るんだけど、私たちまだ半年だからね、あなたのお祖母様と両親のお話を少しね。年代が違うからほんの少ししかないんだけど・・・」
「あなたのお祖母様は学校で教鞭をとっていたこともあって社交界ではいつも元生徒に囲まれていたわ。でも厳しいって聞いたわね~」
お義母さまはずっと私の髪やほっぺを撫で回してます。
「カイザールさまは変わり者でナタリアさまはしっかり者だったからお二人がくっついた時は社交界で騒ついたわね。カイザールさまが追い回してたって話よ♡」
父のことは全くわからないからお母様をストーキングチックで口説いたとかウケる!
「さー、リーシャちゃんって閨教育は受けた?」
「・・・受けて無いです」
ディープな話キター!
「そうよねーまぁ基本は旦那さまにお任せで良いんだけど、ここらの殿方はあれが凶器だから自衛をせねばなりません。なれるまで香油やふのりは絶対使いましょうね。あと初夜で完全に致せなくても気にしてはダメよ。体を慣らして徐々にで良いんだからね」
アレは凶器なんだ・・・。
「ジュリアスも今更ガッついたりはしないと思うけど痛すぎたらちゃんと止めるのよ」
ガッつかれてみたいほうです!!
「ふふ、私は男の子ばっかりだったから娘を送り出すなんて役割は想像もしてなかったから物凄く嬉しいのよ♡しかもお迎えする姑でもあるわけだしラッキーだわ☆私はこれからはあなたのお母さまよ~」
「私も嬉しいです・・・」
あのオレイユにいたなら、こんなに大事にされて愛情いっぱいな日々なんて想像も出来なかった。
好きに行動して美味しいものも食べられて、孤独感を感じる隙間も無い日々があるなんてなんて、あの頃のリーシャなら絶対考えられなかったはず。
「おやすみ、私の可愛い娘・・・」
お義母さまは私を胸元で抱きしめ寝付くまで頭を撫でてくださった。
暖かくて幸せな気持ちでお義母さまの心音と温もりを感じながら眠りについた。
私はその晩、懐かしく感じる景色の夢を見た。
バラが咲き誇るお庭で柔らかく笑うお母様と顔は朧げだけど笑っている様子の男の人。
その二人に向かって走っていく今より少し小さなリーシャ。
リーシャの魂が親元に還ったのだと理解した。
私がリーシャの前世なのか結局よくわからないけど、リーシャの心が救われたのなら良かったな。
(良かったね、リーシャ。もう寂しくない)
そうして迎えた朝。
「おはよう、リーシャちゃん。今日は世界で一番幸せな花嫁さんになるのよ♡でもとっても大変だから頑張りましょうね」
ジュリアスさまとおはようのキスとハグだけして。そのあと朝食。
マダム・シフォンの方達がやってきてまずは教会まで行くためだけのドレスに着替えた。
着替えとメイクが終わったあとにニーナが、
「おめでとうございます」
って言ってくれたので抱きついちゃった。
「今までありがとう。これからもよろしくね」
ちょっと泣いちゃって、メイドさんたちが「あらあら」ってお直ししてくれたんだけど、みんな涙ぐんでて。優しい。
玄関ホールまで降りていくと、家族みんな揃ってて、使用人さんたちも並んでて。
私はジュリアスさまとともに馬車に乗り込んだのでした。
702
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる