52 / 764
一章
50話 お祖父様と伯父様が来てくれたよ。あのハゲ親父は・・・!?
しおりを挟む
今日はマーベルハント伯爵と前伯爵が到着するそうで。
正直会ったことがないんでピンとこないのだけど、お母様の家族だから興味はあります。
隠し部屋にあったお母様の肖像画とスケッチをお渡ししたほうがいいかな?
って言うか蔵書とか価値があるみたいだし、財産分与?遺産?的な感じで渡すべきものなのかも?
お茶タイムに悩んでたらお義父さまに「どうしたんじゃ?」って心配されちゃったので聞いてみた。
「ふーむ。魔導書関係はおそらくナタリア夫人がお母君から受け継いだのじゃろうからマーベルハント家に返さずとも良いと思うんじゃ」
一子相伝みたいな扱い?
「詳しくは伯爵らに聞けば良いであろうが、魔導師や魔術師は外に秘匿しておる内容が多くてなぁ。詳しくは知らんのじゃ」
普通に魔導書貸しちゃた!やばいのかな?
「大旦那さま、リーシャさま、お客様が到着なさいました」
お昼を食べて少し後に、ハロルドが知らせに来たので私はお義父さまに抱き上げられて玄関ホールに。
お義母さまは侍女長とお式の後のお泊まり客について打ち合わせ中だったので、少し遅れて合流で。
門から少し離れてるからちゃんとお迎えに間に合うのだ。門から玄関まで遠いのよねー。
「ようこそ、我がグレーデンへ。お久しぶりですな。マーベルハント翁、マーベルハント伯爵」
お義父さまが大きな声でお出迎えです。
流石に抱っこじゃないですよ!
年配の方がお祖父様で、少し若い方が伯父様ってことね?
「お久しぶりですね。グレーデン元辺境伯殿。ご夫人も。お招き頂き感謝しております。リーシャ嬢、初めましてだね」
辺境ではほぼ見かけない細身の綺麗系オジサマが懐かしいような傷ましいような何とも言い難い表情で私を見つめてる。
お祖父様も切なそうにしてて、何かこちらまで落ち着かない感じ。
「さあさあ、まずはお茶でもしよう」
お義父さまが誘導してくれたので、居間まで移動して。
ハロルドとマリアとでお茶とケーキをセットしてくれるのを眺めて。流石に膝抱っこされずに済んで少しホッとしている。
伯父様はよく見ると肖像画のお母様と似てる。一枚だけ在ったお祖母さまにも少し似てる気がする。
お祖父様も細身で、几帳面そうかな?
お茶で少し口を湿らせてから、お祖父様が謝罪をしてきた。
「今まで何もしてあげられず、すまなかったね」
お母様が亡くなってから何度も引き取りの話をオレイユ家に申し出てくれていたらしい。
ただ、外聞と打算からクソ親父が拒絶してて。
親権は婚家が強いから強行することもできず、って状態で今まで。
「お祖父様達のせいじゃないです」
そう言うとお祖父様は目頭を押さえちゃった。
「リーシャ嬢はもう成人しているから私が知っていることは全て伝えようと思う。大丈夫かな?」
大丈夫じゃない可能性が・・・。
知らずにいて後から問題があっても困るし。
「リーシャ嬢の父親はイダルンダではない。イダルンダの弟でカイダール・オレイユと言う者だ」
ドゥギャーーーン!!!
あのクソハゲデブ親父って父親じゃなかったのか!!!
「君が生まれた頃に行方不明になってて、マーベルハント家との繋がりが必要だとイダルンダの父親がナタリアとイダルンダを強制的に再婚させた。そうしなければリーシャ嬢はオレイユに取られただろうし。ただナタリアはカイダールを待ちたかったのもあったと思う。だからあの家に残ったのだろう」
お話中にお義母さまが隣に移ってきて頭をギュッと引き寄せてくれる。
私が知ってるお母様はあの男を全く近寄らせず、冷たい目で見てる人。
愛人連れ込んでるからかと思っていたけど、そもそも夫婦関係じゃなかったのか~?
「お祖父様、お母様の肖像画は要りますか?あと魔導書とか愛用品とか」
「ナタリアの絵か、見たいな」
私は一旦外に出てアイテムボックスから2枚のキャンバスとスケッチを取り出した。
アラン達に持ってもらい部屋にもどった。
「これは・・・リーシャ嬢がもっていなさい」
「カイダールが描いた絵だ。両親の思い出のものだから持っていたほうがいい」
父は絵を描く人だったんだ。
「あとこれを」
スケッチを渡す。
錬金術を使ってる時や寝顔、色々な場面を切り取って描いてあるので肖像画より身近に感じられる。
「ああ、よく描かれてるね。あの子の内面がより見てとれる」
お祖父様は目を潤ませてスケッチを見ている。
「魔導書は魔導大国から嫁いで来られたお祖母様が才能を引き継いだナタリアに受け継いだものだ。マーベルハントの遺産ではないからリーシャ嬢が次の担い手に引き継いで行きなさい。魔導書や魔導具は在るべき場所に繋がっていくとお祖母様は言っていた」
ほえー、そういうものなのか。
「まぁ我が家も魔導を学ぶ者、興味は尽きないがね、魔導書は持ち主を選ぶ。願わくば、読める機会が訪れると良いがね」
教授達、普通に読んでるけど・・・。
結局、お祖父様も伯父さまもお母様のスケッチを数枚受け取っただけになった。
それからあとは、お義父さまとお義母さまとで色々話したいとのことで私は一旦お部屋に戻った。
正直会ったことがないんでピンとこないのだけど、お母様の家族だから興味はあります。
隠し部屋にあったお母様の肖像画とスケッチをお渡ししたほうがいいかな?
って言うか蔵書とか価値があるみたいだし、財産分与?遺産?的な感じで渡すべきものなのかも?
お茶タイムに悩んでたらお義父さまに「どうしたんじゃ?」って心配されちゃったので聞いてみた。
「ふーむ。魔導書関係はおそらくナタリア夫人がお母君から受け継いだのじゃろうからマーベルハント家に返さずとも良いと思うんじゃ」
一子相伝みたいな扱い?
「詳しくは伯爵らに聞けば良いであろうが、魔導師や魔術師は外に秘匿しておる内容が多くてなぁ。詳しくは知らんのじゃ」
普通に魔導書貸しちゃた!やばいのかな?
「大旦那さま、リーシャさま、お客様が到着なさいました」
お昼を食べて少し後に、ハロルドが知らせに来たので私はお義父さまに抱き上げられて玄関ホールに。
お義母さまは侍女長とお式の後のお泊まり客について打ち合わせ中だったので、少し遅れて合流で。
門から少し離れてるからちゃんとお迎えに間に合うのだ。門から玄関まで遠いのよねー。
「ようこそ、我がグレーデンへ。お久しぶりですな。マーベルハント翁、マーベルハント伯爵」
お義父さまが大きな声でお出迎えです。
流石に抱っこじゃないですよ!
年配の方がお祖父様で、少し若い方が伯父様ってことね?
「お久しぶりですね。グレーデン元辺境伯殿。ご夫人も。お招き頂き感謝しております。リーシャ嬢、初めましてだね」
辺境ではほぼ見かけない細身の綺麗系オジサマが懐かしいような傷ましいような何とも言い難い表情で私を見つめてる。
お祖父様も切なそうにしてて、何かこちらまで落ち着かない感じ。
「さあさあ、まずはお茶でもしよう」
お義父さまが誘導してくれたので、居間まで移動して。
ハロルドとマリアとでお茶とケーキをセットしてくれるのを眺めて。流石に膝抱っこされずに済んで少しホッとしている。
伯父様はよく見ると肖像画のお母様と似てる。一枚だけ在ったお祖母さまにも少し似てる気がする。
お祖父様も細身で、几帳面そうかな?
お茶で少し口を湿らせてから、お祖父様が謝罪をしてきた。
「今まで何もしてあげられず、すまなかったね」
お母様が亡くなってから何度も引き取りの話をオレイユ家に申し出てくれていたらしい。
ただ、外聞と打算からクソ親父が拒絶してて。
親権は婚家が強いから強行することもできず、って状態で今まで。
「お祖父様達のせいじゃないです」
そう言うとお祖父様は目頭を押さえちゃった。
「リーシャ嬢はもう成人しているから私が知っていることは全て伝えようと思う。大丈夫かな?」
大丈夫じゃない可能性が・・・。
知らずにいて後から問題があっても困るし。
「リーシャ嬢の父親はイダルンダではない。イダルンダの弟でカイダール・オレイユと言う者だ」
ドゥギャーーーン!!!
あのクソハゲデブ親父って父親じゃなかったのか!!!
「君が生まれた頃に行方不明になってて、マーベルハント家との繋がりが必要だとイダルンダの父親がナタリアとイダルンダを強制的に再婚させた。そうしなければリーシャ嬢はオレイユに取られただろうし。ただナタリアはカイダールを待ちたかったのもあったと思う。だからあの家に残ったのだろう」
お話中にお義母さまが隣に移ってきて頭をギュッと引き寄せてくれる。
私が知ってるお母様はあの男を全く近寄らせず、冷たい目で見てる人。
愛人連れ込んでるからかと思っていたけど、そもそも夫婦関係じゃなかったのか~?
「お祖父様、お母様の肖像画は要りますか?あと魔導書とか愛用品とか」
「ナタリアの絵か、見たいな」
私は一旦外に出てアイテムボックスから2枚のキャンバスとスケッチを取り出した。
アラン達に持ってもらい部屋にもどった。
「これは・・・リーシャ嬢がもっていなさい」
「カイダールが描いた絵だ。両親の思い出のものだから持っていたほうがいい」
父は絵を描く人だったんだ。
「あとこれを」
スケッチを渡す。
錬金術を使ってる時や寝顔、色々な場面を切り取って描いてあるので肖像画より身近に感じられる。
「ああ、よく描かれてるね。あの子の内面がより見てとれる」
お祖父様は目を潤ませてスケッチを見ている。
「魔導書は魔導大国から嫁いで来られたお祖母様が才能を引き継いだナタリアに受け継いだものだ。マーベルハントの遺産ではないからリーシャ嬢が次の担い手に引き継いで行きなさい。魔導書や魔導具は在るべき場所に繋がっていくとお祖母様は言っていた」
ほえー、そういうものなのか。
「まぁ我が家も魔導を学ぶ者、興味は尽きないがね、魔導書は持ち主を選ぶ。願わくば、読める機会が訪れると良いがね」
教授達、普通に読んでるけど・・・。
結局、お祖父様も伯父さまもお母様のスケッチを数枚受け取っただけになった。
それからあとは、お義父さまとお義母さまとで色々話したいとのことで私は一旦お部屋に戻った。
711
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました

おさななじみの次期公爵に「あなたを愛するつもりはない」と言われるままにしたら挙動不審です
あなはにす
恋愛
伯爵令嬢セリアは、侯爵に嫁いだ姉にマウントをとられる日々。会えなくなった幼馴染とのあたたかい日々を心に過ごしていた。ある日、婚活のための夜会に参加し、得意のピアノを披露すると、幼馴染と再会し、次の日には公爵の幼馴染に求婚されることに。しかし、幼馴染には「あなたを愛するつもりはない」と言われ、相手の提示するルーティーンをただただこなす日々が始まり……?

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる