ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
49 / 764
一章

47話 お義父さまとパロレを食べたよ。

しおりを挟む
 たんぽぽを堪能した後、なぜかお義父さまのお膝に乗っけられて馬車に乗っています。
 お家でジュリアスさまのお膝ばっかり乗っているのが寂しいそうで。

「うちの嫁に可愛い良い子が来てくれて幸せなんじゃ~♫」

 世の中の息子嫁は基本的に義父のお膝に乗ったりしないと思う。
 グレーデン家の人たちはもうずっと私の事、幼児くらいだと認識してるに違いないよ。

 まぁ愛情表現過多なグレーデン家に慣れるしか無いのだ。
 こんなに子供好きなら息子達の縁談とっとと決めたらいいのに。そんな辺境ってダメかな?

 街に着いたら、まずは鍛冶屋さん。
 前回も色々作って貰ったおじさんに手書きの説明書きを見せて、スプリングの素材や強度、太さを相談。
 ベットや馬車の座席に使いたいって言ったら数種類用意してくれるって。

「これは他にも応用できそうだな」

っておじさんが呟いたらお義父さまとなんか話し込んじゃった。

 ついでに鉄板買ってもらった。クレープとか、あと鰹節ゲットしたらお好み焼き焼きたい。

 王都行きまで馬車の改良は間に合わないかなぁ?

 商店街では、前に来た時よりなぜか異国風のお店が増えてる。

 前にスパイス出してたお店があったので少しお話ししたら、
「グレーデン領では変わった食材を探してて、たくさん買ってもらえた上に、気に入ってもらえたら定期購入をしてもらえるって噂になっていてね」
と教えてくれた。噂作ったのルルゥだな!     
 何という相乗効果!勝手に集まってくるだと?これは素晴らしいぞー!

 スパイスはほとんど品切れだったけど、花茶みたいなのが数種類あったから買ってもらった。仕入れは船便だから月一回くらいしか出来ないんだって。結構遠いのかな?
 
 

 お義父さまに抱っこされている私。
「可愛子ちゃんには大サービスだよ~」
っておまけをいっぱい貰いつつどんどん買い込む。

 お義父さまは前領主ってバレてるんだけど、普段から一家は気軽に出歩いているからみんな慣れっこで特に騒がれたりしない。
 商人さんも住人さんも笑顔で挨拶してくれる。

 色々見て回ったんだけど、カレースパイス以上の発見は無し。

 屋台の食べ物を買って貰って、馬車の中で食べつつ帰る事に。

「この味は美味しいと思ってたのじゃが、リーシャちゃんの食べ物を食べてからというもの、一味足りんと思ってしまうんじゃなぁ」

 塩味の削ぎ切りしたお肉や野菜とちょっと酸っぱい果物を大麦粉を薄く焼いた生地で巻いたの〈パロレ〉と言うのを食べながらお義父さまがボヤく。

「美味しいですよ。胡椒たしたらもっと美味しくなると思いますけど」

「胡椒か!あまり手に入らんのじゃったか?」

「黒胡椒はカレースパイスのお店で売ってたんで定期的には買えると?うちの離れに胡椒の木を植えたので育ってくれれば良いのですが」

 そう言えばこの道沿いで胡椒の木に出会ったんだった。ありったけ手に入れちゃったけど探せばまだあるかなぁ?

「うん?離れに?」
「はい。偶然この道沿いで見つけて採取しちゃいました」

 うちで育ててる事にかなりビックリしてるお義父さまがさらに目をまんまるに。

「この道沿いで?」
「前回休憩した時にハーブとか見つけて大収穫でした!」

 あの日は最高でしたわ~。

「離れの木の育ち具合を見に行ってから採取依頼でも出すかのう」

 お義父さまは「まだまだこの領地には可能性があるのじゃな」っと喜んでくれた。

 少し暗くなってきたけど、たんぽぽ畑に着いたので、最近魔力も安定してきて使い方も上達したので、土魔法で5m四方分くらい掘り返してアイテムボックスに収納した。

 アラン達が「あーあ」って顔をしたけど、お義父さまが「豪快じゃな」って笑ってくれたのでOK!!

 帰宅後に外で大きな魔法使っちゃダメだってサーキスさまに叱られちゃった。
 アラン達の裏切り者~。他に人いなかったから良いじゃ無いの~!
 
 





 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...