ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

一章

４５話 プリンはやっぱり美味しい。

　ポーションがダメだったので、何をしようか悩んで、プリンとかムースとか食べたいなぁって思っちゃった。

　魔力消費するんじゃないのか？って思い直して。振り出し。

　そういえば馬車用の魔法石とプレート作ってあったし、これもお試ししないと。いきなり馬車はまずいから荷車かな。
　出力変えないと荷車壊して使用禁止になっちゃう！

　なので本日の午後はお試し版の制作！

　スプリングは鍛治師さんに頼もう～。まぁすぐ忘れちゃって依頼に行ってもらうの出来てないんだ。王都行きに間に合うようにしないと。

　お昼のお弁当中に教授たちが、
「あの魔導書は凄い！失われた魔法式が載っていたよ！国宝級魔導書じゃ」
と言い出して、国に献上しなくちゃなの？って思ったら写しでいいんだって。
　まぁあの魔導書自体も写しだろうしなぁ。

「ここに来て研究者としての情熱が再燃するとは思ってなかったわい」
「あんなもの見てしまったらもっと深淵を覗きたくなります」

　お二人が顔を紅潮させて嬉々と話してますが、あれポーション系特化な本で、まだ色々持ってるんだけど、出した方がいいのかしら？ジュリアス様に聞いてからにしよう。

　そして小一時間で魔法石とプレートを魔法陣を書き込む方で仕上げたの。
　教授たちがめっちゃ出来上がりを観察してる。

　馬屋でドーリーさんに壊れても問題ない古い荷車ないか聞いて、出してもらってから裏側に設置。
　荷車に飼料をたくさん載せてもらい、私が押してみる。

「リーシャ様それは私が！」

　ってニーナとアランたちが大慌てなんだけど、荷車はスス～って軽く動いた。
　成功～！！わーい。

　教授たちも自分で押して「おお～」って結構なスピードで周りをグルグルしてる。
　基礎はキックボード作ったのとほぼ同じだから外注できるし、馬車以外でも腰にきちゃいそうなお仕事に使えそう。

　ここのマッチョさんたちは筋肉を鍛えられない道具は使ってくれないけど。

　お式に来てくれる人達に馬車用の配ってあげたいけど魔道具はあまり外部に出しちゃいけないっぽいから私のお尻が安全ならヨシ！！

　今日作った物はお義父さまたちに見てもらってからドーリーさんにあげよう。ドーリーさんもマッチョ族だから要らないかな？でも腰痛そうだし！

　馬車の心配が無くなったので本邸に戻って、プリン作ろう～。

　教授たちは魔導書研究に戻るって従者棟に帰られたよ。


　ジャックに運ばれて本邸のキッチンに突撃した私。相変わらず自分勝手にキッチンを私物化～。
　夕食の拵えが始まってるので、隅っこで卵と牛乳とお砂糖シャカシャカ。
　ルルゥがボールを取り上げてシャカシャカ。
「これどうするの～？」

「瓶に入れて蒸しまーす」

　蒸し器はないから大きめ鍋に水入れてお皿重ねて土台作って瓶を並べて終了。
　今回はカラメル後乗せ～。
　ムースとかはゼラチンがね。動物の皮処理しなきゃだからまた今度？


　プリンは混ぜて蒸すだけだから簡単だね～。今度ルルゥにプリンタルト作ってもらいたい。

　仕上がったらみんなで試食。

　はいはい。お義父さまお義母さまどうぞ～。

「美味しいわ～」
　お義母さまは甘い物が大好きなので大喜び。
　フルーツと生クリームでプリンパフェ♫
　アイスも欲しいけどこれから晩御飯なわけなのでまたにしよう。


　食後のプリンパフェはジュリアスさまが、凛々しいお顔をふにゃってさせて食べてて可愛かった♡

　馬車用のプレートは明日お義父さまが試してくれるらしい。一番大っきいお義父さまを載せて安全なら誰が載っても良いもんね！

   多分最初は王様に献上して、グレーデン家とお付き合いの濃いお家にも贈るみたい。

　影響力が大きいから売れる相手が限定してて、高めな値段設定になるだろうから普及させるってわけにはいかないらしい。
　移動の苦労を減らせたらみんな助かるのに色々制限があって切ない。

　うーん！お母さまはあれだけの知識でどうしてあんな家に埋もれてたんだろうな。