ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
44 / 765
一章

42話 メニューとお土産とドレスと。

しおりを挟む
 今日は午前中はお式のお料理と引き出物の確認で、午後はドレスの最終チェックです。

 朝の食事中にお義父様が、
「リーシャちゃんが目をつけられないように、料理は従来の物にした方が良いと思うのぅ」
 お義母様が、
「あらぁ、でも多少は売り込んでも良いんではないかしら?」
って言い出しちゃったので、私はどうしたら良いんだろうか?

 まぁ引き出物は、ここに着いたばかりの頃にお義母さまがある程度手配してくれているから、世間知らずな私が敢えて選ぶ必要も今更ないんだけど。

 食べ物はねぇ、せっかく遠くから足を運んで貰うなら美味しい物出したいのが人情ってもんだよ。

 ジュリアスさまは何も言わないのかな?って思うんだけど、流れるように自然に自分の口と私の口に食事を運んでいる。
 すでに完全に慣れっこなのでパクパクと食べちゃってるんだけど、これ一生なの?

「母上にお任せしておけば間違い無いからな」
「違いない」
「そうそう~」
 3人とも普通に微笑んでて、このお家は完全にお義母さまの天下なのだった。

 食事が終わって、お義母さまとルルゥ達とでメニューの確認。

「一応ねぇ、予定が決まった時に定番の料理の食材は頼んであるけど、せっかくならお客様を骨抜きにしたいわよねぇ~☆」

「そうねぇ、柔らかパンやピザは出したいわ」
「ルルゥのご飯は道中で食べたのより全然美味しかったから定番でも喜ばれると思うのだけど・・・?」

 そう言ったら、ルルゥがとっても良い笑顔で飛びついてきた。

「あら~嬉しいこと言ってくれるわねぇ♡」
 ジュリアスさまと大差ない体格の筋肉なお胸にぎゅむっとされてしまった。
 なんて言うかフローラル!!いや多分香水とか付けてないんだけど、良い匂いがするー!どう言うこった!?

「ルルゥ、リーシャちゃんを締め殺さないでちょうだい」
「あら失礼~☆」

 結局、立食なのでカナッペみたいなのや、小さなピザや肉料理など前世のバイキングの如くいろんな種類を、味は調味料を控えめにして少し変わった物が出てるなって印象が残る程度にすることに。

 貴族ってパーティではあまりガッツリ食べないから見た目重視で、後で兵舎の人たちが食べられるように時間が経っても大丈夫な物も用意するみたい。ホットプレートじゃなくて保温プレート作るべきだったね。今度作る。

 お泊まり客の人たちは親戚が本邸に、他の人達は街の宿に分散されるから、親戚筋の人達のお泊まり中の食事は入手が難しく無い分の広めて良い料理を出すことになった。

 引き出物には、パウンドケーキとクッキー、カカオティーを追加で他はお義母さまが手配してくれたグレーデン領の名産品のお酒や所有鉱山で採れる原石や輸入品の布など、結構なお品が出されるらしい。
 お金持ちの引き出物やばい・・・。原石貰ってもって思うけど、好きな装飾品にしないと使わないもんねぇ。

 なんだか、食材や必要な引き出物の単位がおかしいなぁ?って思ってたら、お式の規模がとんでもないって気がついて、今更気が遠くなる。

 王様、引き篭もりの私にこんな名家に嫁げって鬼畜だなぁ。
 みんな良い人で幸せだけど、私はお義母さまみたいになれそうに無いし無茶言うなぁってちょっと王様に恨み節。

 まぁ今更ここ離れろって言われたらもっとキレるんだけどね!

 お昼ご飯用に思い立って今まで溜めてたデンプンで魔鳥の唐揚げを作ってもらったら、お式のメニューがひとつ増えたよ。

 芋料理作るついでにいつも貯めてもらってるから大丈夫だと思うけど、唐揚げの魅力に取り憑かれたお義父さまとクラウスさまがものすごい勢いで消費するから少し心配。

 さて午後は乙女の憧れ!!
 ウエディングドレスの最終チェック~!!

 
 
 


 



 
 


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない

春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。 願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。 そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。 ※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。

木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。 その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。 本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。 リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。 しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。 なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。 竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。 ※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。 ※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜

望月かれん
ファンタジー
 中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。 戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。 暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。  疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。 なんと、ぬいぐるみが喋っていた。 しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。     天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。  ※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

『白い結婚』が好条件だったから即断即決するしかないよね!

三谷朱花
恋愛
私、エヴァはずっともう親がいないものだと思っていた。亡くなった母方の祖父母に育てられていたからだ。だけど、年頃になった私を迎えに来たのは、ピョルリング伯爵だった。どうやら私はピョルリング伯爵の庶子らしい。そしてどうやら、政治の道具になるために、王都に連れていかれるらしい。そして、連れていかれた先には、年若いタッペル公爵がいた。どうやら、タッペル公爵は結婚したい理由があるらしい。タッペル公爵の出した条件に、私はすぐに飛びついた。だって、とてもいい条件だったから!

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

処理中です...