ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
42 / 765
一章

40話 小豆を探してもらったらコーヒー豆とカカオ豆と黒豆でした。

しおりを挟む
 今日は朝のお勉強を済まして、お昼は本邸で食べた後、ルルゥに呼ばれたのでキッチンの裏の保管庫にやってきたよ。
 体育館の裏に来な!ってヤツか~なんちゃって。

 目の前には茶色い豆が数種類。

「リーシャちゃんが小豆?黒っぽいお豆が~って言ってたからさがしてもらったのよ~お目当ての物はこの中にあるかしら~」

 もう目が釘付けだよ!!

 ルルゥ!!

「街の商人に色々変わった物があれば持ってきてって頼んであるからきっと色々見つかるわよぅ♡」

 マジですか!?
 鑑定したら、カカオ豆とコーヒー豆と黒豆だよーーー!

 ここまであって小豆はないんかーい!

 でもカカオォーーーー!!!

 いや、ここはコーヒーからかな。

 焙煎とか発酵は済んでますかー!

 黒豆って甘く煮るやつでいいかな?甘納豆?

 豆祭りじゃーーぃ。

 あらぶるマッチョは粉を粉砕して粉塵にしそうだから絶対ミキサーでやる。

 ミキサーのとこまでコーヒー豆とカカオ豆持ってもらって、とりあえずコーヒー用に粗挽き~。ミル欲しいね。中挽き浅挽きって拘りたいねー。

 道具が何も無いから、寸胴と麻袋でアイスコーヒーにしてみようかな?
 でも酸っぱめだとアイス向きじゃ無いかも。少しだけ小鍋でやってみよう。

 ルルゥたちが眺めてるけど、方向性決まんないと教えられないんだよ~。

 沸いたお湯で少し蒸らしてから一杯分お試し。フィルター代わりに新品の布巾で。
 チョロチョロと出てきた黒い液体を凝視しているマッチョ達。

 ふぉー、懐かしいカフェの薫りー!

 スプーンにひと匙。

 コクと苦味が程よい・・・かなぁ?

 ホットは淹れたてが良いに決まってるから、道具が無いならやっぱりアイスコーヒーが良いよね。

「紅茶みたいに食後やおやつの時に飲んだりするの。寝起きに飲むのも良いかなぁ?」

 ルルゥにもひと匙味見してもらったら首傾げてる。コーヒーって初めて飲むと苦っっとかなるよね。
 牛乳で割ってお砂糖入れてカフェオレでどうだ?
 残ってた小鍋に砂糖と牛乳混ぜて。

 今度は「ふむ?」ってなってる。

 コーヒーはお口に合わないかね?

 私は寸胴に麻袋をセットして、ミキサーで粉にした豆を適当に入れて。
 ニックスにお湯を豆が全部濡れるように注いでもらう。
 濃すぎても氷が溶けるか牛乳混ぜるかで薄まるから大雑把。
 味の追求は道具を揃えてからで良いんだもん。
 
 蒸らしてからこの辺りまでチョロチョロとお湯を注いでってニックスに丸投げ。

「私は何も混ぜないのが好きかも?」

 ルルゥはブラック派みたい。
 コーヒーはとりあえずお任せで、カカオ豆は皮と胚芽を分けないと。
 これはめんどくさそう。

「この豆は外側がお茶になって中身がオヤツ作るのに素敵なヤツです」

「ほー」

 すり鉢で軽く叩いて別けるので良いかなぁ?マッチョさんが背中丸めてわけわけしてる様子は凄そう。何か道具考えないとお義母さまが絶対いっぱい食べると思うから大変~。いや、小さい子のお仕事にしたら良いかも?後で相談してみよう。

 黒豆は一晩浸すんだったよなぁ?

 お鍋にザラザラ~っと入れてもらって、

「これは一晩置いておきます」

「えぇ~、そうなのぉ?」

 コーヒーがここに居る人数分は用意できたみたいなので、まずはコップ一杯を各自で入れてもらって少し飲んでもらう。

「苦っ!」
「ぅぶぅ」
「お!」

 みんな恐る恐る一口。それぞれ面白い顔になってる。

「今のがブラックで紅茶で言うとストレートです」

 で、甘いのが好きな人にはお砂糖入れてもらって。

「ふぉー」
「何かクセになる味」

 次は牛乳をば。

「紅茶で言うとミルクティーです」

「あら、飲みやすくなったわ」

 いつの間にかお義母さまもコップを。
 もうお約束です。

「わしはブラック?が好きじゃな」

 お義父さまも。お二人って何かセンサー持ってるよね。

 氷を用意してもらって、新しくコップにコーヒーを半分、氷を数個入れて冷やしてもらう。

「あら、私は冷えてるのが好きよ♫」

 ルルゥはアイスコーヒーブラック。

 ニーナはアイスカフェオレ砂糖入り。

 それぞれお互いの好みを追求して楽しそう。

 チラッと他の袋を鑑定したら地域が少し違ってる豆もあるみたいだからブレンドもできそう。

 コックさんたちの舌を頼りに良い感じで飲めるようになると良いな。

 でも産地の国の名前がこの近くじゃ無いから手に入りにくいのかも?
 この辺りで育てられないかなぁ。

 暑い国があるならバニラビーンズとか他にも色々出てくるかも。

 コーヒーはジュリアスさまたちにも好評で、カレースパイスに続いて仕入れが大変そうなのでとりあえず流通を確保するまで広めないでおこうってなった。

 カカオ豆はもっと欲する気がするので、チョコは作らず、カカオニブをクッキーやケーキに使うのだけにしとこうと密かに決意したよ。




 




 






 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜

望月かれん
ファンタジー
 中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。 戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。 暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。  疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。 なんと、ぬいぐるみが喋っていた。 しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。     天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。  ※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
 第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。  言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。  喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。    12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。 ==== ●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。  前作では、二人との出会い~同居を描いています。  順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。  ※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜
ファンタジー
 無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。  だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。  その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

処理中です...