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一章

25話 ミンサーを作る。

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 酵母ちゃんはコックさんたちにお任せしてたけどビネガーさんたちはまだ私の部屋に。
 ちょっぴりリキュール状態を期待して。
 毎日様子を見てシュワシュワしてる泡を観察。アルコールになってからがちょっと長いんだよねぇ。お酢になるまで。

 この世界って何処かにお酢あるのかなぁ?お酒があるならあるよね?
 ちょっとだけ匂いを嗅ぐとほんのりアルコールちっく。でもお酒で大騒ぎにしちゃったから我慢。

 今日は離れで魔道具を作ろうと。
 マッチョ自慢のお兄さんズには必要無いだろうけどやっぱりハンドミキサーとミンチ肉作るミンサーとジューサー欲しい。

 きっと彼らには問題ないんだろうけど作る量がハンパないからね。あと私ウィンナー食べたいし、スムージーとかね。
 それにお酢ができるか見つかるかしたらマヨネーズが欲しいのね!
 レモン汁だけでできるんだっけ?わかんないけど。油もさっぱり系探さないと。

 ん?魔道具もなんか食べ物関連じゃ?まぁいっか。

 私の離れはついに完成したのだ!!
 ここの人達魔法で重いの運んだり石膏乾かしたりできるから、お仕事めっちゃ早いの!

 洋風のちょっと牧歌的な温かみのあるおうち!スローライフなんて夢のまた夢だった私とリーシャの夢のようなおうちだよ!
 お庭にも可愛いお花畑と東屋と噴水まであるの。
 何故かキャンプ場もあるけどな!

 本邸は豪華すぎて何か元日本人の私は自分が住人なのが不思議すぎちゃうけど、この離れは頑張れば手に入るかも知れない、くらいの規模だからすごくしっくりくるんだ~。いやわたし何も頑張ってないけどね。

 一応執事のハロルドさんやジュリアスさまに魔道具や錬金術に使う材料もお願いしてあるからもう何でも出来ちゃうよ!

 でも今日もアランに運ばれてますけどねぇー。食い意地とキックスケーターどっちがいいかいな?

 ニーナ以外は待機になったので作業部屋でニーナと相談。
「ニーナ、お肉とか果物を調理する道具と私が持運びされずに移動できる道具、どっちを優先したら良いかしら?」
 多分どういった道具か分かってないと思うけど、
「移動できる道具があっても恐らく抱き上げられますので食い意地を優先されて良いかと」
 食い意地って言った!!むー。

 でも持ち運ばれる姿しか出てこないから開き直ろうっと。

 マジックボックスから錬金台を出して材料も並べる。
 ぶっちゃけ私は錬金術って何それ?な人間。元の世界で理化学も数学も苦手。
 化学的な研究ってのは知ってたんだけど、数式も元素記号も全く頭に入って来なくて困ったんだよ。

 この世界での錬金術は魔法の能力がより強く作用されるみたいだし、そもそもリーシャの独学で学んだ分と母の教え、血筋?そう言ったものが自然に頭にイメージで流れてくるからやれるって思うだけ。
 今後は先生から学んで覚えなくちゃなら本当に自信無いんだけど、リーシャは正式な魔法教育を受けていないから初歩から学べるっぽいのはありがたいね。

 まずはミンサーのイメージと刃になる鋼やロール部分、台座用や押し出し部分などの素材になる金属も置いて魔法術式を描く。
 見ても分からない!
 魔力がスルーっと中央に集まっていき、ミンサーが姿を現す。おお~!
 
 あ、サーキス様に監視なしで魔法使っちゃダメって言われてたんだった。
 おおおぅ。どうしよう。
 ニーナも普通にしてたから忘れてた。うーん?

 これ、魔法石入れないと動かないから完成してないって事で内緒にしても良いですか?

「ニーナ・・・一緒にサーキス様に怒られてぇ」
 そう伝えれば、ニーナも思い出したみたいで。
 オレイユ家ではリーシャが隠し部屋に入って作業してたのをニーナも知っていたから普通に受け入れちゃったんだと思う。
 そもそも魔法使えてたのに何で魔力循環悪かったのかなぁ?

「リーシャさま、恐らくなのですが、ルルゥさんがリーシャさまが離れで食べ物ではなくても関係した何か作るのを期待してますのですぐにバレると思います」

 ああああ~、ルルゥめ。鼻が良すぎて困るぞー。
 大人しくキックスケーターにしたら・・・動力を魔法石にするから結局は魔道具作って怒られる。もう離れで料理以外を作った時点で詰んでた~!

 もうどうせ怒られるなら、ウインナーとハンバーグ食べよう。
 開き直って風の魔法石を仕込む。
 手動なら鍛治師さんに頼むんだけど動力を魔法具にすると強度が心配だったの。

 だって量が必要だから業務用サイズ。手動だったらコックさんが一人一日中回す係になっちゃう予感しかない。

 あれ?腸詰用の皮ってあるのかな?皮なしで作るしかないか?
 ん~?とりあえずハンバーグ作ってハンバーガーにしてやる~!

 ハァ。怒られに帰るか~。
 マジックボックスにミンサー収納して。
 帰りはやはりジェイクに運ばれるのでした。



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