ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
26 / 764
一章

24話 癇癪起こしちゃった!

しおりを挟む
 カレーはジュリアスさま達もお気に入りになった。騎士さんたちにも出してあげたいけど香辛料の仕入れが安定しないからしばらくは無理そう。

 街に買い出しに行く時に探して定期的に買い入れる方向らしい。

 お砂糖もめっちゃ使ってるんだけど大丈夫かな?辺境伯家ってすっごいお金持ちなんだねぇ。なんでも爆買いされちゃうもん。

 お砂糖はサトウキビっぽやつから出来てるんだけどこの辺で栽培してるのかな?とんでもない量使ってもすぐ仕入れられてるの。リーシャの家では家族達も滅多に甘いもの食べてない記憶。

 そしてただいま私はカトゥルカールっぽいのをルルゥに手伝ってもらって作ってる。
 ノーマルとタチュピ酒(濃いめのラム酒っぽい)漬けとリポカ(梨っぽい形レモンっぽい味)をシュガーコートしたをを載せたやつを。
 生クリームも添えて。もう砂糖が高いとか気にしないんだ!!!

 ふふふ!ついにお酒をお酒を~!

「嬉しそうねぇ?リーシャちゃん」
 今日はお義父さまとお義母さまがお出かけです。もちろんお二人の分も作りますが味見の前に消えちゃうと食べ損ねそうだから!
「はい!これ美味しいやつのはずだから!!!」
「あら、リーシャちゃんが作ってくれたものは全部美味しいわよ♡」
「ふふふ~♫」

 1日置いた方が良いけどとりあえず実食っ!
 おやつの時間です。

 お皿に各種一切れずつお酒のだけ2切れ ♪
 ニーナ達にもそれぞれ好みのを取ってもらって生クリームを添えて。美味しい紅茶を淹れてもらってみんなで頂きます♫

 ノーマルとナッツって食べ始めて。私は好物は最後に取っとく派なので。
 やっと久しぶりのアルコール摂取(香り付け程度だけど)をって思ったら。
「あれ、美味しそうだね」
 ヒョイっと持って行かれてパクパクッと食べられちゃった。
「うん、美味しいね」

 ああああ!?
 呆然としてお菓子泥棒の顔を見るとセリウスさまだった!なんてことだ。
 大したことじゃ無いけどなんか涙出ちゃう。
「え?なんで?どうした?」
 いつもみんないっぱい食べちゃうし別に良いんだけど、だってお酒久しぶりだったのに!そのまま飲むのはダメそうだから我慢してたのに!

「リ、リーシャちゃん!まだもうすぐ焼き上がる分があるからね!」
 ルルゥもニーナもジェイクも自分のお皿のをどうぞって出してくれるけど人の分奪うほど卑しく無いもん!!

「・・・セリウスさまのバカー!!」

 楽しみにしてた分ショックが大きい。まだたくさん焼いてる最中だし全然大丈夫なんだけどなんかびっくりし過ぎて。

 ニーナもびっくりしてるけど私はそれどころじゃ無い。うう。

「えええ・・・そんなに」
 セリウスさまも動揺してて。カオス。
 ルルゥもいつもたくさん作ってるしたくさん食べられてるから、そこまで凹むの理解できないみたい。

「お酒の楽しみだったのにぃ~」
「え?酒??」

 みんながキョトンとしている。そりゃ見た目がちんまいヤツが酒とか言ったらなんだそれってなるよね。わかってるけど。

「あー、酒。酒かぁ・・・16歳ならいいんじゃないか?」
「いや、ロジャーに確認した方が・・・」
 ルルゥとセリウスさまとニーナとで相談を始める。

 くぅ。駄々っ子ななってしまった。

「リーシャちゃん、ごめんな。酒については兄上達に相談するからね」
「リーシャちゃん、もう第二陣焼き上がるから全部お酒塗るからねぇ?」

 ちょっと恥ずかしくなってきた。

 冷静になってきたらジュリアスさまが慌てて入ってきてすぐに抱き上げられた。
「どうした?何があった?」
 うう、もう赤面するしかない。お仕事中に旦那さまが呼ばれた理由がお酒飲みたいだなんて。

 話を聞いたジュリアスさまがセリウスさまの頭に手刀を落として怒ってくれた。
「食べてるところに手を出すんじゃ無い」
「いってぇ」

 ルルゥたちコックが新たに焼けた分を持ってきてジュリアスさまたちとおやつタイム延長戦になった。

「うまいな」
 ジュリアスさまが私をお膝に乗せて褒めてくれる。
 そしてやっと私の口にアルコールの香りが!
 一口入ってラム酒より濃い香りがジュワっと広がる。うま~!
 ジュリアスさまも一口食べて。
「・・・リーシャ、これはうまいがロジャーに確認してからにしような」
 う!うう。
「・・・はい」
 ほんの一口だけど納得しました。

 お昼やおやつの時間はいつもならジュリアスさまはお仕事なのでおやつを一緒に食べられて嬉しい。でもこんなくだらない理由で申し訳なかった。

 仕事に戻っていくからって言うジュリアスさまにナッツとリポカのを数本渡しておやつに持って行ってもらった。
 セリウスさまにはあげないもん。
 苦笑いするセリウスさまはジュリアスさまと一緒に行っちゃった。

 そのあとルルゥに他に混ぜて欲しいものや一晩寝かした方が美味しいってことを伝えて解散。
 
 帰宅後にお義父さまとお義母さまが食べて喜んでくれて、ついでにセリウスさまを叱ってくれた。
 クラウスさまが「バカだねー」って笑ってた。

 結局お酒はもう少し体重が増えるまでは我慢って言われた。体重関係あるのかな?
 ケーキの香り付け程度なら良いって言われたからお酒入りお菓子をいっぱい思い出そう!


_________

また食い意地回になってしまいました。



 


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

処理中です...