ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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一章

21話 ピザ釜完成。

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 毎日たくさん甘やかされて可愛がられて好きなことしてって、もうダメ人間まっしぐらになりそうな日々。

 今日は離れの庭にピザ釜を作りたいなって人を貸してもらって、材料も揃えてもらって。
 図面を見せて説明するとサクサクっとレンガと石と石膏で形作っていく。
 手際の良さにびっくりしてると彼らは行軍先で野営ように仮設テントや簡単な拠点を作る騎士さんたちだった。

 乾かしたりで数日掛かると思ってたら魔法で乾燥してもらえて。

 あっという間に仕上がりそうだったので、作業途中にアランたちにお願いして大麦と小麦の粉と酵母ちゃん、ベーコンとチーズとトマトっぽいやつとお芋のマッシュとルッコラっぽい葉っぱ、木の実の油とかとか持ってきてもらった。

「来ちゃった♡」
 ルルゥが他のコックさん二人連れてニッコニコで着いてきちゃった。まぁ予想はしてたよ。
 離れの厨房はまだ完成ではないけど使えるのでピザ生地を捏ねたり野菜切ってもらったりした。

 トマトソースがあった方が美味しいだろうけどそこまで一気に出来ないので今日は手抜きの簡単なんちゃってピザだよ。
 買ってもらった香辛料の中に黒胡椒があったしちょっとしたアクセントになるよね。

 ハチミツとチーズのおやつピザも好きなんだけど今日はマッチョな体力自慢の兄さんたちにお礼のピザなので。

 いい加減コンソメ味とか欲しいなぁ。時間かけてコトコトするならやっぱり離れの改装完了を待った方がいいかな?

 鍛冶屋さんに頼んだ鍋とか鉄板も届いてるし、着々と離れが充実していってる。

 お庭でパーティは本邸のが良いかな?
 バーベキューみたいなのは騎士の人たち慣れてるから楽しくないかな?

「リーシャちゃん、楽しそうねぇ」
 ルルゥが立派な上腕二頭筋を生かしてピザ生地をバァン!って打ち付けてる。まぁパン生地と同じ感じだよね。
 この筋肉ならうどんやラーメンも軽々打ってくれそう。よだれ出ちゃう!

 ルルゥってすごく綺麗な顔なの。ジュリアスさまたちもカッコいいし美形だけどなんて言うのかな?綺麗すぎちゃう?
 口元のほくろも色っぽいし。声も少しハスキーでね。理想的なオネエ。
 ポーってのぼせそうな見た目なのにオネエ口調なので「おおう」って現実に戻してくれる。
 でも女っぽさはないから不思議な塩梅。
 それなのに筋肉までご立派で料理人としての体力筋力申し分ささそうで羨ましいなぁ。

「ご飯ってなんか楽しいじゃないですか?美味しいもの食べれて、みんなが喜んでくれて楽しいです」
って言ったら、ルルゥが目をパチクリさせて。
「そうねぇ、楽しいわね」
 ウフフって笑って生地をパァン!
 一緒に来てくれたニックスとベンが野菜とか準備してくれて。
 
 ピザ釜が完成したので薪を入れて火をつけてもらう。耐火性とか心配だったけどパン釜や暖炉に使われてる材料だから大丈夫みたい。

 簡易なテーブルとか用意してもらってお皿とか全部ニーナとサラとメルがしてくれた。

 ピザを成形してもらって油塗ってチーズやベーコン、葉っぱを乗せたのとマッシュポテトやチーズ、ベーコンを乗せたものを用意して次々焼いてもらう。
  
 いざ最初の一枚と思ったら、予想通りお義父さまが待機!しかもクラウスさまもいた!
 切り分けて一切れずつ。と言っても釜作りは四人で料理人3人、アランとジャック、サラとメル、ニーナと私なので足りないよぅ!
 お義父さまとクラウスさまを差し置いて食べれる強者はルルゥくらいねって事でまずは一枚目をお二人に。
 それからは焼ける合間にそれぞれプチ争奪戦。いつの間にやらエールの樽が置いてあって。

 私もこっそり飲めないかな?ってチャンスを窺ってたけど男性陣が樽抱え込み状態で無理だった。とほほ!

 ピザに感激したみんなが超盛り上がりすぎて本邸に何度も材料取りに行くもんだから結局ジュリアスさまとお義母さまも来ちゃって夕飯まで離れで食べることに。

 ピザ釜は本邸と訓練場にも作ることになっちゃった。

 ルルゥにはお肉の薄切り焼いたのとか焼いた生地に果物とカスタードクリーム乗せるだけのも美味しいって伝えたら次の朝にはお義母さまの朝食がおやつピザてんこ盛りになってた。よく考えたら普通にパン釜で焼けるやつだったなぁ。

「リーシャちゃん、大好きよ!ありがとう~」
って、幸せそうなお義母さまを見られたので結果的に満足です。

 そんなお義母さまを見てジュリアスさまがポンポンって頭撫でてくれたし、また美味しいもの作りたいな。

 
 

 
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