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一章
間話 ルルゥside
しおりを挟むオネエ、ルルゥ回です。
本編に何の支障もないので読み飛ばしでも大丈夫ですー。
_______________________
アタシはルルゥ。このグレーデン家にてコックをやってるわ。
一応コック長って立場だけどまぁみんなそれなりに長い付き合いだから立場なんてどうでもいいわね。
元はこのグレーデン辺境騎士団で騎士をやっていたけど飯当番をやってる時に楽しくなっちゃって。
怪我したわけでもないのに移動の願いを聞き入れてくださったルドガー様はアタシの最高のご主人様よ。
つい最近、若様に可愛らしい奥様が嫁いでこられたの。本当にちっちゃくて可愛い妖精さんみたいなお嬢さんよ。
ここに来るまでにルークが多少気をつけて食事を選んでたらしいけど、それはもうガリガリでお肌も艶がなくって。
あんな可愛らしい子をよくも放置したものね!アタシのご飯で幸せにしなくっちゃ!って思ったのも束の間よ。アタシが新たな衝撃の連続で逝っちゃうわよ!
実家じゃ好きに出来なかったからか、食べてみたいものへの思いが強いみたい?
この辺境の街には他所の国からいろいろ入ってくるから試しては見てるんだけどどれもパンチが足りないと言うか?商人に聞いても料理に一味足す物とか匂いつけとかね。曖昧すぎるわ!
前に数個試した香辛料を見つけたリーシャちゃんがほぼ全種類買ったのよ。
まだ何をするのかわからないけど楽しみね。
あとリーシャちゃんがと言えば、アタシを見ても普通にしてたことにびっくりしたわ。
アタシって自分で言うのもなんだけどイケメンよ。筋肉もつきすぎないように全身均等な割合を目指した美ボディなの。
そうねぇ、このツヤっとした唇に釘付けになっちゃうレディもいるのよ?
ま、アタシの好みはちょっと細マッチョ系の可愛い系坊やだけど♡
可愛い物大好きなんだけど残念ながらスクスク育っちゃったアタシには可愛い服が似合わないのよね。部屋は甘い系にしてあるけどもっと可愛いものに触れたいのよ!
この家や騎士団の連中も可愛い物大好きだからリーシャちゃんってほんと天使よね。
「ルーデウスさん、お芋いっぱい予備ありますか?」
昼の仕込みしてたら、リーシャちゃんの護衛をして居るアランがやって来た。
「芋?って言うかルルゥって呼んでって言ってんでしょ!」
無茶苦茶嫌な顔してるアランも可愛いわね。お堅いの。クソ真面目くんだから先輩をあだ名で呼べないってねぇ。
可愛すぎだけどアタシは後腐れない子にしか手を出さない主義なの。
「どうでもいいんで芋あるんですか?」
人の名前はどうでも良くないわよ!
「芋なら倉庫に積んでるけどどうすんの?」
「リーシャさまが何か思い付いたみたいで」
結局リーシャちゃんが倉庫で芋を何種類か選んで興奮しながら、
「皮を剥いて水に漬けてその水は捨てずに取っておいてください」
って言って何やらその水を濾した時に出た白い粉?を種類別にしまったの。
芋本体は柵切りと薄い輪切りにしてあげ芋にして塩コショウ?をまぶしたのとマッシュしてお砂糖と卵黄混ぜて焼いたスイートポテト?って。あと硬いパン粉を削った物をマッシュポテトに絡めてあげた物をコロッケ?って言って作ってくれたわ。
まぁ例によって前領主夫妻が仕上がる前に待機して食べまくったんだけど。
余った卵白はお砂糖混ぜてメレンゲクッキー?ってやつになったわ。うちのコックの腕周りがまた育つかもしれないわね。
お昼の用意も何とかこなしてやっと味見タイムよ。
未体験の味わいにキッチン連中が一回は昇天したわね。
あの謎の白い粉が何に生まれ変わるのか早く知りたいわ。アタシあと何回くらいイカされちゃうかしら!?
ちなみに大奥さまがリーシャちゃんのおやつに見事に魅了されちゃって、毎日大量のおやつを所望されるようになって。
コック追加と厨房の増築が検討されることになったわ。
あとは絶対あの香辛料がどうなるのか知りたいから張り付くしかないわね。
リーシャちゃんはアタシにとってびっくり箱だから今後もとっても楽しみよ ♪
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