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一章

19話 家畜の飼料が宝の山だった件。

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 ニーナ達に着替えをしてもらって。
 今日もなんかお人形的な仕上がり。
 待っていてくれたジュリアス様にまた抱えられて食堂に行く。

「おはよう~リーシャちゃん!このパンすごいわ~」
 お義母さまが早速ハイテンションでパン籠を抱えてます。
 どうやらドライフルーツ入りにご満悦です。
 セリウスさまとクラウスさまはナッツ派。お義父さまは歯応えが足りないっていつものパン。
 そう言えばみんな揃うの待ってない。パンの匂いが気になりすぎちゃったのかしら。

 ジュリアスさまも私を膝抱っこで着席して、パン籠を引き寄せる。ドライフルーツ入りを一口分にちぎって私の口に入れてから自分はそのまま齧り付く。
「うん、うまいな」
 ニコって笑って今度はナッツ入りで一口分をの作業~。
 まだちょっと理想的な柔らかさじゃないけど粉の種類とかもあるよね?ルルゥの探究心に賭けよう!
 サラダやお肉も一口ずつ運ばれて、もう見慣れた日常になってきているので皆さん何も言わずニコニコ見てます。
 ジュリアスさまは私の食べられる量と食べて良いものをちゃんと考えてくれているのでもう恥ずかしさとかはどっかに置いてきたよ。

 いつものように机の上の食べ物がほぼ消えちゃって。これは酵母ちゃんが足りない危機!後でお部屋の残りの分も運ぼう。

 今日も皆さん仕事や用事が有るそうなので、私は離れで何かしますって伝えたら、お義父さまとお義母さまにはハグされて、義弟のお二人は頭ぽんぽんって。嫁っていうより子供よね?
 ジュリアスさまは、よしよしってしていくんだもん。

 アラン達に酵母の瓶を運ぶの手伝ってもらって。ビネガー用も気にされちゃったけどそれはまだなのって伝えて。
 キッチンに行ったらコックさん達がみんなパンを口に入れてるとこだった!
 慌てなくても残った食事が賄いになることや味見で食べるのも仕事って知ってるから大丈夫~。
「ルルゥ、酵母瓶の追加~管理任せちゃってもいい?」
「あらぁ?お任せあれ」
「中の果物だけ全部出すの手伝ってください」
 早速コックさん達が丁寧に取り出してまとめてくれたよ。

 取り出した果物と新しい果物を持って馬屋に向かうことに。
 荷物はニーナに持たれ、アランに抱っこで運ばれる。これいつまで続くんだろうか?

 馬屋番の人に果物を渡して酵母付きの分もエサに混ぜて食べると栄養たっぷりなのであげて欲しいっていうと準備してくれる。
 その間に普段のエサを鑑定~。

 お米と大麦、草、トウモロコシと大豆、もち米って!
 大豆とお餅ーーーーーー!!!!
 もち米はお米と同種って扱いなの?
 もう我慢できない!!!
「これ!研究したいから各種類全部離れに用意してもらうことって可能かしら!?」

「エサの研究ですかい?」
 名目はなんでもいいから~人間も食べられるって証明できたら普通に手に入れられるようになるはずだからぁ~!!!
 あまりに必死に頼むからか馬屋番の人たちもニーナ達も引いてる。

 でも絶対欲しいんだよぅ。

 馬達が俺たちのメシに何してるって感じで見てる気がするけど気にしてられない。
 果物あげるから見逃して!

「何してるのー?」
 セリウスさまがのほほんとした感じで覗く。あれ、いつもよりかっちり着込んでお洒落さん?
 アラン達が説明してる間に馬達に果物を混ぜたエサをあげてみる。
 モシュモシュと食べているところを見ていると酵母液の匂いとかは平気みたい。栄養良くなってツヤフサになれぇ~。

「ドーリー、リーシャは何かしら面白いことをしてくれるから何か頼まれごとをしたらなるべく叶えてやってくれ。好きなように過ごさせるのがウチの総意だからね」
 馬屋番の人はドーリーさんっていうのね。

 なんかセリウスさま、私が面白いことをするって言ったな?どういう意味だろう?

「あとドーリー、俺のクイーンの準備して。これから隣街まで行ってくるから」
 お出かけ衣装だったのね~イケメン五割り増し。
「お土産買ってくるからね♪」
 お仕事じゃなくてデートかしら?リア充ってやつだわ。キラキラしてるもん。

 お願いした飼料達は次の仕入れの時に入手してくれるって事になったので良かった。

 さて、離れにって思ったら、
「失礼します」
 ってアランに普通に抱き上げられた。
 自分で歩いていくようになるにはいつになるんだろう?

 ニーナはもう慣れちゃってるし、何か違うって思うんだけど!
 何だっけ。少年探偵のあのボードみたいなの作ったら良いのかしら?普通にキックボード?それともセグ○ェイ?

 ここにきて全く魔道具弄ってないし、ちょっと本気で考えようかな?





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