ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
18 / 764
一章

17話 サーキスさまは感覚派のようです☆

しおりを挟む
 お昼を食べて、お義母さまがタルトで昇天したまま帰ってこないのを見て、ちょっと震えてたら、サーキスさまがお迎えに来てくれた。

 お天気が良いから騎士さんたちの使う訓練場の横にある少し小さめな方の訓練場でやるそう。  
 間違って魔力が暴発しても結界がある場所だから新入り用、魔法特化の人の用とか色々分かれてるから多少失敗しても安心って。失敗前提~ブウ。

 サーキスさまは私を持ち歩かず、手を繋いで連れて行ってくれた。エスコートだとぶら下がる感じになるからね!でもここに来て持ち運びしないのサーキスさまが初めてだよ。
 ニーナとアレクとジャックも付いてきてくれるのでみんな歩幅を私と合わせてテコテコ着いて来てくれてるのでちょっとかわいい。

 訓練場に着いて、サーキスさまに的に向かって得意な魔法を放ってみてって言われたので、何となく風魔法を放ってみた。

 ザンッ!!

 物凄い勢いで鎌鼬みたいになった風が出ちゃって唖然としたんだけど、サーキスさまが
「ふむ、やはり無駄が多いですね」
って軽く消しちゃったからまたあんぐり。
「循環がうまく行っていないからイメージした威力にはならないし魔力の放出も不安定です。魔力は多いから使うには問題なく使えるでしょうが危険ですね」
 今までは?攻撃したことが無かったし、リーシャは母に教わった、隠し部屋の出入りや収納程度しか意識して使ってなかったから使い方なんてわからないよ。
 魔道具いじる時は使ってたのかな?

「安定するまで補佐のできる人間がいないところでの使用や練習は禁止です。まずは自分の中の魔力を理解しましょう」
 そう言って隅にある椅子に案内されて。
 体内の魔力を感じて胸元から全身に回るイメージをするようにって。

 循環がうまく行ってないのに魔力を使えるのは、強い魔力を持っているから強引に放出できることで普通の魔力量なら一気に枯渇したりで命が危ないんだって。
 さっきなぜ使わせたし。

 でも何か賢い系に見えるサーキスさまなのに魔力の感じ方と使い方の説明に、
「お腹にポワーンと暖かさが湧いて来ますよね?」とか「ズズーっとこう」ってわかりやすく説明する為か擬音が多くて少し笑う。
 あと外側から魔力を頂く方法も、「こうグググーっと」「外から内側にふわふわ~っと」って。
 もう少ししたら魔術の教師が来てくれるらしいからとにかく感覚を掴めって。
「考えるんじゃ無い、感じろ」って何かのネタであったよな。そう言うこと?

 あたい、いつか水の呼吸とか言って必殺技出すんだ!
 なんちゃって。
 循環上手く行ったらこのちっぱいも成長期があるはず~。きっとあるはず!!!
 別にサイズなんか気にする必要も無いと思うんだけどね!!!

「使用は禁止ですが体内で循環を意識するのは毎日心掛けてください」

 何とな~く魔力が動いてるらしいので感覚を掴めば早く慣れるっぽい。

 この後は夕飯まで自由時間らしいので大っきい訓練場を覗かせてもらう事に。
 唐突にご褒美タイムかと思ったんだけど。

 実際に剣がブンブン振られる音や金属のぶつかり合う音とか騎士さんたちの覇気?闘気?みたいな圧が凄くて。この場に気軽に来ちゃうの良くなかったな。
「リーシャ、どうかしたのか?」
 私の顔色が悪くなっていた事に遠目からジュリアスさまが気づいたみたいで凄い勢いで駆け寄ってくれる。
「いえ、こんなに激しい訓練をされてるなんて思ってなくて・・・」

「都会の令嬢には刺激が強いでしょうね」
 ってサーキスさま、分かってて連れて来たんか!?なんそれ!!
 前回お義母さまに連れて行ってもらった時は休憩中だったからか凄味はなかったもん~。
 実際は筋肉祭りどころじゃなく実戦向けの訓練してて、この世界が命を懸けて生きていかないとダメな世界だって今更理解しちゃったんだよ。
 
「汗まみれのオッサンが触れたら若い子には嫌われるんですよ」
 多分顔が強張ったままの私を心配してジュリアスさまが抱き上げて頭撫でてくれたのに、サーキスさまがちょっと意地悪なとを言うもんだからジュリアスさまが焦って降ろそうとする。
 降ろされたく無かったから首にぎゅって抱きついちゃった。確かにしっとりしちゃってるけど、私にとって頼りになる安心できる場所になってるんだ。数日のことだけど毎朝この胸の中で目を覚ますの、一人じゃないってホッとする。

 汗がちょっと光ってる胸元も素敵だしね!
 




____________

ちょっと難産。
三日間位牛歩で進まなかった~

筋肉大好き変態度をもっとマシマシにしたかったけどクミちゃんの方が熱い設定なのでほどほどで
 
 
 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

処理中です...