ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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一章

10話 執事さんはハロルド、でもセバスチャンもいた!

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 食事を終えて今度はルドガーさまとスノウリリィさまの真ん中にてホットミルクとパンケーキもどき?を与えられている私。

 3人息子さんたちはちょっとだけ書類仕事をこなすらしい。
 ノック音と共に侍女さんたちとイケオジと爽やか系お兄さんが入ってきた。

「失礼します。大旦那さま、リーシャさまにご挨拶申し上げたく参りました」

 どうやら最初に布の塊弾丸を食らった時には会ってたみたいだけど、私の諸事情から用意していたものを交換したり新たに手配したりで。報告にはあっても実物を見るとまた違ったのかも?

「私はグレーデン家で執事長を任されております、ハロルドです。こちらがジュリアスさまの専属でセバスチャンです。他の面々はまたその都度に」

 執事!ロマンスグレーの執事!!でもって若い方セバスチャン!!ネタみたいにセバスチャンがいる!!笑っちゃダメだー。

 そして侍女さんたちとニーナ!
「はじめまして。リーシャさま。私は侍女長のメリーです。こちらはマリア。他にもご家族専属の者や家政専門の者もおりますのでお顔を合わせられた時に紹介させて頂きます」
 メリーさんとマリアさんはちょっとだけふくよかなおかあさんって感じの優しそうなおばさま。
 そして、ニーナが三割増ぐらい輝いてるよ!
 あのハゲ~使用人の制服とかもケチってたしお給金もきっとしょぼかったからお手入れにお金かけられて無かったんだ。
 私の甲斐性がなかったばかりに!血涙。
 髪に艶めきとお肌に潤いと新品の衣装。

 ここはみんな身綺麗で笑顔だ。領主一家にも気安い感じだし、きっと良い職場。
 思わずニーナに抱きつきにいっちゃったら、ニーナは屈んでそっと抱きしめてくれた。

 ハロルドさんは鼻を摘んで上を見て、セバスチャンさんが片手で顔を覆ってる。
 メリーさんとマリアさんはエプロンを握りしめてる。

 ルドガーさまはプルプルしてるし、スノウリリィさまは泣いちゃって。

 ニーナと離れてたからちょっと心細かっただけだし、あの家からニーナを連れて来られて良かったってだけなのになんでそんな感動されてるんだ?

「あとは家令や私たちの専属執事もいるんだけど一気に紹介しても大変だろうから順々にね。私たち堅苦しいのは嫌いだからみんな気さくに接して来るだろうからリーシャちゃんも気楽にしてね」

 あ、敬語とか忘れてわたしが出ちゃっても大丈夫そう?やった!

「はい、スノウリリィさま」
「あらぁ、お母様って言ってちょうだい~!」
 頬をぷくりとされてしまった。恐らくそれなりのご年齢の美魔女なのに見た目ジュリアスさまくらいの若々しさ。恐るべし。
「わしはお父様だぞ!」
 ルドガーさま、ヤベェ人だ!
 ルドガーさまは年相応よりは若く見えるのかな?ゴリゴリのマッチョだけどかっこいいし。

 この世界、今のところイケてなかったのは、クソ親父とオレイユ家に来てたよくわかんないおっさんくらいじゃないかな。

 綺麗な人とカッコいい人ばかりの夢のような世界。 

 ぼんやりしか覚えてないけど学園には普通な感じの人もいたのかな?リーシャの知る範囲が極端に少ないから判断できないけど。
 日本人のカッコいい人をもっと濃く彫りが深い感じ。

 何かこの世界に来てからいきなり辺境に来ちゃったから海外旅行でもしてる気分だったけど、日本風でもない世界でいきなり結婚でってわりと無理じゃない?

 リーシャの記憶が有るから何となくこういう感じって流されてるけど自分の人生の選択が全く出来ないで生きるんだよ。

 ここの人たちが良い人でジュリアスさまがきちんと受け入れてくれそうだからやっていけそうだけど、こんな扱いに困りそうな子を押し付けられたって怒るような、オレイユ家みたいな人が集まってたら詰んでたよ。
 今更色々な感情が湧いてきて急に悲しくなってきた。
 
 王様がリーシャの魔道具を知って環境を調べてくれたのかな?もう少し早かったらリーシャのまま助けられてリーシャは幸せになれたのに。
 私がリーシャの前世?なのかリーシャを乗っ取っちゃったのかとかわからないけど、ここで生きていくならちゃんと生きないと。

 いきなり終わってしまったの人生と与えられた?リーシャの人生を大事にすることで無駄にしないから。
 だからリーシャ、一緒に生きてね。
 もう私の中にいないかも知れないけど記憶の中に確かに存在してるんだもの。
 あれ?リーシャが私自身?
 わかんなくなってきた。

 そのまま私は意識を失ったらしい。


 
 
 
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