3 / 764
一章
2話 いきなり王様と謁見?
しおりを挟む
自分の情報を確認してたら扉をノックしてニーナが入ってきた。キャスターワゴンで軽食と飲み物を運んできてくれた。
「お加減はいかかですか?」
「特に問題ないと思うけど頭の瘤が痛い」
「あら。これは大きなコブですね。しばらく痛いと思いますよ」
ちょんちょんと薬を塗りつつそのまま髪を綺麗にまとめてくれた。器用ー。
食事をしていたら廊下が騒がしくなって扉がバーン!!
着替えてたらどうしてくれるんだよ!
「悠長に飯を食っている場合か?!お前一体王宮で何かしたのか!?陛下から呼び出しだぞ!すぐ準備しろ」
入ってきた時よりすごい勢いで出ていった。
王様に会うための衣装なんて持ってない。
ので王宮で何かしでかすなんてことは無理でしょ。
義姉の衣装はフリフリ派手目だからお古なんとかリメイクしてるけど王城では無理そう。
母の衣装ならと思うけどお直し調整はすぐにはできない。
学園の制服一択だな。致し方なし。
制服で玄関に着くと無茶苦茶嫌な顔されたけど無いもんは着れない。
馬車には頭は寒そうなのに腹回りは肉布団巻いて暖かそうな父と二人で乗る。
義母義姉はお留守番か。目立ちたがりっぽいのに。
王城につくと謁見の間じゃなくて少し狭目の広間に案内された。
何事かわかんないから父の顔はこわばってて目をキョロキョロさせてる。小物感。
侍従の人にお茶出してもらって待っているとやっと王様が来て下さったみたい。
「イダルンダ・オレイユ男爵、リーシャ嬢よく来てくれたね。リーシャ嬢に是非引き受けてほしい事があってね」
目の前の綺麗なおじさんがやたらぐいぐいにじり寄ってくる。
「この魔道具直してくれたの君だよね?」
手元に渡されたこれは学園の空き時間になんとなく魔道具教室を見学して置いてあってモノの裏を覗いたら故障箇所がわかったのでいじったら直っちゃったモノ。
それから授業時間外にこっそり参加するのが許されて密かな楽しみだったけどたった今親にバレた・・・。あとで怒られちゃうだろ。やめてよ、おじさんー。
「こういった古いものを大事にしてくれる君に辺境伯の奥さんになってほしい」
なんかよくわからん理由だけどあの家で堅苦しく日陰にいる生活より未来がありそう。
「オレイユ男爵はこのリーシャ嬢に大した愛情もなく婚約者も決めてないそうじゃ無いか?結婚が可能な年齢なのだからすぐにでも辺境に向かってほしい。馬車や護衛も用意する」
愛情がないって知ってるけど、外から撃たれたらダメージでかいな。至れり尽くせりだけど心に散弾かましてくるな。
学園はあと少しで卒業式だったのにちょっとしょんぼり。
「この娘は体の成長が遅く女としての役割に不安があります。結婚などむりがあるのではと縁談はお断りしていたのです」
うん。失礼だな!もっともなこと言ってるけど多分探してないし興味もなかっただろうし良さげな縁談来てたら義姉が奪ってると思う。
そもそもあまり外に出してもらえなくて、お茶会に行けても姉のお下がり衣装でダサくて、お手入れもそう出来てないのに出会いなんぞあるか?
「魔力を持つ子供の中に栄養を魔力が吸ってしまい体に栄養が回せなくなる子がいる。その子は通常の半分も食事が出ていなかったと報告されている。成長が遅いのも無理はない」
家の中にスパイ。なにそれ~。
ご飯半分以下だったのか。ペチャパイになったのはハゲ親父のせいか!
ハゲ親父はダラダラと冷や汗をかきながら俯いてる。
「あまり使いたくはないが王命とでも思ってくれ。その子には辺境で気軽に暮らしてほしい。辺境伯はちょっと大雑把だがいいやつだ。心配ない」
綺麗なおじさん=王様が優しい笑顔で頭を撫でてくれる。
「この後馬車を貸すから持って行く荷物、連れて行ける人などの手配をしなさい。男爵、この結婚ではなにも利益はでない。そなたが冷遇した前妻の友人たちが怒っていることは伝えておく」
いつもはいばり気味の父は風船が縮んだように大人しくなった。
母、冷遇されてたのか。その寂しくなった頭皮がさらにハラハラっと散るように祈っとこう。
帰宅後ほぼ自分のものがないので最低限の着替えと下着、教科書、本を詰めてふと思い出したので父に質問に行く。
「お母様の本やお洋服を少しいただいてもいいですか?ニーナも連れて行っていいですか?」
両方許可を得たので母のものは肖像画と本、思い出のある衣装を数点、そして隠し部屋の中身は全てアイテムボックスに収納。隠し部屋はもう二度と使えないようにして消去。
父の知らないモノだからいいよね?
荷物を馬車に移動させてたら義姉のキミーが人の悪い笑みを浮かべて近いてきた。
「なにやったら辺境送りになるの?しかも辺境の人って体がデカいんでしょ?あんたなんて小さい子相手にされないんじゃない?」
お義姉様は18歳でお遊びには誘われるけど結婚相手見つかってない。それなりの美人なのにね。衣装が下品でダサいって誰か教えてあげればいいのに。
しかも遊びまくりってバレてるっぽいから良い縁談なんて来ないと思う。
私を揶揄ってる場合なのかしら?
記憶戻って?二日でお嫁に行くことになった。
辺境ってどんな感じなんだろう。
「お加減はいかかですか?」
「特に問題ないと思うけど頭の瘤が痛い」
「あら。これは大きなコブですね。しばらく痛いと思いますよ」
ちょんちょんと薬を塗りつつそのまま髪を綺麗にまとめてくれた。器用ー。
食事をしていたら廊下が騒がしくなって扉がバーン!!
着替えてたらどうしてくれるんだよ!
「悠長に飯を食っている場合か?!お前一体王宮で何かしたのか!?陛下から呼び出しだぞ!すぐ準備しろ」
入ってきた時よりすごい勢いで出ていった。
王様に会うための衣装なんて持ってない。
ので王宮で何かしでかすなんてことは無理でしょ。
義姉の衣装はフリフリ派手目だからお古なんとかリメイクしてるけど王城では無理そう。
母の衣装ならと思うけどお直し調整はすぐにはできない。
学園の制服一択だな。致し方なし。
制服で玄関に着くと無茶苦茶嫌な顔されたけど無いもんは着れない。
馬車には頭は寒そうなのに腹回りは肉布団巻いて暖かそうな父と二人で乗る。
義母義姉はお留守番か。目立ちたがりっぽいのに。
王城につくと謁見の間じゃなくて少し狭目の広間に案内された。
何事かわかんないから父の顔はこわばってて目をキョロキョロさせてる。小物感。
侍従の人にお茶出してもらって待っているとやっと王様が来て下さったみたい。
「イダルンダ・オレイユ男爵、リーシャ嬢よく来てくれたね。リーシャ嬢に是非引き受けてほしい事があってね」
目の前の綺麗なおじさんがやたらぐいぐいにじり寄ってくる。
「この魔道具直してくれたの君だよね?」
手元に渡されたこれは学園の空き時間になんとなく魔道具教室を見学して置いてあってモノの裏を覗いたら故障箇所がわかったのでいじったら直っちゃったモノ。
それから授業時間外にこっそり参加するのが許されて密かな楽しみだったけどたった今親にバレた・・・。あとで怒られちゃうだろ。やめてよ、おじさんー。
「こういった古いものを大事にしてくれる君に辺境伯の奥さんになってほしい」
なんかよくわからん理由だけどあの家で堅苦しく日陰にいる生活より未来がありそう。
「オレイユ男爵はこのリーシャ嬢に大した愛情もなく婚約者も決めてないそうじゃ無いか?結婚が可能な年齢なのだからすぐにでも辺境に向かってほしい。馬車や護衛も用意する」
愛情がないって知ってるけど、外から撃たれたらダメージでかいな。至れり尽くせりだけど心に散弾かましてくるな。
学園はあと少しで卒業式だったのにちょっとしょんぼり。
「この娘は体の成長が遅く女としての役割に不安があります。結婚などむりがあるのではと縁談はお断りしていたのです」
うん。失礼だな!もっともなこと言ってるけど多分探してないし興味もなかっただろうし良さげな縁談来てたら義姉が奪ってると思う。
そもそもあまり外に出してもらえなくて、お茶会に行けても姉のお下がり衣装でダサくて、お手入れもそう出来てないのに出会いなんぞあるか?
「魔力を持つ子供の中に栄養を魔力が吸ってしまい体に栄養が回せなくなる子がいる。その子は通常の半分も食事が出ていなかったと報告されている。成長が遅いのも無理はない」
家の中にスパイ。なにそれ~。
ご飯半分以下だったのか。ペチャパイになったのはハゲ親父のせいか!
ハゲ親父はダラダラと冷や汗をかきながら俯いてる。
「あまり使いたくはないが王命とでも思ってくれ。その子には辺境で気軽に暮らしてほしい。辺境伯はちょっと大雑把だがいいやつだ。心配ない」
綺麗なおじさん=王様が優しい笑顔で頭を撫でてくれる。
「この後馬車を貸すから持って行く荷物、連れて行ける人などの手配をしなさい。男爵、この結婚ではなにも利益はでない。そなたが冷遇した前妻の友人たちが怒っていることは伝えておく」
いつもはいばり気味の父は風船が縮んだように大人しくなった。
母、冷遇されてたのか。その寂しくなった頭皮がさらにハラハラっと散るように祈っとこう。
帰宅後ほぼ自分のものがないので最低限の着替えと下着、教科書、本を詰めてふと思い出したので父に質問に行く。
「お母様の本やお洋服を少しいただいてもいいですか?ニーナも連れて行っていいですか?」
両方許可を得たので母のものは肖像画と本、思い出のある衣装を数点、そして隠し部屋の中身は全てアイテムボックスに収納。隠し部屋はもう二度と使えないようにして消去。
父の知らないモノだからいいよね?
荷物を馬車に移動させてたら義姉のキミーが人の悪い笑みを浮かべて近いてきた。
「なにやったら辺境送りになるの?しかも辺境の人って体がデカいんでしょ?あんたなんて小さい子相手にされないんじゃない?」
お義姉様は18歳でお遊びには誘われるけど結婚相手見つかってない。それなりの美人なのにね。衣装が下品でダサいって誰か教えてあげればいいのに。
しかも遊びまくりってバレてるっぽいから良い縁談なんて来ないと思う。
私を揶揄ってる場合なのかしら?
記憶戻って?二日でお嫁に行くことになった。
辺境ってどんな感じなんだろう。
782
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる