消息不明になった姉の財産を管理しろと言われたけど意味がわかりません

紫楼

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これはハーレムではない

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 目を覚ますとなんかふかふかな感触が足元にあって、なんだろうとウトウトしてたらなんかひんやりもする。
 謎の感覚が・・・??

「うっぎゃあああああああああ!!!!」
「ふぎゃぁ!?」
「うにゃ!!?」
「・・・」

 猫が二匹、毛を逆立てて俺を見てる。
 なぜに猫・・・
って言うか!!!俺の布団にいるこの大蛇はなにぃ!!!!!!!?????

 俺食われるの?ピンチ!?

「うるさい童よな」

 蛇が喋った。

 これは姉の拾って来たってやつの中の一人(人ではない)!!!????

 びっくりしてると蛇も猫も人の姿になった。

 猫は双子だった。うん。まぁ予想はしてた。

 蛇は白い神に金眼の美人さんになったぞ。

「ミズメちゃん、ヘビのまんまじゃダメって言ったにゃ~」
「人間、おっきいヘビ苦手ですにゃ~」

 そうだね。俺の腰のサイズ超えてる太さの蛇だと食われそうだし、いきなりはやばい。

 って言うか、お前らもなぜ俺の寝床に入って来た。

「そもそも、なぜ俺のとこで寝てるんだ」
 ほんと猫の姿でよかったよ。
 メイド姿だったら途端に犯罪臭いから。

「えー、蘭さまといつも一緒だったにゃ」
「蘭さま、ずっといないから寂しいですにゃ」

 可愛いけどダメだ。

「俺は猫は好きだけど犯罪者になりたくない」
 ロリは今厳しいんだぞ。
「桔梗は二百歳だから合法にゃ」
「菖蒲は百五十三歳だから平気ですにゃ」
 めっちゃ年上!!!

 猫又だからそりゃそうだね。

「でもダメ」
 あざとく上目遣いしてもダメ。
 
「妾は二千三百くらいだったからの、問題はないであろ?」
 ミズメさんとやら、西暦超えて来た!
「そもそもお付き合いしてない女性は同衾ダメ」
「ほぅ?随分とお堅いのじゃのぅ」
 姉さんの連れに手を出すとか後が怖いし。
 あ、手を出さなければいいい?
 んなわけあるか。

 見た目は桔梗も菖蒲入ってめっちゃ可愛いし、ミズメさんは神秘的美女だぞ。
 一緒に寝るとか拷問か。

 ま、蛇と猫には流石に手は出さんけど、見た目を知っちゃってるんだぞ、ドキドキじゃね?

しっかし大蛇の姿でどうやって添い寝してたんだろ??

 着替えて、食堂に向かえばすでに食事が用意されていた。
 あずきちゃんは姿を見ててくれるかくれないかはその日の気分もあるみたい。

 秘書がすでに食事を始めてた。

 俺の朝飯は猫大好き定食に海苔がついてるやつだった。

 メザシ入って体にいいけどさ。

 ミズメちゃんは人前では食事をしないそうで、自分の部屋に戻って行った。
 桔梗にこっそり聞いたら、おっきい卵とか害獣駆除されて来た天然物を丸ごと食べる感じらしい。

 同席しない心遣いに感謝しかない。

 人間の姿になれるんだから人間のメシも食べれないことはないんだろうけど、丸呑みしたいなら定食程度じゃ、満足感がないんだろうな。
 一日一食らしい。
 あの大きさだと一週間や一ヶ月に一回じゃないんだな。

 おっそろしい食費がかかりそうだ。

 魚だらけの定食は半分くらい桔梗と菖蒲に分けた。
 二人も同じ定食だけど喜んでくれてよかったよ。

俺、普段はコンビニパンで済ましてるからあんま量いらんかったわ。

「大学行きたいんだけど」

 秘書に声をかけると、ジロって見られて。

「免許はお持ちですか?」
 
 って。もしかしてあの車運転しろとか言ってんの?無理だよ。外車怖いし、大学の駐車場に入れるのもヤバいっしょ。

「原付なら?」

 そ。そもそも自動車免許はない。
 だって俺の生活に車いらんし。維持費と保険とか考えたらおっそろしくて持てん。

「バイクはありますが原付じゃ乗れませんね。原付を買って来ますので今日はお送りします」

 えー、あの車で大学乗りつけるとか嫌だけど。

 ってバイク買ってくれるの。あっさり言う。この家見たら屁でもないんだろうけど!


 準備して玄関に出たら、双子とミズメさんがお見送りしてくれた。

「早く帰ってきてにゃん」

 いつも誰もいないアパートから出るだけだったから少し甘酸っぱい気持ちだ。

 秘書に目線で急かされて車の方に向かえば。

 何台もの高級車が並んでた。

「姉さんの趣味?」
「元は母君の父、ですかね。蘭さまは運転はさほど好きではありませんが私に運転させるのが好きなのです」

 ほえ。運転手付きの暮らし。

 彼女は昨日の赤いのじゃなく黒い車を選んだ。

「これなら目立たないでしょう?」

 俺の心の内を読んでたのか皮肉っぽく言われたけどさ。

 金持ちにはあんま差がねえのかもだけど!

 高級車の黒ってさ。そこらに走ってる黒ことはかなり違う黒なんだぜ。

 白って三千種類あるねん!みたいな感じだぞ。

 めっちゃしっとり重厚な質感の黒。

 誰の目から見ても美しい黒。

 かと言って他のオープンカーとか黄色とか乗せられても困るから、ありがたく黒い車に乗った。

「おかえりの予定は?」
「んー、四時くらいに?」

 そんなわけで素敵なエンジン音にちょっとばかり感動しながらドライブを終えると、ちょっとばかり騒ついてる中、大学の前に降りた。




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