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姉さんの秘書が来た
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俺、相馬舜(ソウマシュン)は、木造アパートの2階1Kに住んでいる、どこにでもいる大学生だ。
昨年に母を亡くし、わずかな貯金とそこそこ出た保険で暮らし、節約しつつ、なんとなく大学に通っている。
バイトはたまに。友達のバイト先にヘルプで入る感じだ。
父はいるにはいるが子供の頃に離婚して疎遠になったまま。
どんな人だったか母に聞くと「インディ・ジ○ーンズ?」とか意味がわからんこと言ってた。
母とは再婚で母違いの姉がいたが母親に引き取られたらしく、子供の頃に数回あっただけ。あんまり覚えていない。
祖父祖母もすでに亡く、田舎に屋敷があるにはあるが築百年いってるとかいってないとからしくて。いらねって言いたいけど、売るにも名義変更とか税金とか面倒だから、今は放置している。
いずれ掃除に行かないとかな。
さて、学校さ行くべ。
二限からなのでゆっくり起きたわ。
扉を開けて、古い簡易な鍵で施錠。盗まれるような物が無いから安アパートでも平気だ。へへ。
アパートから出て、なんか見慣れない外車が真っ赤なの停まってる。
うち周りの家に来るには不釣り合い高級カーだよ。
「相馬舜さんですか?」
外車を通り過ぎようとしたら、綺麗だけど冷たそうな雰囲気のお姉さんに声をかけられた。
ザ・秘書って感じのタイトミニなスーツのお姉さん。
「は・・・?」
俺に用事なの??
車の置き場がないと言うか、この辺りのコインパーキングに入れたくないからって車に詰め込まれてしまった。
強引!!
高級な車の座席はなんとも言えないね、軽しか乗ったことねえわ。
乗りにくい。腰埋まる。
「私は速水響子と申します。寿蘭(ことぶきらん)さまの秘書を務めさせていただいております」
やっぱ秘書!!でも秘書がスーパカーとかすっげぇな。
運転しながら話を聞かせてくる。
「寿・・・?」
「あなたの姉君が出先で消息を絶っておりますて」
姉さん!!秘書いるってどんなだ。
そして行方不明ってなんだ。
秘書さんが銀縁メガネをクイってした。
「すでに二ヶ月が経っておりますので、蘭さまのお家や資産を仮に預かっていただきたいとお願いにあがりました」
家や資産?
「蘭さまはご血縁のある母君は亡くなってますし、親戚筋とは縁を切っておりますので」
「んー?親父は?」
親父の死は聞いてないぞ。知らされてないだけ?
「大城戸さまは、数年前にトルコに向かわれると連絡があったきりです」
親父も消息不明!?
秘書さんが吐き捨てるように言ったので仲は良くないのかな?
「大城戸さまも蘭さまとは縁を切っておられますので、現在血縁は相馬さまだけとなります」
「俺もう十年以上会ってないけど?」
って言うか家族の縁が薄いなぁ。
「親父、トルコに何しにいったん?」
「母君に父君のことお聞きじゃなかったんですか?」
「インディみたいな人って」
秘書さん、俺をチラッと横見してから、
「はぁ、まぁそう言うことです。ハリ○ンほどかっこよくないですけど?」
ん??
「え・・・トレジャーハンター的な?」
テーテテテーテーテテテテテー。
「そうですね。ただ何も見つかったことはないですし。蘭さまの懐を当てにしてたようなカスです」
何そのギャンブラー?
「マジか。で、姉さんはなんで?」
出先でってどこだろう?
「・・・それは屋敷に着いてから」
「え?屋敷って?俺大学行く途中だし、家には帰りたいんだけど」
「今日は休んでいただきます。家には必要な物があるなら後日運ばせます」
何この人、勝手に人の用事を変えてるの!?
しかも荷物運ばせるって??
「あのお住まいは賃貸ですよね?引き払ってください。蘭さまが戻られましたらマンションでも一軒家でもお礼として差し上げますんで」
ハァ??
「とにかく今は屋敷に来ていただきます」
めんどくさそうに言われて何かスプレーをかけられた。
なんでっ!犯罪に巻き込まれた!?
一瞬で意識が落ちた後、次に目を開けてみれば、なんかすごい広い庭園を車で通過して、アニメとで見るようなおっきい洋館?プチ貴族の屋敷みたいな家に到着した。
日本でこんな広い家持てるとか姉さん一体何者!?
木造アパートの俺と大豪邸の姉って落差ひどすぎんか?
神よ!!
「ボケッとしてないで降りてください」
なんなの!この秘書!!
ドS秘書と何かが始まる物語なの!?
チェンジ!!!
どうせなら優しいメイドとかにしてぇ!!!
昨年に母を亡くし、わずかな貯金とそこそこ出た保険で暮らし、節約しつつ、なんとなく大学に通っている。
バイトはたまに。友達のバイト先にヘルプで入る感じだ。
父はいるにはいるが子供の頃に離婚して疎遠になったまま。
どんな人だったか母に聞くと「インディ・ジ○ーンズ?」とか意味がわからんこと言ってた。
母とは再婚で母違いの姉がいたが母親に引き取られたらしく、子供の頃に数回あっただけ。あんまり覚えていない。
祖父祖母もすでに亡く、田舎に屋敷があるにはあるが築百年いってるとかいってないとからしくて。いらねって言いたいけど、売るにも名義変更とか税金とか面倒だから、今は放置している。
いずれ掃除に行かないとかな。
さて、学校さ行くべ。
二限からなのでゆっくり起きたわ。
扉を開けて、古い簡易な鍵で施錠。盗まれるような物が無いから安アパートでも平気だ。へへ。
アパートから出て、なんか見慣れない外車が真っ赤なの停まってる。
うち周りの家に来るには不釣り合い高級カーだよ。
「相馬舜さんですか?」
外車を通り過ぎようとしたら、綺麗だけど冷たそうな雰囲気のお姉さんに声をかけられた。
ザ・秘書って感じのタイトミニなスーツのお姉さん。
「は・・・?」
俺に用事なの??
車の置き場がないと言うか、この辺りのコインパーキングに入れたくないからって車に詰め込まれてしまった。
強引!!
高級な車の座席はなんとも言えないね、軽しか乗ったことねえわ。
乗りにくい。腰埋まる。
「私は速水響子と申します。寿蘭(ことぶきらん)さまの秘書を務めさせていただいております」
やっぱ秘書!!でも秘書がスーパカーとかすっげぇな。
運転しながら話を聞かせてくる。
「寿・・・?」
「あなたの姉君が出先で消息を絶っておりますて」
姉さん!!秘書いるってどんなだ。
そして行方不明ってなんだ。
秘書さんが銀縁メガネをクイってした。
「すでに二ヶ月が経っておりますので、蘭さまのお家や資産を仮に預かっていただきたいとお願いにあがりました」
家や資産?
「蘭さまはご血縁のある母君は亡くなってますし、親戚筋とは縁を切っておりますので」
「んー?親父は?」
親父の死は聞いてないぞ。知らされてないだけ?
「大城戸さまは、数年前にトルコに向かわれると連絡があったきりです」
親父も消息不明!?
秘書さんが吐き捨てるように言ったので仲は良くないのかな?
「大城戸さまも蘭さまとは縁を切っておられますので、現在血縁は相馬さまだけとなります」
「俺もう十年以上会ってないけど?」
って言うか家族の縁が薄いなぁ。
「親父、トルコに何しにいったん?」
「母君に父君のことお聞きじゃなかったんですか?」
「インディみたいな人って」
秘書さん、俺をチラッと横見してから、
「はぁ、まぁそう言うことです。ハリ○ンほどかっこよくないですけど?」
ん??
「え・・・トレジャーハンター的な?」
テーテテテーテーテテテテテー。
「そうですね。ただ何も見つかったことはないですし。蘭さまの懐を当てにしてたようなカスです」
何そのギャンブラー?
「マジか。で、姉さんはなんで?」
出先でってどこだろう?
「・・・それは屋敷に着いてから」
「え?屋敷って?俺大学行く途中だし、家には帰りたいんだけど」
「今日は休んでいただきます。家には必要な物があるなら後日運ばせます」
何この人、勝手に人の用事を変えてるの!?
しかも荷物運ばせるって??
「あのお住まいは賃貸ですよね?引き払ってください。蘭さまが戻られましたらマンションでも一軒家でもお礼として差し上げますんで」
ハァ??
「とにかく今は屋敷に来ていただきます」
めんどくさそうに言われて何かスプレーをかけられた。
なんでっ!犯罪に巻き込まれた!?
一瞬で意識が落ちた後、次に目を開けてみれば、なんかすごい広い庭園を車で通過して、アニメとで見るようなおっきい洋館?プチ貴族の屋敷みたいな家に到着した。
日本でこんな広い家持てるとか姉さん一体何者!?
木造アパートの俺と大豪邸の姉って落差ひどすぎんか?
神よ!!
「ボケッとしてないで降りてください」
なんなの!この秘書!!
ドS秘書と何かが始まる物語なの!?
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