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2話

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 暗がりで交合し盛り上がっている男女を確認し、仲間達と配置につく。

 裏庭にで怪しい人影があると近衛や衛兵に伝え、人が来るように大声で騒いだ。
「曲者!!」
「侵入者か!?」
 いきなり騒がしく人が集まって来たのでガゼボの二人は起き出せず、繋がったまま呆然としている。
 現場を確認するため、ライト魔法を遠慮なく使って明るくした。

「え?ななな・・・なんだ?」
「きゃぁ!?」
 二人はいきなり明るくなって大勢の人間に囲まれている状況に頭がついて来なく呆然としている。
 

「いやあぁあああああああ!」

 ここで通りかかったオルガが泣き崩れるを演じて悲壮感を装った。

 レイモンド、アンジェリカ、レベッカがその様子を横目に、
「うわー早くしまえよ」
「どんだけ見せたいんだ」
「え?あれ勃ってる状態?マジ?」
「さすがに」萎えてるだろ」
「あれで自信満々ヤリチンってウケる」
「うちの旦那の半分だ。まぁサイズよりテクだけど~」
 王子相手に容赦なく言いたい放題で周りは困惑してる。

 レイチェルは泣きぐずれているふりをしているオルガを支えて、立ち上がる。

 やっと王と宰相、少し遅れて王妃、王太子が揃ってやって来て、庭でフル○ンの息子とおっぱいポロリのご令嬢を見た。

 王は真っ青な顔で顳顬に血管うかせて激怒した。大事な式典でこんな問題を起こされれば怒らないはずがない。

「モンテとその女を連れて行け」
「はっ」

「父上、こんな程度のことで怒らないでくださいよ。結婚前の遊びなんだから」
 バシーーーーーン!!
「お前がやったことは王家を揺るがすほどの大問題だ!!!」
 モンテが尻餅を突くほどの強さで王は息子を叩きつけた。

 衛兵たちが無理矢理モンテと女性を連れて行こうとした。
「あら、シーニャ・ドルワ男爵令嬢でしたわ」
 やっと顔が見えて女性の正体が分かる。
「確かダニエル・イーライ伯爵令息のご婚約者でしたわね」
 シーニャは未だ胸元がぐしゃぐしゃでスカートにも妙な皺が寄ってしまっていて令嬢としては酷い有様になっている。

「オルガ嬢、ジュリアン。式典の終わった後で話し合おう」
「陛下、フォンテ家は破棄しか受け付けませぬぞ」
 王は苦り切った表情で、
「・・・致し方無い」
 そう答えるしかなかった。

「陛下!!モンテは・・・」
「後だ」
 王妃に詰め寄られたが王は相手にしなかった。
 そのまま式典のパーティが続いているホールに戻る歓談の輪に入る。

 オルガは、父ジュリアン・フォンテ宰相に今までのデータと記録用魔石を渡した。
「用意がいいな。さすが我が娘だ」
 ほんの少し中を改めて眉間がギュッとなっている。結構な数の女性の情報と猥褻映像なので今後の対応にうんざりしているのだろう。

「ほとんどレイチェルがしてくれたのよ」
「ほう、アーガード嬢、娘のためにありがとう。オルガ、良い友を持ったな」
 レイチェルは嬉しく思い、オルガは笑顔になった。
「ふふ、レイチェルは素敵な友達よ」


 ホールに戻ろうとオルガとレイチェルが足を向けるとジークハルトと遭遇した。
 
「アーガード嬢、先日はありがとう。貴女のおかげで婚約破棄に持って行けました」
 オルガにも目礼で挨拶して話しかけて来た。
「よかったですね。レンドグラン様」
「レンドグラン様、私も婚約破棄仲間ですわ」
 オルガがコロコロと笑うとジークハルトはギョッとしている。

「殿下のオイタは流石に限度を超えてらっしゃったでしょう?」
「はぁ・・・」
 ジークハルト何と答えるのが正解かわからず濁すことにした。


「レイチェル、彼と少し踊って来たらどう?」
 ジークハルトはまたも表情が取り繕えず、固まっている。

「私は今日は貴女の護衛ですよ」
「正式なお仕事では無いのだから一曲くらいレイチェルのダンスが見たいわ」
 滅多に無いオルガのおねだりにレイチェルは困った。

「今日はドレスでは無いですし、レンドグラン様には不釣り合いです」
 軍装でほぼ男装な自分と踊らせるのは申し訳ないと断ろうとすると、
「アーガード嬢、麗しき百合の君。貴女と一時共にあれる栄誉を」
 ジークハルトに正式な申し込みをされてしまって断れなくなった。

 ホールに入り、様子を見るとまだ何事も騒ぎになってないようだ。
 レイチェルは少し意趣返しをしようとアンジェリカにオルガと踊るように勧めた。

「何故、姉君と?」
「まだ破棄が発表になってないので念のためです」
 曲が切り替わったところで輪に入って踊り始める。

 イケメンと言われるジークハルトと軍装のレイチェル、レイチェルの姉の軍装の麗人アンジェリカと王子の婚約者でフォンテの薔薇姫と名高いオルガが踊り初めて、周囲が一瞬でも息を詰めた後ザワつき出した。

「と・・・尊い」
「ゆ、め・・・夢なら冷めないで」
 一部の女性達がフラッと倒れ始める。
 いつもの事ながら不思議だとレイチェルは思った。

 オルガは、ほんのり頬を染めてアンジェリカを見つめて、アンジェリカは楽しそうにリードをとって踊っている。

「アーガード嬢、今は私だけを見て」
「え?」
 腰に回された手でグッと力強く引き寄せる。
「君にとても興味がある。どうか結婚を前提にお付き合いして頂けないだろうか?」
 美しい色合いの瞳がじっと目を合わせてくる。



「は?」




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