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二章
間話 神様たちの粋な?おねだり
しおりを挟む俺はソファで寝てしまった。
「おきてー」
「起きてよー」
「起きなさいな」
バシバシと頬を殴られた気がして目が覚めた。
「起きたー」
俺の顔を覗き込んでるドリアスとシャルマがいた。
「ん?俺て神殿に行ってないよな」
「夢に入り込んでみたー」
何してくれてるんだよ。寝てる時間くらい自由にしてほしい。
「ねぇねぇ、地球ってば今日は年末ってやつなんだってねぇ」
あー?そろそろそんなだったかもね。
「僕たちー、年越しそばとかお屠蘇が欲しいのー」
「夜通し飲むのであろう?」
ティアランシアとヴェールがお酒をと言う。
「初詣で神にお願いをしてから屋台でクイっとやるのであろう。ほれ願いを言ってから酒を飲もうではないか」
グラディウスまで酒か。
人の記憶を漁り放題してるな。
「願い?」
これだけチートもらってるし、特にないかな。
・・・いや静かな暮らしがしたいって叶うのか?これ?
「アタシは晴れ着っていうのが欲しいの」
メルティアが言うとティアランシアも頷く。
そのミラクルなおっぱいは着物の着付けいけるのか?
「あー僕も羽織袴ってやつ~」
「それなら着流しというのがしたい」
要求が果てしないな。
そういえば一つだけあった。
「髪の色とか変えるのの呪文をどうにかしてくれ」
切実な願いだ。出来れば「変身」で済ましたい。
「えー、楽しい方がいいでしょう?」
「私も愉快なのが良いな」
メルティアとティアランシアめ。
「俺は嫌だ」
「面白みがないわねぇ」
「ジョークが言えない男はモテないわぁ」
モテない男にモテないって言ったらダメなんだぞ!!!
思わず睨んじゃうだろ。
「お前がモテないのは幕が降りているからであろう、モテたいなら幕をあげておくが良いわ」
ティアランシアに身も蓋もないことを言われた。結果的に「変身」にしてくれたよ。
「モテなくても楽しく生きればいいじゃない」
「そうだよー。恋愛は面倒だもん~」
万年お子様神と同じ土俵に入れないで。
ハァーーーーー。
この神たちに何か言っても負けるので、大人しくスマホでポチポチ。
おせちとか普通なら予約だけどちゃんと売ってた。
まずは年越しそばとお屠蘇か?
ついでにお餅だの紅白まんじゅうだのお正月っぽいものも買っておく。
日本酒や甘酒も。
そして厨房も用意され、調理。
夢の中でもこんなんだよ。
「ほほ~、出汁というのはこれー?」
「カツオブシー?」
おかんの味とは少し違うんだが、一人暮らしになって自己流アレンジしちゃった。
適当に用意して。
年明けの雑煮と甘酒も作っておく。
「用意したから戻してくれ」
「付き合いが悪いのぅ」
なんだかんだ言われていつの間にか用意された炬燵に座らされる。
「これはヴァールに作ってもらったのー」
鍛治の神に炬燵を作らせるとか。
「おし、弓を使うようだったから矢を用意したぞ」
何やらやってると思ったらヴァールは弓矢を作っていた。
「神器みたいなレベルのを使い捨てには使えないだろう」
鍛治の神神が作ったものを紛失って胃に穴が開きそう。
「ん!?では自動回収の付与もしようか」
至れり尽くせり!!
「ほれ、私の最高の武器の中に他のものが作ったものが混ざるのは気に入らぬがそれは気に入っておるのであろう?なれば矢くらいは用意せねば」
何その独占欲。
結局は良いものを貰っちゃうので、お返しにみんなに着物を用意した。
ポチっても良かったんだけど、日本人サイズだとツンツルテンになりそうだったので俺の創造魔法で頑張ったぞ。
「ほほ~こう言った作りか」
「リボンのようなものをこんな複雑に折るのねぇ」
着付けはさすがに俺もできないので自分たちで〈変身〉的な魔法で来てもらうことに。
そして年越しそばをみんなで食べて酒を飲んだ。
体感的には俺が寝た時点で日付け変わってたんだけど、時差なのかね?
-------------------------------
調整と約束の女神 ティアランシア
創造神 ドリアス
火と鍛治の神 ヴェール
戦と戦略の神 グラディウス
愛と激情の女神 メルティア
時空神 シャルマ
-----------------------
今年、いきなり思いついて、タバコが好きなだけの主人公を表に出して、思いの外読んでいただけてびっくりして勢いのまま書き進めることができました。
いいね、エール、コメントをしてくださる皆さまのおかげです。
ちょっと行き詰まったり、方向を悩んだりですが、まずは王都を目指して頑張ります。
ジェイルの鈍感力と何気に自由じゃない生き方はスッキリしないかなぁと思いつつ。
ジェイルが気の毒でどうにか彼女をとか、変な女じゃダメってコメントをいただいたりで、くすってなります。
どうなるかは先のお楽しみと言うことで。
本当にお付き合いありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
良いお年を。
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