女神に可哀想と憐れまれてチート貰ったので好きに生きてみる

紫楼

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一章

海ダンジョン 7

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 実は今は夜の十一時くらい。
 ダンジョンの受付は、出入りのチェックが必要なので常時誰かいるはずで、ブランはダンジョンから、早く出た方が良いと思って。
 仲間が先に出てたら大変だし、助けるなりするなら情報も早い方がいいだろう。
 俺の予想では全滅だけど。経験がないから絶対とは言えないじゃん。

 ダンジョン内は時間の感覚が鈍る。俺はスマートウォッチで確認できるし、他の冒険者でも懐中時計は持ってるだろうけど、仲間が這々の体でダンジョン脱出なら時間も気にしてないだろう。

 階層によるけど、大体昼間のような明るさで、洞窟内やセーフゾーンだけ薄暗い。

 なので普通は時間は気にせず、疲れた時に魔物避けを置いて休むか、セーフゾーンに着いたら寝る感じかな。

 
 俺は、十一階層に出る前に寝ることにして〈ルーム〉に入った。ダンジョン内でも〈ルーム〉に行けるの嬉しい。
 睡眠は五時間くらいで良いかな。
 飯は、コンビニのおにぎりをポチった。鮭と焼きたらこ。
 思ってたより疲れてたようで、ぐっすりだった。

 朝シャワーしてから、トーストと目玉焼き、即席コーンスープで朝食。
 コーヒーとタバコ一本吸ってから、ダンジョンに戻る。人の気配を確認してから出たぞ。

 扉を開けて、十一階層だ。

 この階は崖沿い。わかりやすく言えば東尋坊みたいな岩場が続いていて、魔物に出会して、逃げようとして足を踏み外すと海に落ちる。
 火サスのエンディングごっこがしたい。
 
 ここの寄り道は崖を降りていって洞窟に入らなくちゃなんだけど、たまに洞窟が海水で沈むらしいのデンジャーだ。

 だが俺には〈遊泳〉の指輪があるので問題無し!!
 自分に〈俊敏〉〈跳躍〉の付与魔法をかけて、ピョンピョンっと降りていく。
 正直、チート持ってないとここはスルーしたい程度に行きづらい場所だ。
 行きづらいってとこはレアなものをゲット出来そう。

 途中で大きい巻き貝に通せんぼされたり、海から魚が飛んできたりしたが、ドロップ品は全部海に落ちて地味にショックだ。何がショックって美味しそうな魚の切り身があったことだよ。

 ムカつくので全部勢いで斬って捨てたよ。

 洞窟は普通に入れた。なるほど磯臭い。
 海藻や珊瑚はともかく、フジツボみっしりわりとキモい見た目の岩場がお出迎えしてくれて、奥に進むと、ヤドカリやフナムシがこれまた大量に出てきたので短銃ライターでこんがり焼いてあげた。
 良い匂いさせるじゃねぇか。でもダンジョン産魔物の一種で一瞬で消える。
 落ちてきた、ヤドカリの貝殻とフナムシの外殻って、誰か欲しいのか?
 
 そして奥に行き当たると蜘蛛と蟹の混ざったような大きい蟹?蟹なのか。鑑定さんは蟹って言うので蟹だ。
 見た目は体が小さめで足が長い、蜘蛛っぽい毛も生えてるので、毛蟹なのかタカアシガニなのかどっちなんだい?

 俺の身長よりデカい蟹が三匹だ。
 消えないならテンション上がるんだけど、お前たち倒したら消えるんだろ?

 急所は眉間で動きを封じるのは脚切り離せば良いので、蟹のハサミと泡攻撃を避ければ、そこまで強くなかった。

「ケケケー!!」
 一匹目は、天河に風魔法沿わせて、スーパーンと眉間から真っ二つ。

「ケケッケケー!!」
 二匹目は、ハサミを落としてから眉間・・・!?先に脚を落とせば、体が消えても足は残るだと!?

「タラバの脚!!!」
 俺はミソは好かんが脚大好きだ。

 食えるなら頑張っちゃう!
「ケケッケケーーーケー!!」
 泡を避けながらなるべく付け根から切り離していく。

 ふわははは!刺身としゃぶしゃぶにしてくれるわ!!天ぷらも良いなぁ。

 二匹分は損しちゃったけど、大きいから十分だ。漫画肉の蟹脚バージョンだ。切りわけるけど。

 ドロップ品は、蟹の甲羅と銛?と普通のサイズのタラバガニ??だった。わりが良いのかよくわからない。

 そして奥に鎮座する宝箱。
 罠ではないようなのでオープンだ。

 青真珠のネックレス・・・、ってなんだこれ。好感度三割り増しってなんだ??誰の好感度が上がるんだ。
 他には青い系統の宝石がいくつか。
 
 蟹は嬉しかったけど、レアお宝は俺的にハズレだ。もう一回蟹出てこないか?

 二十階層までは海辺が続くはずなので次に期待しよう。

 崖を跳ねて元の道に戻って先に進む。
 見渡す限り岩場なので、魔物は遠くから短銃で狙える。
 タカやコンドルも銃で撃ち落とした。
 ・・・ゾンビなら狙いやすい(ゲームだから)のにめっちゃ動くから無駄撃ちが多かったけど、多分銃撃のレベル上がったはず!!

 鳥肉がいくつかと羽根と魔石をゲットした。

 岩場は足首を痛めるので、とっとと十二階層に向かうぞ。

 セーフゾーンでビール一本、タバコ二本吸ってから、いざ!

 今度は砂浜だ。左手に海で右手にマングローブっぽい木の森だよ。
 ルートは森を斜めに横切る感じか。

 MAPが人の反応を示してるので冒険者パーティがいる。

 うーん。何か探してるのか?迷子じゃないよな?
 次の階に向かうルート上からかなり逸れた場所にいる。

 ここまで来れてるなら弱くはないだろうし、とりあえず放っておこう。

 この階層では南国フルーツが採れるくらい。
 魔物は双頭蛇、コング、アント、ワーム、大ムカデ。

 ん!最速で駆け抜けよう。

 ダッシュダーッシュ!!



 
 
 
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