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一章
ジョズさんにお説教される
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朝はゆっくりめでギルドに向かって、プティさんの受付が空いていたので、依頼を確認して常設じゃない分の薬草を持っていたので依頼表を取ってからプティさんに差し出す。
「あら、奥まで行って来たのね?奥まで行く人たちは薬草はなかなか採ってこないから助かるのよ」
蛇とかカマキリ出てくるから地面に集中しにくいよね。
「鮮度も状態も良いからちょっと上乗せよ」
金額的には森の入り口付近の薬草の三倍くらい貰えた。危険手当って思うと魔獣狩った方がいいからそりゃ採ってこないかな?
プティさんのお口と耳のもふもふ具合に癒されていたら買い取りカウンターの方でジョズさんが「こっち来な」ってハンドサイン。
「ああ~、ジェイルのおかげで今期は目標達成が楽になったわ。ありがとうね」
ダンジョンとか儲からないのかな?高レベルだと入れる人が少ないから微妙か?
プティさんにお別れを告げて、ジョズさんと裏の解体場に。
「魔石はこれだ」
まぁまぁなサイズと小粒の魔石がコロコロッと並んでいる。
みんな形がバラバラで色も違って、あのアンナの婚約指輪選びがルースからだったのを思い出して鬱だ。
素直にブランド品を強請るかと思ったら、毎日つける結婚指輪はブランドで、「石が大きくて私だけのが良いなぁ」って有名デザイナーの工房に連れて行かれて。
あの時のあの才気あふれる若いデザイナー、俺に同情垂れ流しだったなぁ。物語の頑固親父なら「お前に作るのは金と時間と才能の無駄遣いだ」とか断ってくれたかもな。
「どうした?デスマンティスの魔石なんか大きいだろう?俺が扱った中ではかなり上質な方だぞ」
ボディーは赤だったのにエメラルドみたいな緑。
「魔道具に使いたいだけだから綺麗さは別にどうでも良い」
「魔道具ぅ?」
「まだコンロしかもってないぞ。今後のために貯めている」
ジョズさんと近くで作業していたボックがとんでもないものを見たような顔をした。
「こんな魔石使うってどんな魔道具欲しいんだよ?」
「知らない」
だってまだ試してないから!!
「そりゃ他の素材売っただけでも金には困らんだろうがめちゃくちゃだな」
俺はマジックバッグ用のウエストバッグに魔石をザラザラっと入れた。
ボックくん、なぜそんな悲愴な顔で見ないでくれたまえよ。
「お前の持ち物だから何も言わんが今回の魔石の総額は大金貨三枚と中銀貨三枚だぞ」
三百三十万かぁ。とりあえず神様に貢ぐ分は稼げてるし良いか。
「それからマンティスとタイガー、ディア、蛇と小物の素材や皮、骨肉諸々で大金貨七枚と中金貨四枚、金貨七枚だ。解体代は引いてある」
七百四十七万円!!おお、売らない魔石代合わせたら一千万稼いだ~!!凄い!
ジョズさんが値段内訳のメモ見せて説明してくれた。
アースタイガーが一番お高くて、カマキリの外皮も高額、傷が少ない分多めだってさ。
蛇皮も丸々使える状態なのがいいらしい。
「新人が一日で稼ぐ金額じゃないからな」
俺だって別に普段は薬草探してるだけだしなぁ。
「で口座でいいか?」
全額くれって言うと怒るじゃん!
「金貨四十七枚欲しいかなぁ?」
上目使いで言ってみた。宿代が十日で金貨十枚だったからそれくらいは現金で持ち歩いても良いよな。
「タグを出せ」
機械に通して口座に入金と、ボックが現金を用意して渡してくれた。
「お前は見た目が良過ぎてプティも〈小鳥の止まり木〉に案内したんだろうが、そこそこの連中は銀貨一枚の安宿を定宿にしている。銀貨二枚三枚で一日暮らせるからな」
一日宿代込みで三千円以内だと!?
「ああ、今後ランクを落とそうとか考えるなよ、お前みたいなツラだと襲われかねんし、ボルクのとこと違って衛生が悪い」
襲われ!?
「程度の低い宿は鍵がねぇから夜這いも泥棒も出るぞ」
何!?宿なのに安心して寝られない!?
「そこらの金の無さそうなのは心配ねぇ!お前のツラと常に綺麗な服に髪!!その高そうな靴やバッグ!!」
え、襲いたいくらい良い顔なのは仕方ないよね。俺的色っぽくてかっこいいランキング上位でデザインされた顔だ。
でも靴と鞄??
とりあえずジョズさんとボックの足元や腰につけてる道具入れを見る。
年季??しっかり使い込んでる感。でも新品の時もあるよね?
「よくわからんが?そんな金持ちそう??」
「お前は外で普通の冒険者や商人や町民をじっくり見てこい」
みんなオーガニックな格好で髪色が派手だなぁとしか思わなかったんだけど、なんか違うかな?
「ああ、俺明日か明後日この町出るから、色々ありがとうな」
解体お願いすることはなさそうなのでご挨拶。
「そうか。また気が向いたらカナンに来い」
さっぱりした感じが冒険者との付き合いの長さかな。
「とりあえず一周してから考える」
「優雅なこった。王都では特に良い宿を取るんだな」
王都が一番危険なの!?
ギルドを出て仕方なく教会に向かう。ほんの些細な抵抗としてフードを被って中に入った。
先客はなかったので祭壇まで行って、神像に声をかけるとすぐに目の前に白い空間が広がって、ドリアスとティアランシアが現れた。
「あら、奥まで行って来たのね?奥まで行く人たちは薬草はなかなか採ってこないから助かるのよ」
蛇とかカマキリ出てくるから地面に集中しにくいよね。
「鮮度も状態も良いからちょっと上乗せよ」
金額的には森の入り口付近の薬草の三倍くらい貰えた。危険手当って思うと魔獣狩った方がいいからそりゃ採ってこないかな?
プティさんのお口と耳のもふもふ具合に癒されていたら買い取りカウンターの方でジョズさんが「こっち来な」ってハンドサイン。
「ああ~、ジェイルのおかげで今期は目標達成が楽になったわ。ありがとうね」
ダンジョンとか儲からないのかな?高レベルだと入れる人が少ないから微妙か?
プティさんにお別れを告げて、ジョズさんと裏の解体場に。
「魔石はこれだ」
まぁまぁなサイズと小粒の魔石がコロコロッと並んでいる。
みんな形がバラバラで色も違って、あのアンナの婚約指輪選びがルースからだったのを思い出して鬱だ。
素直にブランド品を強請るかと思ったら、毎日つける結婚指輪はブランドで、「石が大きくて私だけのが良いなぁ」って有名デザイナーの工房に連れて行かれて。
あの時のあの才気あふれる若いデザイナー、俺に同情垂れ流しだったなぁ。物語の頑固親父なら「お前に作るのは金と時間と才能の無駄遣いだ」とか断ってくれたかもな。
「どうした?デスマンティスの魔石なんか大きいだろう?俺が扱った中ではかなり上質な方だぞ」
ボディーは赤だったのにエメラルドみたいな緑。
「魔道具に使いたいだけだから綺麗さは別にどうでも良い」
「魔道具ぅ?」
「まだコンロしかもってないぞ。今後のために貯めている」
ジョズさんと近くで作業していたボックがとんでもないものを見たような顔をした。
「こんな魔石使うってどんな魔道具欲しいんだよ?」
「知らない」
だってまだ試してないから!!
「そりゃ他の素材売っただけでも金には困らんだろうがめちゃくちゃだな」
俺はマジックバッグ用のウエストバッグに魔石をザラザラっと入れた。
ボックくん、なぜそんな悲愴な顔で見ないでくれたまえよ。
「お前の持ち物だから何も言わんが今回の魔石の総額は大金貨三枚と中銀貨三枚だぞ」
三百三十万かぁ。とりあえず神様に貢ぐ分は稼げてるし良いか。
「それからマンティスとタイガー、ディア、蛇と小物の素材や皮、骨肉諸々で大金貨七枚と中金貨四枚、金貨七枚だ。解体代は引いてある」
七百四十七万円!!おお、売らない魔石代合わせたら一千万稼いだ~!!凄い!
ジョズさんが値段内訳のメモ見せて説明してくれた。
アースタイガーが一番お高くて、カマキリの外皮も高額、傷が少ない分多めだってさ。
蛇皮も丸々使える状態なのがいいらしい。
「新人が一日で稼ぐ金額じゃないからな」
俺だって別に普段は薬草探してるだけだしなぁ。
「で口座でいいか?」
全額くれって言うと怒るじゃん!
「金貨四十七枚欲しいかなぁ?」
上目使いで言ってみた。宿代が十日で金貨十枚だったからそれくらいは現金で持ち歩いても良いよな。
「タグを出せ」
機械に通して口座に入金と、ボックが現金を用意して渡してくれた。
「お前は見た目が良過ぎてプティも〈小鳥の止まり木〉に案内したんだろうが、そこそこの連中は銀貨一枚の安宿を定宿にしている。銀貨二枚三枚で一日暮らせるからな」
一日宿代込みで三千円以内だと!?
「ああ、今後ランクを落とそうとか考えるなよ、お前みたいなツラだと襲われかねんし、ボルクのとこと違って衛生が悪い」
襲われ!?
「程度の低い宿は鍵がねぇから夜這いも泥棒も出るぞ」
何!?宿なのに安心して寝られない!?
「そこらの金の無さそうなのは心配ねぇ!お前のツラと常に綺麗な服に髪!!その高そうな靴やバッグ!!」
え、襲いたいくらい良い顔なのは仕方ないよね。俺的色っぽくてかっこいいランキング上位でデザインされた顔だ。
でも靴と鞄??
とりあえずジョズさんとボックの足元や腰につけてる道具入れを見る。
年季??しっかり使い込んでる感。でも新品の時もあるよね?
「よくわからんが?そんな金持ちそう??」
「お前は外で普通の冒険者や商人や町民をじっくり見てこい」
みんなオーガニックな格好で髪色が派手だなぁとしか思わなかったんだけど、なんか違うかな?
「ああ、俺明日か明後日この町出るから、色々ありがとうな」
解体お願いすることはなさそうなのでご挨拶。
「そうか。また気が向いたらカナンに来い」
さっぱりした感じが冒険者との付き合いの長さかな。
「とりあえず一周してから考える」
「優雅なこった。王都では特に良い宿を取るんだな」
王都が一番危険なの!?
ギルドを出て仕方なく教会に向かう。ほんの些細な抵抗としてフードを被って中に入った。
先客はなかったので祭壇まで行って、神像に声をかけるとすぐに目の前に白い空間が広がって、ドリアスとティアランシアが現れた。
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