上 下
15 / 104
一章

空から降ってきたものは?

しおりを挟む
 採取は欲しい薬草がマークで見えると言うチュートリアル仕様なので楽ちん。
 なので他の冒険者にかち合わないよう少し奥まで行った。

 タバコ咥えて、缶チューハイ飲みつつ、根こそぎにならない程度に採った。

 スマホがピロピロ言ってる。
 
 今は仕事中デース。

 と言いつつも、昼飯食べようとスマホでショッピングーゥ。

 拡張されたお店は、ヤ○ショ、ラ○テン、アマ○ン、イ○ンみたいなものか。
 カテゴリに百貨店の銘店コーナーと物産展が入ってる。
 誰か日本の情報めっちゃ調べたんだろうか。

 物産展、昼間は混んでて休憩時間にはしんどいし、夕方はもう終わりがけだと思うと行く気力湧かないんだよ。

 でも今は!ページ開けば、北海道!!
 期間があるのかな。どうだろう。

 海鮮弁当は買いだ。牛肉弁当も色々ある。
 無限収納に入れとけば腐らないからまとめ買いしよう。
 チーズとたらこと、酒のつまみ系はいっぱい欲しい。
 コーンスープも良いな。

 白い恋人、六花亭、ロイズ・・・、わかったのはそこまで。
 オッさん最近行って無さすぎて見たことないお店がいっぱいあるぅ!!!
 マジかー。

 選べないくらいある。
 とりあえずロイズの生チョコの山崎ブランデーは大人買いだ。好きじゃーー!!
 女神さまたちには生チョコ各種とチョコポテトのやつ。
 酒のつまみはヴェールだろう。グラディウスもか。
 他にも美味しそうなケーキとかみんなで分けてくれ。

 弁当は人数分。
 仕分けが面倒だから、ティアランシアにまとめて送ろう。

 ふー。お会計、あのアンナとのなんとか記念のブランド品の金額に比べたら全然安くて泣けるな。

 
 早速、海鮮弁当を食べる。
 この町、海の物入って無さげだから最優先。

「旨い。カニはなんか無条件に嬉しい。ウニもいくらも。なぜこんなに幸せな気持ちになるのか」

 ネットショップを再び開いて、いつもの酒コーナーをタップ。
 カップ酒を数種類購入。

 カップ酒を〈急冷〉で冷やす。凍り始める寸前で止めればキンキンだ。
 
「かーーー!!」

 海鮮に日本酒、最高だー。

 ポト、ポトト。

 だ?

 何かポトリと額に。
 俺の上に影が。

 恐る恐る上を見れば、俺を後ろから覗き込んでヨダレを垂らした・・・。

「クマーーーーーーーーーーーーーー!」
「グォオオオオーーーーーー!!」
 俺がびっくりしてるのになんでお前もびっくりしてんだよ!!
 気配全くしてなかったよな。

 鑑定が、ブラックベア、眉間と喉狙えって表示出してきたので、慌てて短銃を取った。

 込める魔力は土にした。カチカチの弾丸をイメージ。

 俺は全力で横に飛んで銃を構えるとクマが、
「俺の弁当食ってるーーーー!!!」 
弁当箱を爪で引っ掛けて口にザバーっと。

 注意を弁当に取られてる間に銃を放った。

 五発中、三発命中。
 ゾンビ(ゲーム)なら百発百中なのに。

 俺の半分残ってた弁当がバラバラになってる。カップ酒も溢れた。

 クマは美味しかったな。ボルクのシチュー。
 でも持って帰ると目立っちゃうなー。
 収納に解体してもらって地道にルームで食う?

「おい!大丈夫か!!」
 おぇ?

 慌てて弁当とカップ酒の瓶を収納。

 〈鋼鉄の拳〉ランガ、ヤン、ヴァロたちが森の奥から走ってきた。

「んだよ、ジェイルか」
「なんでこんな奥まったとこいるんだよ」
「新人はだだっ広い草原で草探すんだぞ」

 おおぅ。奥って言ってもちょっと森に入ったくらいなのに。

「げー!なんでブラックベア倒してんの!」
「なんとなくで一人旅出来るだけあんな」

 ブラックベアはFランク少年たちでは荷が重い強さらしい。

 ランガたちは目ぼしい依頼がないときは森で調査を兼ねた狩をしてるんだと。

「なんでコイツがこんな浅いとこ来たんだ?」

 不思議そうにクマを検分してる。

 多分だけど、海鮮弁当に惹かれたんだろう。そんな魅力的な香りしたのか。
 俺の頭に掛かったヨダレ早く〈洗浄〉したい。鼻の上の方から獣臭。

「おい!どうやって倒した。傷がすくねぇ」
「マジか、眉間と肩と喉?脇もか」
 あ、肩と脇は掠ったんだ。

「んー、魔法で?」
 
 三人とも微妙な顔した。

「お前すげーな。魔法は普通もう少し焦げたり傷跡がデケェぞ」
「集中力高くないか」

 え、そう言うもんなの?
 ウオーターアローとかストーンバレットのイメージなんだけど。

「しかしお前良い稼ぎになるぞ!良かったな」
 マジか。クマ高いんだ。

「こんだけ傷が少ないと自分で解体は毛皮が勿体ねぇな」
 いや、お前らいなかったら無限収納で解体したんだが。

「お前のそれマジックバッグだろ?入るか?」
 普通の容量がわからない。入るって言っても良いのか。

「無理なら俺のに入れてやるぞ」
 ヤンが提案してくれる。

「じゃぁお願いしようかな」
「了解~」

 まるごとのクマがヤンのリュック?にニュルンと消えた。


「何ぃ!?薬草摘んで飯休憩してたら襲われた?」
 何でここにいたかと聞かれて素直に答えた。
「お前何やってんだ。こんなとこで警戒せずに一人で飯!?」
 非常識だったらしい。
「お前マジでバカだろ」
「ボンボンってやべぇ」

 バカじゃねぇしぃ。ボンボンじゃねぇしぃ。

 ランガたちは、森の奥で果物採取とオオカミ狩ってきたから、今日はもう帰るって言うので一緒に帰ることに。
 〈転移〉使えん。ちぇ。

「町帰る前に一服したいから付き合って。マジックバッグに入れてくれたお礼」
 コイツらはもうタバコ知ってるから隠す必要ないし。

「お」
「良いのか」
「やりぃ」

 一本ずつ渡すとめっちゃ嬉しそう。

 俺はタバコに火を付けるついでにこっそり〈洗浄〉使った。マジ臭。

「ふー!やっぱうめぇな」
「薬屋のじゃ物足りなくなった」
 ああ、それは気の毒だな。

「商業ギルドのロレンツォに目をつけられたから町では吸えない」
 マジめんどくさい。
「ゲェ。あのジジィ、ちょっとした噂も集めてるからな」
「俺、白いタバコはこっそり吸ってるからな!?」
 疑ってないのに弁明された。
「まぁさ、お前が堂々と吸ってたのが悪いよな」
 ヴァロに背中をポンとされる。
 
 だってタバコが高級品って知らんかったんだよ。

「草はなぁ、各地で買うの楽しいが、この旨いの吸ったら他はいらん気がする」
 そこまでか。罪深いな。

 途中でランガたちがポイ捨てしようとしたので叱ったら、
「葉っぱなんか土に還るだろうが」
って言われた。
 確かに薬屋の刻み葉っぱと葉巻はオール草だ。
 良いのか?
 今日吸ってるのは、リトルシガー。フィルター入ってるし、外側は紙混じってんのよ。
「そうか」
 一応納得したふりで、後ろについて歩いて「収納」って目視で呟いたら出来た。

 喫煙マナーを守らないといつか禁煙ブームが来ちゃうんだぞ!

 門に着くと一台の馬車と数人の冒険者だったのですぐ入れた。

「お、一緒に戻ってきたんか!」
 ワイドさんに迎えられた。

「おう!今日は坊やがベア狩ったぞ!明日は肉屋に行けよ」
「お、ウサギの次はベアか!」
 なぬ?クマ肉が売られる前提だ。
 量があるから良いか。
 


しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます

銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。 死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。 そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。 そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。 ※10万文字が超えそうなので、長編にしました。

せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。

リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。 そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。 そして予告なしに転生。 ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。 そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、 赤い鳥を仲間にし、、、 冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!? スキルが何でも料理に没頭します! 超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。 合成語多いかも 話の単位は「食」 3月18日 投稿(一食目、二食目) 3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~

月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。 「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。 そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。 『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。 その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。 スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。 ※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。) ※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。

幼女に転生したらイケメン冒険者パーティーに保護&溺愛されています

ひなた
ファンタジー
死んだと思ったら 目の前に神様がいて、 剣と魔法のファンタジー異世界に転生することに! 魔法のチート能力をもらったものの、 いざ転生したら10歳の幼女だし、草原にぼっちだし、いきなり魔物でるし、 魔力はあって魔法適正もあるのに肝心の使い方はわからないし で転生早々大ピンチ! そんなピンチを救ってくれたのは イケメン冒険者3人組。 その3人に保護されつつパーティーメンバーとして冒険者登録することに! 日々の疲労の癒しとしてイケメン3人に可愛いがられる毎日が、始まりました。

卒業パーティーで魅了されている連中がいたから、助けてやった。えっ、どうやって?帝国真拳奥義を使ってな

しげむろ ゆうき
恋愛
 卒業パーティーに呼ばれた俺はピンク頭に魅了された連中に気づく  しかも、魅了された連中は令嬢に向かって婚約破棄をするだの色々と暴言を吐いたのだ  おそらく本意ではないのだろうと思った俺はそいつらを助けることにしたのだ

目覚めたら地下室!?~転生少女の夢の先~

そらのあお
ファンタジー
夢半ばに死んでしまった少女が異世界に転生して、様々な困難を乗り越えて行く物語。 *小説を読もう!にも掲載中

処理中です...