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第三部 夏の思い出を作りに行きます!?
第9話『薬師、おじいさんを助ける』
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浜辺の街に滞在して、数日が経過したある日。わたしはスフィアと一緒に食材の買い出しに来ていた。
別荘での食事は使用人さんたちが作ってくれるのだけど、それだとあまりに申し訳ないということで、こうして買い出しを手伝っているのだ。
「まずは野菜ですね! エリン先生、こっちです!」
相変わらずの人の多さに圧倒されながら、スフィアに手を引かれて市場の中を行く。
これじゃ、どっちが年上かわからない……なんて考えていると、雑踏の中にうずくまる人影を見つけた。
「あの、スフィア、ちょっと待ってください」
「え?」
前を行く彼女を慌てて呼び止めて、わたしはその人影へと近づいていく。どうやら、おじいさんのようだ。
「だ、大丈夫ですか。どこか、具合でも悪いんですか」
その背におそるおそる声をかけると、彼はゆっくりと顔を上げた。
「ああ、少し休めば良くなるから、大丈夫だよ。どうも、飲んだ薬が体に合わなかったようだ」
苦しそうに言うおじいさんの顔色は土気色をしていた。さすがに放っておけず、わたしはスフィアと協力して彼を近くのベンチへと誘導し、横になってもらう。
「あの、わたしは薬師です。薬が合わなかったとは、どういうことですか」
庇のついたベンチに横たわるおじいさんの容態を見つつ、そう尋ねてみる。
「……どうも最近、薬を飲むと逆に気分が悪くなるんだ。歳のせいかな」
「処方されたのは、なんの薬かわかりますか?」
「心臓の薬としか。常に持ち歩いているから、腰の袋の中にあるよ。なんなら、見ておくれ」
「し、失礼します」
彼に断ってから、わたしは腰袋の中を漁る。すぐにそれらしい包みが見つかった。
その成分を確かめるため、粉状の薬を少し舐めてみる。
使われているのはゴールデンリーフとノマの実、それにメルルの花と……この独特の強い苦みはロキナ樹の樹皮だ。
薬材の種類から考えて、心臓の動きを安定させる薬で間違いないと思う。
……けれど、何か違和感がある。
「エリン先生、どうかしたんですか?」
……わかった。このノマの実だ。
本来のノマの実は赤色で、粉砕してもその色味が若干残る。
でも、この薬の中に使われている実の色は黒かった。明らかに、品質が悪いものが使われている。
そうなると、このメルルの花も怪しい。ポプリの素材としても使われるほど良い香りを放つはずなのに、それをほとんど感じない。
加えて、心臓の薬はその副作用で顔色が悪くなると聞いたことがある。彼の症状の原因は十中八九、この薬で間違いないだろう。
「あのー、エリン先生―?」
「……はっ」
スフィアに耳元で声をかけられ、わたしは我に返る。
「もしかして、舐めただけで使われている薬材がわかったんですか?」
「そ、そうです」
「さ、さすがエリン先生です……」
スフィアは驚きの表情を浮かべたあと、わたしを真似するように粉末を舐める。直後、その苦さに顔を歪めていた。
「うげっ……ぜんぜんわかりません」
「い、いくらなんでもスフィアにはまだ無理ですよ。それより、この人は副作用が強く出てしまっているので、わたしは今からその症状を和らげるお薬を調合してきます。スフィアは、ここでおじいさんを見ていてあげてください」
「わ、わかりました!」
スフィアが頷いたのを確認して、わたしは別荘へ向けて走り出した。
ノーハット家の別荘へ戻ったわたしは、エドヴィンさんへの説明もそこそこに、地下にある調合室へ飛び込む。
そこの薬棚から手早く薬材を取り出すと、すぐに薬研を握り、粉砕作業を始めた。
今から作るのは、オルニカの根やベニイモ、ジャールの根といった薬材を使用した薬で、体の免疫機能を高める効果がある。
体の自浄作用による解毒も期待できるので、悪い薬の成分を外に出すことも可能だと思う。
「ずいぶんと慌てておられますが、いかがなさいました?」
「あっ、いえ、ちょっと困っている人を見つけたので」
背後からエドヴィンさんに声をかけられるも、わたしはそんな説明しかできなかった。
「そうですか。暑いですし、あまりご無理をなさらぬよう」
すると彼は何か察してくれたようで、それだけ言って調合室から出ていく。
あとできちんと事情を説明しよう……なんて考えつつ、わたしは一心不乱に薬研を動かしたのだった。
やがて薬を完成させ、煮出した薬湯を水筒に入れておじいさんのもとへと舞い戻る。
「これは薬師様、ご迷惑をおかけします」
彼の体調はだいぶ良くなったようで、ベンチに腰掛けた状態で出迎えてくれた。
「か、顔色、先程に比べてかなり良くなってきましたね。これ、薬です」
「ありがとうございます」
おじいさんはお礼を言うと、躊躇なく水筒の中身をあおった。
「あの子に聞きましたが、あなたは国家公認工房の薬師様なのだとか。本当に助かりました」
その全てを飲み干したあと、彼はそう続ける。
今になって思えば、わたしに対する言葉遣いも改まっている。どうやら、スフィアがわたしの素性について話したようだ。
「べ、別にそんな……それより、煮出す前の薬もお渡ししておきます。もしまた同じような症状が出た場合、飲んでください」
そう言いながら、わたしは持っていた粉薬を手渡す。
「何から何まで、感謝しかありません。これは少ないですが、お礼です」
するとおじいさんはそう言って、1ピール銀貨をわたしに向けて差し出してくる。
「い、いえいえ、わたしが好きでやったことですから、お代は結構です」
「それでは、私の気が収まりません」
わたしはその銀貨を必死に押し返すも……逆におじいさんのほうが困った顔をしていた。
「そ、それでは、お代のかわりに、少しお話を伺いたいのですが。もちろん、体調に差し支えなければ……ですけど」
「構いませんよ。何をお話ししましょうか」
そう代替案を出してみると、彼は了承してくれた。わたしは胸を撫でおろし、一つ質問をしてみる。
「こ、この副作用ですが、いつ頃から出るようになりましたか。どの薬でも少なからず副作用はあるものですが、今回の症状はあまりに顕著です」
「そうですね……今になって思えば、いきつけの薬師工房の工房長が交代した頃からですかね」
「……工房長が、交代?」
「ええ、この街にはフランティオ工房という薬師工房があるのですが、そこの工房長が半月ほど前に代替わりしましてね。今はその息子たちが切り盛りしているのです」
……なるほど。それなら薬の成分が変わるようなことがあっても不思議はない。
薬の調合は非常に繊細な作業なので、同じ分量の薬材を使ったつもりでも、効能に違いが出たりするのだ。作り手が変わった上、品質の悪い薬材を使っていたのなら尚更だ。
「そんな理由で、薬の品質って下がっちゃうものなんですか? 兄弟でやっているのなら、仕事は楽になっていそうですが」
わたしが納得する中、スフィアは不満顔をしていた。
「工房を継いだばかりで慣れていないのだと、常連客の間で話していますがね。そのうち、もとに戻るだろうと」
「……わかりました。貴重なお話、ありがとうございました」
どこか楽観的に言うおじいさんにお礼を言うと、彼は一礼して去っていった。
「むー、エリン先生、自分たちの作った薬でお客さんに迷惑がかかってるって、その工房長さんに教えてあげたほうがいいんじゃないですか?」
自らも薬師であるという自覚があるのか、スフィアがそう言って口を尖らせた。
「た、確かに、許せる行為ではありませんが、薬師工房には薬師工房の事情がありますし」
あのおじいさんの言う通り、工房が忙しすぎてたまたま調合ミスをしただけかもしれないし、薬材の仕入先が悪徳業者だというパターンもあり得る。
なんにしても、部外者のわたしたちが首を突っ込むべき問題ではないと思う。
「その薬師工房、どんな感じなのか、見に行きましょうよ!」
「えぇ!?」
そんなことを考えていると、スフィアがわたしの手を取って走り出す。
気持ちはわかるけど、本当に行くの!?
別荘での食事は使用人さんたちが作ってくれるのだけど、それだとあまりに申し訳ないということで、こうして買い出しを手伝っているのだ。
「まずは野菜ですね! エリン先生、こっちです!」
相変わらずの人の多さに圧倒されながら、スフィアに手を引かれて市場の中を行く。
これじゃ、どっちが年上かわからない……なんて考えていると、雑踏の中にうずくまる人影を見つけた。
「あの、スフィア、ちょっと待ってください」
「え?」
前を行く彼女を慌てて呼び止めて、わたしはその人影へと近づいていく。どうやら、おじいさんのようだ。
「だ、大丈夫ですか。どこか、具合でも悪いんですか」
その背におそるおそる声をかけると、彼はゆっくりと顔を上げた。
「ああ、少し休めば良くなるから、大丈夫だよ。どうも、飲んだ薬が体に合わなかったようだ」
苦しそうに言うおじいさんの顔色は土気色をしていた。さすがに放っておけず、わたしはスフィアと協力して彼を近くのベンチへと誘導し、横になってもらう。
「あの、わたしは薬師です。薬が合わなかったとは、どういうことですか」
庇のついたベンチに横たわるおじいさんの容態を見つつ、そう尋ねてみる。
「……どうも最近、薬を飲むと逆に気分が悪くなるんだ。歳のせいかな」
「処方されたのは、なんの薬かわかりますか?」
「心臓の薬としか。常に持ち歩いているから、腰の袋の中にあるよ。なんなら、見ておくれ」
「し、失礼します」
彼に断ってから、わたしは腰袋の中を漁る。すぐにそれらしい包みが見つかった。
その成分を確かめるため、粉状の薬を少し舐めてみる。
使われているのはゴールデンリーフとノマの実、それにメルルの花と……この独特の強い苦みはロキナ樹の樹皮だ。
薬材の種類から考えて、心臓の動きを安定させる薬で間違いないと思う。
……けれど、何か違和感がある。
「エリン先生、どうかしたんですか?」
……わかった。このノマの実だ。
本来のノマの実は赤色で、粉砕してもその色味が若干残る。
でも、この薬の中に使われている実の色は黒かった。明らかに、品質が悪いものが使われている。
そうなると、このメルルの花も怪しい。ポプリの素材としても使われるほど良い香りを放つはずなのに、それをほとんど感じない。
加えて、心臓の薬はその副作用で顔色が悪くなると聞いたことがある。彼の症状の原因は十中八九、この薬で間違いないだろう。
「あのー、エリン先生―?」
「……はっ」
スフィアに耳元で声をかけられ、わたしは我に返る。
「もしかして、舐めただけで使われている薬材がわかったんですか?」
「そ、そうです」
「さ、さすがエリン先生です……」
スフィアは驚きの表情を浮かべたあと、わたしを真似するように粉末を舐める。直後、その苦さに顔を歪めていた。
「うげっ……ぜんぜんわかりません」
「い、いくらなんでもスフィアにはまだ無理ですよ。それより、この人は副作用が強く出てしまっているので、わたしは今からその症状を和らげるお薬を調合してきます。スフィアは、ここでおじいさんを見ていてあげてください」
「わ、わかりました!」
スフィアが頷いたのを確認して、わたしは別荘へ向けて走り出した。
ノーハット家の別荘へ戻ったわたしは、エドヴィンさんへの説明もそこそこに、地下にある調合室へ飛び込む。
そこの薬棚から手早く薬材を取り出すと、すぐに薬研を握り、粉砕作業を始めた。
今から作るのは、オルニカの根やベニイモ、ジャールの根といった薬材を使用した薬で、体の免疫機能を高める効果がある。
体の自浄作用による解毒も期待できるので、悪い薬の成分を外に出すことも可能だと思う。
「ずいぶんと慌てておられますが、いかがなさいました?」
「あっ、いえ、ちょっと困っている人を見つけたので」
背後からエドヴィンさんに声をかけられるも、わたしはそんな説明しかできなかった。
「そうですか。暑いですし、あまりご無理をなさらぬよう」
すると彼は何か察してくれたようで、それだけ言って調合室から出ていく。
あとできちんと事情を説明しよう……なんて考えつつ、わたしは一心不乱に薬研を動かしたのだった。
やがて薬を完成させ、煮出した薬湯を水筒に入れておじいさんのもとへと舞い戻る。
「これは薬師様、ご迷惑をおかけします」
彼の体調はだいぶ良くなったようで、ベンチに腰掛けた状態で出迎えてくれた。
「か、顔色、先程に比べてかなり良くなってきましたね。これ、薬です」
「ありがとうございます」
おじいさんはお礼を言うと、躊躇なく水筒の中身をあおった。
「あの子に聞きましたが、あなたは国家公認工房の薬師様なのだとか。本当に助かりました」
その全てを飲み干したあと、彼はそう続ける。
今になって思えば、わたしに対する言葉遣いも改まっている。どうやら、スフィアがわたしの素性について話したようだ。
「べ、別にそんな……それより、煮出す前の薬もお渡ししておきます。もしまた同じような症状が出た場合、飲んでください」
そう言いながら、わたしは持っていた粉薬を手渡す。
「何から何まで、感謝しかありません。これは少ないですが、お礼です」
するとおじいさんはそう言って、1ピール銀貨をわたしに向けて差し出してくる。
「い、いえいえ、わたしが好きでやったことですから、お代は結構です」
「それでは、私の気が収まりません」
わたしはその銀貨を必死に押し返すも……逆におじいさんのほうが困った顔をしていた。
「そ、それでは、お代のかわりに、少しお話を伺いたいのですが。もちろん、体調に差し支えなければ……ですけど」
「構いませんよ。何をお話ししましょうか」
そう代替案を出してみると、彼は了承してくれた。わたしは胸を撫でおろし、一つ質問をしてみる。
「こ、この副作用ですが、いつ頃から出るようになりましたか。どの薬でも少なからず副作用はあるものですが、今回の症状はあまりに顕著です」
「そうですね……今になって思えば、いきつけの薬師工房の工房長が交代した頃からですかね」
「……工房長が、交代?」
「ええ、この街にはフランティオ工房という薬師工房があるのですが、そこの工房長が半月ほど前に代替わりしましてね。今はその息子たちが切り盛りしているのです」
……なるほど。それなら薬の成分が変わるようなことがあっても不思議はない。
薬の調合は非常に繊細な作業なので、同じ分量の薬材を使ったつもりでも、効能に違いが出たりするのだ。作り手が変わった上、品質の悪い薬材を使っていたのなら尚更だ。
「そんな理由で、薬の品質って下がっちゃうものなんですか? 兄弟でやっているのなら、仕事は楽になっていそうですが」
わたしが納得する中、スフィアは不満顔をしていた。
「工房を継いだばかりで慣れていないのだと、常連客の間で話していますがね。そのうち、もとに戻るだろうと」
「……わかりました。貴重なお話、ありがとうございました」
どこか楽観的に言うおじいさんにお礼を言うと、彼は一礼して去っていった。
「むー、エリン先生、自分たちの作った薬でお客さんに迷惑がかかってるって、その工房長さんに教えてあげたほうがいいんじゃないですか?」
自らも薬師であるという自覚があるのか、スフィアがそう言って口を尖らせた。
「た、確かに、許せる行為ではありませんが、薬師工房には薬師工房の事情がありますし」
あのおじいさんの言う通り、工房が忙しすぎてたまたま調合ミスをしただけかもしれないし、薬材の仕入先が悪徳業者だというパターンもあり得る。
なんにしても、部外者のわたしたちが首を突っ込むべき問題ではないと思う。
「その薬師工房、どんな感じなのか、見に行きましょうよ!」
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