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第一部 工房を追い出されました!?
第4話『薬師、命の危機にさらされる』
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「こ、これには深い事情がありまして。どうか、命だけは。命だけはお助けください」
剣を抜いた女性を前に、わたしは土下座をして命乞いをする。
ハーランド工房では土下座なんて日常茶飯事だったし、慣れている。
「頭を下げなくていい。言っておくが、ここには盗るようなものなんてないぞ」
どうやら、わたしはその風貌から盗っ人と勘違いされているよう。
いやいや、わたし、盗っ人じゃないし。ここはなんとか誤解を解かないと。
……そうは考えたものの、なんと説明したものか。
「えっと、そのですね。あの」
必死に言葉を紡ごうとするも、頭の中を色々な単語が駆け巡るだけで、うまく言葉にできない。
あああ、どうしよう。このままだと業を煮やされて、剣でバッサリと……。
「ただいま戻りましたー! エリンさん、頼まれた材料、買ってきましたよー!」
最悪な考えが頭をよぎった時、底抜けに明るい声がして、クロエさんが帰ってきた。
「えーっと、これはどういう状況です……?」
そして室内に広がる光景を見て、固まる。
剣を抜いた女性と、その前で土下座し、冷や汗を流すわたし。彼女が混乱するのも無理はない。
「……クロエ、それはこっちの台詞だ。こいつはお前の知り合いなのか? 説明してくれ」
女性がため息をつきながら、剣を鞘に納めるのがわかった。それを確認して、わたしもおずおずと上体を起こす。
「私がお連れしたんです。このたびはうちのオーナーが大変失礼をいたしました」
クロエさんはわたしに向けてそう言いながら、手を取って立ち上がらせてくれる。
「失礼も何も……私に話を通していないクロエに非があると思うが」
「気が動転してたんですよー。あ、エリンさん、こちらはミラベルさんです。この建物のオーナーさんなんですよ」
「は、はぁ、オーナーさん……えっと、エリン・ハーランドと申します」
そう紹介されたオーナーさんと視線を合わせられないまま、わたしは自己紹介をする。
「ミラベル・ラステルクだ。ここのオーナーで、見ての通り剣士もしている。驚かせて悪かったな」
ミラベルさんはそう言って握手を求めてきた。その手を握り返すも、やはり視線は合わせられない。
「……声が小さいのはいいが、せめて握手をする相手の目を見ろ」
「す、すみません、人見知りなもので……目を合わせるの、苦手で」
「人見知り……?」
正直に答えると、ミラベルさんは呟くように言って、首をかしげた。
「……まぁ、いいだろう。それでクロエ、このエリンはどうしてここにいる?」
「ふっふっふー。それがですねぇ。実はこのエリンさん、凄腕の薬師みたいなんですよ。舐めただけで薬の成分を当てちゃったんです」
「……なに? それは本当か」
握った手を離しながらミラベルさんが問うと、クロエさんは嬉しそうに言葉を返し、笑顔でわたしを見てくる。
「ほう……つまり、このエリンが我が工房の新しい薬師候補というわけか」
「そうです! 今もマイラのために熱冷ましを作ってくれてるんですよ!」
……はい? 薬は作ってるけど、新しい薬師候補とはなんですか? 初耳なんですけど?
「なるほどな……では、お手並み拝見といこう」
「はい! エリンさん、頼まれていたパープルアイとスイートリーフです!」
理解が追いつかないうちに、クロエさんは右手に持っていた袋をわたしの胸に押し付けてくる。
「わ、わかりました。それでは、調合作業に入ります……」
そのまま流されるように、わたしは薬研へと向き直る。
できたら一人で作業したいのだけど、これは無理そう。背中に視線をひしひしと感じるし、手が震える……。
わたしは覚悟を決めると、薬研に残っていたジャールの根とグリーンオリーブを手早く粉にし、それを別の薬皿に移す。
続いて、植木鉢に植わったパープルアイを袋から取り出す。
まるで大きな瞳に見える紫色の花をつけるのが名前の由来で、野生のものは木に巻きついて大きくなる。観賞用としても栽培されていて、添え木をすればくるくると可愛らしくツルを伸ばすので人気があるらしい。
……だけど、薬材として使うのは根っこの部分。花も茎もいらないので、全てちぎって捨ててしまう。
「ああ……きれいな花だったのに」
……クロエさん、それは言わないで。わたしだって罪悪感がないわけじゃないから。
背後から聞こえた声を聞き流して、あらかじめ溜めておいた水を使って根っこを丁寧に洗浄。水気を拭き取ってから薬研にかける。本来なら乾燥させるべきなのだけど、今は致し方ない。
「これがお薬になるんですか? なんだか甘い匂いがしますけど」
「ひぃっ」
粉砕作業をしていると、クロエさんがすぐ横に立ち、興味津々に覗き込んできた。
「こ、これは甘いのが特徴なんです。後味は少し苦いですが、他の薬材に比べて格段に飲みやすいので」
緊張しながらそう伝えると、クロエさんはうんうんと頷いていた。
一方のミラベルさんは腕組みをしたまま、じっとわたしを見てくる。視線が痛い。すごく怖い。
その視線から逃げるように、スイートリーフに手を伸ばす。これも使うのは根っこの部分なので、茎や葉はさっさと取ってしまう。
「……エリン、その薬研はどうしたんだ?」
「はぇっ!?」
その矢先、ミラベルさんに突然話しかけられ、妙な声が出た。
「こ、これは父の形見、です」
「お父上も薬師だったと……どこかの工房に勤めていたのか?」
「あの、ハーランド工房……です。わたし、創業者の娘で。今は追い出されましたが」
「ああ……そういえば家名が同じだったな。追い出されたとは、それまたどうして」
「えっと、その、実はですね……」
調合作業を続けながら、わたしはたどたどしくも身の上話をする。ミラベルさんは何を言うでもなく、静かに聞いていた。
「で、できました。熱冷ましの薬、完成です」
……そうこうしているうちに、薬の調合が終わる。
「見せてくれ」
ミラベルさんはそう言うと、薬研の底に溜まった薬に手を伸ばし、少量つまむ。
「……ふむ。粉も均一で、見事なものだ。あの短時間でこの薬を作るとは、クロエの言っていたことに偽りはないようだな」
「あっ、ありがとうございます……」
つい頭を下げる。薬を褒められたのなんて、いつ以来だろう。
「しかし、これだけの腕前の薬師を追い出すなんて、ハーランド工房の連中はアホなのか?」
……わたしに言われましても。たぶん、アホっぽいですが。
「お薬もできましたし、マイラ、叩き起こしてきますね!」
クロエさんは言うが早いか、階段を駆け上っていった。
叩き起こすとか、病人に対してそんな乱暴な……なんて考えた直後、ミラベルさんと二人っきりになっていることに気づいて、緊張感が増す。
「薬の量が少ない気もするが、これで一回分なのか?」
「い、いえ。三回分です。この薬は粉のままだと飲みにくいので、湯薬にします。そのほうがとろみも出て、体も温まるので」
そう説明しながら、わたしはいい塩梅に沸騰している土瓶に調合した薬を投入していく。
「このまま煮出して、お湯が半分になったら煎じあがりです。パープルアイのおかげで甘みも出るので、飲みやすいです」
「そこまで減らしてしまっていいのか。濃くなりそうだが」
「むしろ、加熱時間が大事で、生煮えだと副作用が出ます。スイートリーフだと、手足のしびれや筋肉痛です」
「……お前、薬の話になると饒舌になるな」
「へっ? いや、そんなことは……」
苦笑しながらそう言われ、わたしは言葉に詰まる。
同時に沈黙が訪れ、ぐつぐつと土瓶が沸騰する音だけが調合室に響く。
……こ、この沈黙は辛い。ここは何か話さなければ。
剣を抜いた女性を前に、わたしは土下座をして命乞いをする。
ハーランド工房では土下座なんて日常茶飯事だったし、慣れている。
「頭を下げなくていい。言っておくが、ここには盗るようなものなんてないぞ」
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いやいや、わたし、盗っ人じゃないし。ここはなんとか誤解を解かないと。
……そうは考えたものの、なんと説明したものか。
「えっと、そのですね。あの」
必死に言葉を紡ごうとするも、頭の中を色々な単語が駆け巡るだけで、うまく言葉にできない。
あああ、どうしよう。このままだと業を煮やされて、剣でバッサリと……。
「ただいま戻りましたー! エリンさん、頼まれた材料、買ってきましたよー!」
最悪な考えが頭をよぎった時、底抜けに明るい声がして、クロエさんが帰ってきた。
「えーっと、これはどういう状況です……?」
そして室内に広がる光景を見て、固まる。
剣を抜いた女性と、その前で土下座し、冷や汗を流すわたし。彼女が混乱するのも無理はない。
「……クロエ、それはこっちの台詞だ。こいつはお前の知り合いなのか? 説明してくれ」
女性がため息をつきながら、剣を鞘に納めるのがわかった。それを確認して、わたしもおずおずと上体を起こす。
「私がお連れしたんです。このたびはうちのオーナーが大変失礼をいたしました」
クロエさんはわたしに向けてそう言いながら、手を取って立ち上がらせてくれる。
「失礼も何も……私に話を通していないクロエに非があると思うが」
「気が動転してたんですよー。あ、エリンさん、こちらはミラベルさんです。この建物のオーナーさんなんですよ」
「は、はぁ、オーナーさん……えっと、エリン・ハーランドと申します」
そう紹介されたオーナーさんと視線を合わせられないまま、わたしは自己紹介をする。
「ミラベル・ラステルクだ。ここのオーナーで、見ての通り剣士もしている。驚かせて悪かったな」
ミラベルさんはそう言って握手を求めてきた。その手を握り返すも、やはり視線は合わせられない。
「……声が小さいのはいいが、せめて握手をする相手の目を見ろ」
「す、すみません、人見知りなもので……目を合わせるの、苦手で」
「人見知り……?」
正直に答えると、ミラベルさんは呟くように言って、首をかしげた。
「……まぁ、いいだろう。それでクロエ、このエリンはどうしてここにいる?」
「ふっふっふー。それがですねぇ。実はこのエリンさん、凄腕の薬師みたいなんですよ。舐めただけで薬の成分を当てちゃったんです」
「……なに? それは本当か」
握った手を離しながらミラベルさんが問うと、クロエさんは嬉しそうに言葉を返し、笑顔でわたしを見てくる。
「ほう……つまり、このエリンが我が工房の新しい薬師候補というわけか」
「そうです! 今もマイラのために熱冷ましを作ってくれてるんですよ!」
……はい? 薬は作ってるけど、新しい薬師候補とはなんですか? 初耳なんですけど?
「なるほどな……では、お手並み拝見といこう」
「はい! エリンさん、頼まれていたパープルアイとスイートリーフです!」
理解が追いつかないうちに、クロエさんは右手に持っていた袋をわたしの胸に押し付けてくる。
「わ、わかりました。それでは、調合作業に入ります……」
そのまま流されるように、わたしは薬研へと向き直る。
できたら一人で作業したいのだけど、これは無理そう。背中に視線をひしひしと感じるし、手が震える……。
わたしは覚悟を決めると、薬研に残っていたジャールの根とグリーンオリーブを手早く粉にし、それを別の薬皿に移す。
続いて、植木鉢に植わったパープルアイを袋から取り出す。
まるで大きな瞳に見える紫色の花をつけるのが名前の由来で、野生のものは木に巻きついて大きくなる。観賞用としても栽培されていて、添え木をすればくるくると可愛らしくツルを伸ばすので人気があるらしい。
……だけど、薬材として使うのは根っこの部分。花も茎もいらないので、全てちぎって捨ててしまう。
「ああ……きれいな花だったのに」
……クロエさん、それは言わないで。わたしだって罪悪感がないわけじゃないから。
背後から聞こえた声を聞き流して、あらかじめ溜めておいた水を使って根っこを丁寧に洗浄。水気を拭き取ってから薬研にかける。本来なら乾燥させるべきなのだけど、今は致し方ない。
「これがお薬になるんですか? なんだか甘い匂いがしますけど」
「ひぃっ」
粉砕作業をしていると、クロエさんがすぐ横に立ち、興味津々に覗き込んできた。
「こ、これは甘いのが特徴なんです。後味は少し苦いですが、他の薬材に比べて格段に飲みやすいので」
緊張しながらそう伝えると、クロエさんはうんうんと頷いていた。
一方のミラベルさんは腕組みをしたまま、じっとわたしを見てくる。視線が痛い。すごく怖い。
その視線から逃げるように、スイートリーフに手を伸ばす。これも使うのは根っこの部分なので、茎や葉はさっさと取ってしまう。
「……エリン、その薬研はどうしたんだ?」
「はぇっ!?」
その矢先、ミラベルさんに突然話しかけられ、妙な声が出た。
「こ、これは父の形見、です」
「お父上も薬師だったと……どこかの工房に勤めていたのか?」
「あの、ハーランド工房……です。わたし、創業者の娘で。今は追い出されましたが」
「ああ……そういえば家名が同じだったな。追い出されたとは、それまたどうして」
「えっと、その、実はですね……」
調合作業を続けながら、わたしはたどたどしくも身の上話をする。ミラベルさんは何を言うでもなく、静かに聞いていた。
「で、できました。熱冷ましの薬、完成です」
……そうこうしているうちに、薬の調合が終わる。
「見せてくれ」
ミラベルさんはそう言うと、薬研の底に溜まった薬に手を伸ばし、少量つまむ。
「……ふむ。粉も均一で、見事なものだ。あの短時間でこの薬を作るとは、クロエの言っていたことに偽りはないようだな」
「あっ、ありがとうございます……」
つい頭を下げる。薬を褒められたのなんて、いつ以来だろう。
「しかし、これだけの腕前の薬師を追い出すなんて、ハーランド工房の連中はアホなのか?」
……わたしに言われましても。たぶん、アホっぽいですが。
「お薬もできましたし、マイラ、叩き起こしてきますね!」
クロエさんは言うが早いか、階段を駆け上っていった。
叩き起こすとか、病人に対してそんな乱暴な……なんて考えた直後、ミラベルさんと二人っきりになっていることに気づいて、緊張感が増す。
「薬の量が少ない気もするが、これで一回分なのか?」
「い、いえ。三回分です。この薬は粉のままだと飲みにくいので、湯薬にします。そのほうがとろみも出て、体も温まるので」
そう説明しながら、わたしはいい塩梅に沸騰している土瓶に調合した薬を投入していく。
「このまま煮出して、お湯が半分になったら煎じあがりです。パープルアイのおかげで甘みも出るので、飲みやすいです」
「そこまで減らしてしまっていいのか。濃くなりそうだが」
「むしろ、加熱時間が大事で、生煮えだと副作用が出ます。スイートリーフだと、手足のしびれや筋肉痛です」
「……お前、薬の話になると饒舌になるな」
「へっ? いや、そんなことは……」
苦笑しながらそう言われ、わたしは言葉に詰まる。
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