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プロローグ
第1話 死んだようだ
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私は加藤和世。
趣味はゲーム、アニメ観賞、漫画や小説を読むといった典型的なオタク気質の女子である。
時代にそぐわない古風な名前は、おばあちゃんのお姉さんの友達、そのまた知り合いの有名人から取ったそうで、つまりは他人の名前から取ったものだ。
そして、享年二十五歳。
どうやら、私は初出勤の途中で車に轢かれて亡くなったようだ。
”ようだ”と言うには理由がある。
横断歩道を渡っている時に、クラクションが鳴り響き振り向いたら、そこに車があった。
そこまでの記憶しかないからだ。
とはいえ、亡くなったからこそ、この摩訶不思議な空間にいるのだと思う。
真っ白で何も無い。
匂いも音すらない。
上下左右、果てがあるのかも、わからない空間。
「あれが、私の最後ってこと?」
すると、目の前に祭壇のような物がブォンという音と共に突然現れた。
「な、なに!?」
驚き思わず声を漏らす。
「落ち着け私、てか……なんかある?」
私は現れた祭壇のような物の更にその奥へと視線を向ける。
そこには、まるで神様の座るような神々しい椅子があった。
だが、そこには誰も座ってはいない。
とはいえ、私が見てきたアニメや読んできた漫画通りなら、どこからともなく現れた神様が現れてこういう椅子に座り、突然死んでしまった私を慰める。
そして、特殊スキルや魔法など授けてくれたり、裕福な家庭とかに転生させてくれるはず。
いわゆる異世界ファンタジーへと続くテンプレってやつだ。
なら、死んだからといって落ち込めないし、落ち込むって気も起きないよね。
そもそも、人生に未練なんかもないからなー。とか、言っちゃうと語弊があるかもだけど。
一瞬、一瞬を全力で生きてきたし、大体のことは学生時代にやり尽くした気がするし。
いや、本音を言うとちゃんと就職して、年相応の大人な恋愛とか経験し家庭を持ったり、両親のように子供を育てるとかしてみたかったりして。
いや、いや! 推しの活躍も最後まで見届けたかったし、親友ともしわくちゃになるまで、騒ぎたかったかも……。
って、未練だらけじゃん……私。
けど、常に前を向いて生きるのが、加藤家の方針だし、推しと親友に教えてもらったことだしね。
やっぱ、落ち込まずにいこう!
うん、うん! それがいい!
☆☆☆
私の家族は底抜けに明るかった。
お父さんは会社が倒産しても生きていれば、なんとかなると信じ落ち込むこともせず、仕事を探しに行き。
お母さんはそんなお父さんを支えるために、文句をいうこともなく、朝はパート、夜はバイトと掛け持ちしても、ずっと笑顔を絶やさなかった。
もちろん、初めからこうではなかった。
自分で言うのもなんだけど、幼い頃の私は結構可愛かった。
目はぱっちり二重瞼で大きく、肌も色白で活発な女の子。
性別問わず、誰とでも仲良くなり、その外見から将来を期待されて、「将来はモデルや女優だ!」なんて家族も口を揃えていたものだ。
それに同じ幼稚園に通う男の子、いわゆる幼馴染って存在もいて、そのお母さんに「大きくなったら、この子を和世ちゃんのお嫁さんに」とか言われたりなんかもした。
だが、幼い頃の私は体が弱く、さまざまな病を患ってしまう。
小さな子供なら大体かかるであろう、水疱瘡や麻疹はもちろん、その当時流行っていた病なら、ほぼ全てだ。
☆☆☆
あれは小学一年生の頃。
当時の私は両親に連れられて病院へと足繁く通う毎日を過ごしていた。
嫌ではあったが、「よくなるからね!」というお母さんと「和世なら、すぐだ」というお父さんに励まされたことで、私は通い続けた。
そのおかげもあり、徐々に快方へと向かっていった。
しかし、生まれ持った体質の影響だろうか、その中の病気の1つが重症化したのだ。
その病は皮膚に細菌が入り込み、炎症を起こすものだった。
色白でハリのあった肌は、化膿と炎症を繰り返し、火傷で爛れたような見た目へと変わっていった。
この間、投薬、壊死してしまった部分切除と移植を繰り返す。
普通の人なら、一週間で完治するところが私は数ヶ月の期間を要した。
後で知ったことだが、私は軽度の免疫疾患を患っていたらしい。
そんなことを知る由もない、幼い私はただ、ただ、ショックだった。
外見が見るに堪えない姿となったことが。
診察室で主治医に、「快方に向かっていますね!」や「よく頑張りましたね! もう少しです」と声を掛けられる度に。
診察が終わり、家に帰ると尚更だった。
手を洗う為に洗面所の鏡を見ると、そこには私ではない、誰かがいるからだ。
投薬と移植の影響で、色白で肌艶の良かった肌は浅黒くなり、まぶたは腫れて重く垂れ下がった一重。
まだ、幼いのにストレスでよりコケた頬。
当時の私は、鏡に映る私と違う誰かを前にして、泣くことしかできなかった。
「な、なんで……ぐずっ」
この間。
私は学校側の配慮もあり、休学という処置をとっていた。
そして、私は病が完治したことで小学校に通い始めた。
病気の重症化する前が、一年生の三学期。
なので、ちょうど二年生の二学期目となる頃だった。
私は数ヶ月しか、離れていなかったというのに、異世界のように感じたのを今でも覚えている。
数ヶ月前、歩いていた道路沿いの泥臭い川と、排気ガスの臭いがする通学路に、自転車のベル音やゴミ出しを終え住宅前で会話をする人たち声。
学校では、大声を上げたり、感情をむき出しにして笑い合う子供たち。
その全てが。
私は見た目が変わってしまった不安から、他の児童と登下校する時間を、ズラしてもらうことを両親にお願いした。
同年代の子供とは、見た目が全くと言っていいほど違うのだ。当然である。
私のお願いを両親は快諾し学校に働きかけてくれた。そのおかげで特例措置として、私は学校から登下校時間をずらすことを許可してもらった。
今考えると、これが、この対応が悪かったのかも知れない。
学校からの特別扱いという、悪目立ちが。
そして、私は通学することになった。
しかし、ここからがまた地獄だった。
学校から特別扱いを受け、すっかり見た目が変わってしまった私に投げかけられる言葉は、化け物、お化け、ババア、病原菌などの子どもならではの、無邪気で刺さる言葉の数々。
「近寄ったら、ゾンビになるからなー! ぜったいに近寄るなよ!」なんて言葉もぶつけられ、実際に石を投げられたりなんかもした。
そのせいで明るかった性格はガラリと変わり、口数が少なく主張の無い子へとなっていった。
趣味はゲーム、アニメ観賞、漫画や小説を読むといった典型的なオタク気質の女子である。
時代にそぐわない古風な名前は、おばあちゃんのお姉さんの友達、そのまた知り合いの有名人から取ったそうで、つまりは他人の名前から取ったものだ。
そして、享年二十五歳。
どうやら、私は初出勤の途中で車に轢かれて亡くなったようだ。
”ようだ”と言うには理由がある。
横断歩道を渡っている時に、クラクションが鳴り響き振り向いたら、そこに車があった。
そこまでの記憶しかないからだ。
とはいえ、亡くなったからこそ、この摩訶不思議な空間にいるのだと思う。
真っ白で何も無い。
匂いも音すらない。
上下左右、果てがあるのかも、わからない空間。
「あれが、私の最後ってこと?」
すると、目の前に祭壇のような物がブォンという音と共に突然現れた。
「な、なに!?」
驚き思わず声を漏らす。
「落ち着け私、てか……なんかある?」
私は現れた祭壇のような物の更にその奥へと視線を向ける。
そこには、まるで神様の座るような神々しい椅子があった。
だが、そこには誰も座ってはいない。
とはいえ、私が見てきたアニメや読んできた漫画通りなら、どこからともなく現れた神様が現れてこういう椅子に座り、突然死んでしまった私を慰める。
そして、特殊スキルや魔法など授けてくれたり、裕福な家庭とかに転生させてくれるはず。
いわゆる異世界ファンタジーへと続くテンプレってやつだ。
なら、死んだからといって落ち込めないし、落ち込むって気も起きないよね。
そもそも、人生に未練なんかもないからなー。とか、言っちゃうと語弊があるかもだけど。
一瞬、一瞬を全力で生きてきたし、大体のことは学生時代にやり尽くした気がするし。
いや、本音を言うとちゃんと就職して、年相応の大人な恋愛とか経験し家庭を持ったり、両親のように子供を育てるとかしてみたかったりして。
いや、いや! 推しの活躍も最後まで見届けたかったし、親友ともしわくちゃになるまで、騒ぎたかったかも……。
って、未練だらけじゃん……私。
けど、常に前を向いて生きるのが、加藤家の方針だし、推しと親友に教えてもらったことだしね。
やっぱ、落ち込まずにいこう!
うん、うん! それがいい!
☆☆☆
私の家族は底抜けに明るかった。
お父さんは会社が倒産しても生きていれば、なんとかなると信じ落ち込むこともせず、仕事を探しに行き。
お母さんはそんなお父さんを支えるために、文句をいうこともなく、朝はパート、夜はバイトと掛け持ちしても、ずっと笑顔を絶やさなかった。
もちろん、初めからこうではなかった。
自分で言うのもなんだけど、幼い頃の私は結構可愛かった。
目はぱっちり二重瞼で大きく、肌も色白で活発な女の子。
性別問わず、誰とでも仲良くなり、その外見から将来を期待されて、「将来はモデルや女優だ!」なんて家族も口を揃えていたものだ。
それに同じ幼稚園に通う男の子、いわゆる幼馴染って存在もいて、そのお母さんに「大きくなったら、この子を和世ちゃんのお嫁さんに」とか言われたりなんかもした。
だが、幼い頃の私は体が弱く、さまざまな病を患ってしまう。
小さな子供なら大体かかるであろう、水疱瘡や麻疹はもちろん、その当時流行っていた病なら、ほぼ全てだ。
☆☆☆
あれは小学一年生の頃。
当時の私は両親に連れられて病院へと足繁く通う毎日を過ごしていた。
嫌ではあったが、「よくなるからね!」というお母さんと「和世なら、すぐだ」というお父さんに励まされたことで、私は通い続けた。
そのおかげもあり、徐々に快方へと向かっていった。
しかし、生まれ持った体質の影響だろうか、その中の病気の1つが重症化したのだ。
その病は皮膚に細菌が入り込み、炎症を起こすものだった。
色白でハリのあった肌は、化膿と炎症を繰り返し、火傷で爛れたような見た目へと変わっていった。
この間、投薬、壊死してしまった部分切除と移植を繰り返す。
普通の人なら、一週間で完治するところが私は数ヶ月の期間を要した。
後で知ったことだが、私は軽度の免疫疾患を患っていたらしい。
そんなことを知る由もない、幼い私はただ、ただ、ショックだった。
外見が見るに堪えない姿となったことが。
診察室で主治医に、「快方に向かっていますね!」や「よく頑張りましたね! もう少しです」と声を掛けられる度に。
診察が終わり、家に帰ると尚更だった。
手を洗う為に洗面所の鏡を見ると、そこには私ではない、誰かがいるからだ。
投薬と移植の影響で、色白で肌艶の良かった肌は浅黒くなり、まぶたは腫れて重く垂れ下がった一重。
まだ、幼いのにストレスでよりコケた頬。
当時の私は、鏡に映る私と違う誰かを前にして、泣くことしかできなかった。
「な、なんで……ぐずっ」
この間。
私は学校側の配慮もあり、休学という処置をとっていた。
そして、私は病が完治したことで小学校に通い始めた。
病気の重症化する前が、一年生の三学期。
なので、ちょうど二年生の二学期目となる頃だった。
私は数ヶ月しか、離れていなかったというのに、異世界のように感じたのを今でも覚えている。
数ヶ月前、歩いていた道路沿いの泥臭い川と、排気ガスの臭いがする通学路に、自転車のベル音やゴミ出しを終え住宅前で会話をする人たち声。
学校では、大声を上げたり、感情をむき出しにして笑い合う子供たち。
その全てが。
私は見た目が変わってしまった不安から、他の児童と登下校する時間を、ズラしてもらうことを両親にお願いした。
同年代の子供とは、見た目が全くと言っていいほど違うのだ。当然である。
私のお願いを両親は快諾し学校に働きかけてくれた。そのおかげで特例措置として、私は学校から登下校時間をずらすことを許可してもらった。
今考えると、これが、この対応が悪かったのかも知れない。
学校からの特別扱いという、悪目立ちが。
そして、私は通学することになった。
しかし、ここからがまた地獄だった。
学校から特別扱いを受け、すっかり見た目が変わってしまった私に投げかけられる言葉は、化け物、お化け、ババア、病原菌などの子どもならではの、無邪気で刺さる言葉の数々。
「近寄ったら、ゾンビになるからなー! ぜったいに近寄るなよ!」なんて言葉もぶつけられ、実際に石を投げられたりなんかもした。
そのせいで明るかった性格はガラリと変わり、口数が少なく主張の無い子へとなっていった。
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